倫理学入門 Introduction to Ethics

                

●科目の主題と目標
 倫理学とは、規範の根拠について考える学問である。いいかえれば「〜はわるい」「〜はよい」「〜してはいけない」「〜してもよい」「〜すべきだ」「〜すべきではない」等ということが、どうしてそう言えるのか、その理由を示そうとするのが倫理学である。学生諸君が、社会におけるさまざまな規範の根拠について考え、自分の規範的判断の理由を、他者の納得できる形で示せるようになることが、当科目の目標である。

●授業内容・授業計画
 倫理学の基本的な考え方を、講義、課題演習および思考実験を通して学ぶ。
 授業予定は下記の通りだが、適宜変更する可能性もある。
1. オリエンテーション
2. 事例1をめぐる討論
3. 倫理学とはなにか……「倫理学入門」入門
4. 規範を根拠づけるとはどういうことか
5. 倫理に関する相対主義
6. 究極的原理はどのようなものか
7. 実践的三段論法の活用
8. 中間的総括(中間レポート)
9. 義務論……カント
10. 利己主義と利他主義
11. 功利主義(公益主義)
12. 事例2をめぐる討論
13. 事例3をめぐる討論
14. 再び、倫理学とはなにか……効用と限界
15. 全体の総括(期末レポート)
 授業形態はプリントを活用した講義のほか、必要に応じてグループディスカッションや討論を行う。

●評価方法
 担当教員は、授業期間中に複数回、不定期に課すレポートの成績に、授業への参加姿勢などを勘案して評点原案を作成する。受講者は、半期にわたる自らの学習活動を評点化しその根拠を記した「自己評価レポート」を最終授業時に提出する。担当教員は評点原案と自己評価レポートの内容を突き合わせて成績を決定する。

●受講者へのコメント
1. 所定の事項を記入した受講カードを提出すること。受講カードは所見と評価を記録する「カルテ」として用いる。受講者は受講カードの記載内容をいつでも閲覧できる。受講カードは学期終了後に受講者に返却する。
2. 受講者の顔と名前を覚えたいので、顔と氏名を売り込むこと。履修登録者数が20人を越えた場合は、顔写真の受講カードへの貼付を受講者全員に義務づける。
3. レポート・自己評価レポート・受講カードを学期終了後に返却するので、所定の返信用封筒を提出すること。
4. 受講カード・自己評価レポート・返信用封筒の三つのうちいずれか一つでも未提出の場合は履修放棄とみなす。

●教材
 講義プリントを配布する。教科書はとくに指定しない。参考書は下記のもののほか、授業中に適宜紹介する。
 カント『人倫の形而上学の基礎づけ』(中央公論新社[中公クラシックス])、『世界の名著 ベンサム・J.S.ミル』(中央公論新社)、P.シンガー『実践の倫理』(昭和堂)、J.レイチェルズ『現実をみつめる道徳哲学』(晃洋書房) 


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