研究科プロジェクト「性愛をめぐる人間学の試み」総括シンポジウム

開催日時2022年3月25日(金)13:00〜17:00
会場オンライン(Zoom)
主催大阪市立大学大学院文学研究科/都市文化研究センター

本プロジェクトの趣旨は、現代の多様な性的実践のなかでも「逸脱的」とみなされうる営みに着目し、性愛とそれに関する規範をあらためて問い直すことにある。この総括シンポジウムでは、社会・文化・哲学の3つのパートの研究成果を報告し、約1年間の探究活動の総括を行う。

* 参加自由、希望者は下記の窓口までメールにてお問い合わせください。

① 13:00〜13:05
概要説明】佐金武

② 13:10〜13:50(発表20分、質疑応答15〜20分)
題目】非−人間的存在への愛着やものへの性的欲求について考える
報告者】濱野千尋
要旨
2021年度までに行った国内での調査をもとに、非−人間的存在との共存や愛着について検討する。今後の研究の方向性を見極めたい。

③ 14:00〜14:50(発表30分、質疑応答20分)
題目】二次創作BLにおける性描写:マンガ同人誌に着目して
報告者】石川優
要旨
本報告でいうボーイズラブ(BL)とは、女性を主な担い手とした、男性同士の関係性を描く表現ジャンルの総称を指す。本報告では、BLの中でも特に、マンガやアニメーションなどのメディアに描かれる男性同士の関係性に恋愛的な要素を見出す「二次創作BL」に着目する。権利問題などをしばしば孕む二次創作BLは、商業BLに比して性描写をめぐる先行研究の蓄積が少ない。そこで本報告では、事例の傾向分析をつうじて、二次創作BLにおける性描写の実態の一端を示す。

④ 15:00〜16:20(発表50分、質疑応答30分)
題目】「性的倒錯」の利己主義的解釈
報告者】西澤徹臣、松山あき、佐金武、大畑浩志、高野保男
性的倒錯ははたして可能な概念か。その言葉は時代錯誤なものに過ぎないのか。英米圏における20世紀後半来の「性的倒錯」の議論を概括すると、性愛になんらかの規範を想定する規範主義と、それに抗う反–規範主義の相克が見えてくる。さらに、「性的倒錯」をめぐる言語ゲームを考えるとき、従来の規範主義とも反–規範主義とも異なる、新たな分析の必要性が浮かび上がる。本発表では、すべての主体は自分の利益や幸福を最大限追求すべきとする利己主義を性愛に適用し、「性的倒錯」の新たな解釈の可能性を探る。

⑤ 16:30〜16:55 【全体討論

⑥ 16:55〜17:00 【総括】土屋貴志

お問い合わせ窓口:sakon[at]osaka-cu.ac.jp([at]を@に変換してください。)

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