大阪市立大学全学共通科目 6/30/1999 第1部第1限
(自分の意見と反対の立場にあえて割り振って討論)【用いるべきだ】(数字で示す。反論は小文字で示す)
(1) 放っておいても伝染病で死ぬのなら、ワクチン開発で他の乳児の生存の可能性を高めるべきだ
(反論1-a)副作用で死ぬ確率の方が高い
(再反論1-a-i)そうともいえない
(2) 乳児がワクチンで助かっても、副作用で死んでも、データは必ず役に立つ
(3) ストリートチルドレンの生活は厳しい
(反論3-a)実験台で死ぬよりはいい
(4) 実験台になる乳児を含め、大勢の乳児が助かる可能性がある
(反論4-a)無駄死にする可能性も
(再反論4-a-i)データは役に立つのだから無駄死にとはいえない
(5) 実験は秘密裡に行える
(反論5-a)秘密だから行っていいわけではない
(再反論5-a-i)批判は受けなくてすむ
(6) 緊急性がある
(反論6-a)予防ワクチンなので副作用が先にくる
(再反論6-a-i)ワクチン開発の緊急性
(再々反論6-a-i-a)緊急性がなければ用いるべきではない?
(再々再反論6-a-i-a-i)そう。用いるべきではない
【用いるべきでない】(アルファベットで示す。反論は小文字で示す)
(A) 孤児であっても実験台にすべきでない
(B) 施設長は(乳児の利益を尊重せず実験を許可したので)後見人の資格がない
(反論B-i)ある
(再反論B-i-b)乳児のためを考えているか、同意は乳児のためか、不明
(C) 衛生・栄養状態が悪いので副作用がより強く出るかもしれない/正確なデータが得られない
(反論C-i)状態をよくすれば実験台にしてもいいのか?
(D) 人が人を故意に苦しめたりするのはよくない
(反論D-i)苦しむのは結果であって「故意」ではない
(再反論D-i-a)副作用で苦しむのはわかっているので「故意」だ
(E) 孤児院の乳児に実験台になる義務はない
(F) 生命の重さに生活環境の良し悪しは関係ない
(反論F-i)生命の重さは判定できない
(G) 動物実験で副作用の低い薬を開発してから人に使うべきだ
(反論G-i)新しい薬の開発には長い時間がかかるし、その薬なら動物実験で新しいデータはもう得られない
(H) 死に至る可能性のある実験を行うのは殺人になる