文化構想学専攻とは

文化は創造力や感性を育むことで豊かな人間性を涵養するとともに、来たるべき社会の新たな価値を創出し、他者との共感を通した相互理解を促進することで、共生的社会の基礎を形作ります。文化構想学専攻に属する三つの専修は、それぞれの専修の特色にふさわしい仕方で、従来の学問分野からはこぼれ落ちてしまいがちな文化的事象をも積極的に研究対象とすることで、現代社会で必要とされる文化への深い理解と分析力を養います。また、狭義の学術研究の推進とその担い手の養成だけでなく、文化への深い知見に根ざしつつ、多様な文化的事象を社会のなかで積極的に活用することで、現代社会が抱える諸問題の解決に取り組み、21世紀型成熟社会を文化の面から担うことのできる人材を育てます。文化構想学専攻は、新たな文化表現の創出、グローバル化時代における共生的な文化の構築、経済発展を牽引するものとしての文化資源の活用を教育研究の主要三課題として設定し、これらについての教育研究を通して、21世紀型成熟社会における文化を構想することを目指します。


文化構想学専攻を構成する3つの専修

在学院生・卒業生の声

私は、他大学の社会人大学院で修士を修了し、博士後期課程では、社会人だけではなく多様な学生のいる環境で研究しようと思い大阪市立大学大学院文学研究科に入学をしました。文学研究科は、文学だけでなく、私の研究対象である観光など幅広い領域を対象としていることも選択をした理由です。授業においても勤務を考慮した指導を受けることができ、さらに、長期履修制度があり、有職者の私でも無理なく研究を進めることが出来ています。全国有数の図書館がある学術情報総合センターや、学会発表や調査のための旅費支援制度など研究を支援する環境も魅力です。

吉田常行

(文化資源学分野 後期博士課程2年、在学生)

以前、交換留学生として一年間、大阪市立大学で勉強する機会がありました。その時、大阪市立大学の教育・研究が充実していることに魅了されました。今、大学院に入学して一年半が経ちました。最初は読まなければいけない文献の多さと研究の難しさで大変だと感じることも多かったですが、時間が経つにつれ、自分の進歩を実感できるようになり、楽しめるようになりました。

杜一葦

(アジア文化学分野 留学生・M2、在学生)

授業では分厚い文献を読み、研究発表の時間は長く、次々に鋭い質問がよせられる・・・という環境では「楽」なことなどありませんでした。しかし、先生方や学生仲間とお茶を飲みながら「雑談」した豊かな時間は、いまでも楽しく思い出します。振り返ってみれば、それこそが最高の研究環境であったのだと思います。

王静

(アジア都市文化学博士課程修了、大阪観光大学観光学部講師)

表現文化学専修では在籍する全員が各々の興味関心に従い、時代も国境も越えた多様なテーマで研究を行っているため、研究発表を通じて自分の知見が広がる喜びを感じられました。また、ここで得られた豊富な知見を高校の国語科教員という現職においても、現代文や古典はもちろん、生徒たちが各々の興味関心に基づいて行う課題研究といった授業の中でも活用できていると感じています。これ程に広い知見を得られることが表現文化学専修の特長だと考えます。

伊勢望

(表現文化学専修修士課程修了、高校教員)

人生の後半に何をするべきか?私は大阪市立大学表現文化学専修での映画研究を選びました。視覚表現のメディアの中で映画ほどこの数十年で進化し変貌したものはないでしょう。映画を学術的な観点から捉え、好奇心と柔軟性をもってその変化に対峙し自身の経験と共に思考すること。この学びの姿勢こそが私が表現文化学専修で得たものだったと思います。

床田千晶

(表現文化学専修後期博士課程単位取得退学、社会人入学・長期履修生)

※ 文化資源学分野、アジア文化学分野の在学生の声は、アジア都市文化学専攻の学生のものです。