倫理学入門 討論「ホームレスの患者の手術を行うべきか?」

大阪市立大学全学共通科目 6/23/1999 第1部第1限

(機械的に半分に分けて、自分の意見にかかわらず立場を割り振って討論)

【行うべきだ】(数字で示す。反論は小文字で示す)

(1) 助けられる余地がある限り助けるべきだ

(2) Aさんに心の傷が残る
(反論2-a)移植に賛成しているから残らない
 (再反論2-a-i)脳死にすることには賛成していない

(3) 患者を脳死に至らしめる裁量はない

(4) 移植が役に立たないかもしれない
(反論4-a)根拠がない

(5) 路上生活に舞い戻るとは限らない

(6) ホームレスへの偏見があるのではないか。人は人である

(7) 患者の生命と臓器移植による幸せを比べても患者の命の方が重い

(8) 本人の意志が確認できていない

(9) ドナーカードを持つことへの躊躇が出てくるかもしれない
(反論9-a)闇に葬られれば誰にも知られない

(10) 脳死状態にはまだなっていないのだから臓器提供の意志はまだ有効でない


【行うべきでない】(アルファベットで示す。反論は小文字で示す)

(A) 一人の患者の命で十数人の患者を助けた方がよい
(反論A-i)今危険なのは患者。移植を待つ人には余裕がある
 (再反論A-i-a)移植を待つ人も余裕はない。危険なのは同じ。
  (再々反論A-i-a-i)生命の認識に危惧が生じる(見殺しにする)
   (再々再反論A-i-a-i-a)なぜ見殺しにしてはいけないのか
    (再々再々反論A-i-a-i-a-i)本能・人間の権利

(B) Aさんの手術の手間が省ける
(反論B-i)医師の仕事をしないのか
 (再反論B-i-b)手術をしないのも本人次第

(C) 路上生活に舞い戻って不幸な目に遭うよりは、他の人の助けになった方がよい
(不幸な目に遭う/厳しい/戻った方が酷/人間としての尊厳がない/死んだ方がまし)

(D) Aさん自身の考えに合う

(E) 患者の治療費が相当かかる

(F) ドナーカードを持っていたことは万一の場合の覚悟ができていたことを表す


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