アジア文化学専修

比較文化的な視点のもとで、日本をふくめたアジア地域における実践的・課題解決的な文化活用の現状と課題、さらには、地域に根ざした文化活用の具体的方策や理論化などについての教育、研究をおこないます。文化活用のために前提となる、アジア各地域の文化に対する理解や地域文化研究、比較文化研究のための方法についても学んでいきます。
本専修では、「地域」「共生」「比較」という3つのコンセプトをもとにして、それぞれの地域や社会の特性に応じた文化の活用と歴史を考えます。ビジネスの素材や集客のための訴求力として、対外的なソフトパワーとして、共生的社会実現のための土台作りとして等、現代アジアで文化が活用される場は多岐にわたっています。本専修の教育、研究は、現代社会の課題解決のために、大きく寄与するものとなるはずです。

教員紹介

松浦恆雄 教授

専門分野 20世紀中国演劇


中国語圏における20世紀以降の文学・演劇を、主にテキスト中心に研究しています。文学では、作家や詩人などが切り拓いた現代性について、また演劇では20世紀以降に大量に出回るようになった紙媒体(唱本、番付、小冊子、チラシなど実際の舞台の雰囲気を伝えてくれる資料)から、演劇史を見直し、文化再創造の手がかりを見つけようとしています。学問の面白さとテクストを読む力は、切り離せません。読む力をつけて初めて、学問の醍醐味と奥深さに触れることができます。じっくりと学問、テキストに取り組む意欲ある学生を期待しています。


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多和田裕司 教授

専門分野 文化人類学、アジア地域研究


文化人類学の立場から東南アジア地域研究、とくにマレーシアのイスラームを対象とした研究をおこなっています。グローバル化や国民国家体制、消費社会の進展等を特徴とする現代社会におけるイスラームの実践に関心を持っています。授業では、広く現代文化研究、アジア地域研究全般について取り上げます。授業スタイルは文献講読と討論が中心です。文化人類学分野の文献を中心に、関連する諸分野の文献を読み進めます。現在の、そしてこれからの日本にとって、アジア地域が持つ重要性はいうまでもありません。現代アジア文化を専門的に学びたい方、文化人類学に興味がある方はもちろん、将来アジアで活躍したい方を歓迎します。


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堀まどか 准教授

専門分野 比較文化学、国際日本学


アジアのなかの日本文学や日本文化を、国際的観点からみなおすことをしています。とくに「境界の文学、文学の境界」をキーワードにして、国境を越えて活躍した20世紀転換期の知識人や文化人に注目して、比較文化や文芸交流史の研究を行っています。彼等の活動や言論がどのように国外に発信され受容され、また国内で再構築され、国際的な芸術潮流につながったか。また、戦前戦後の日本語文学の研究も授業で行います。国民国家の集団的記憶に関わり、思考方法や倫理観、文化意識に影響を与えている「文学」を研究することの可能性とはどんなものでしょう。本専修は、幅広く人間や歴史に関心をもち、しなやかに、少し頑固に研究してみたい人に向いていると思います。


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科目名一覧

後期博士課程

  • アジア文化学論文指導
  • アジア文化学特殊研究A(地域文化と演劇)
  • アジア文化学特殊研究B(文化の商品化)
  • 博士論文指導

修士課程

  • 文化構想学研究B(アジア文化)
  • アジア文化構想学研究演習
  • アジア地域文化創造論研究
  • アジア地域文化創造論研究演習
  • アジア共生文化政策論研究
  • アジア共生文化政策論研究演習
  • アジア比較文化実践論研究
  • アジア比較文化実践論研究演習
  • アジア文化学特別講義A
  • アジア文化学特別講義B
  • アジア文化学総合研究1
  • アジア文化学総合研究2
  • アジア文化学研究指導1
  • アジア文化学研究指導2

修了後の進路

  • 一般企業(旅行業、印刷、IT関連など)
  • JICA職員、国際交流基金スタッフ、NPO法人スタッフなど
  • アジア系企業コンサルタント、ODA受託企業
  • 研究者、大学教員、小説家、翻訳家、編集者など

修論・博論のテーマ(例)

  • 「現代中国における茶文化の創造とその可能性に関する研究」(博士論文)
  • 「現代中国における若い女性の「化粧文化」と「美しさ」に関する研究」(修士論文)
  • 「歌詞と語法の分析から見た韓国歌謡――文化と言語知識向上のための副教材として」(修士論文)
  • 「韓国犯罪映画の系譜——『殺人の追憶』を起点に」(修士論文)