大阪市立大学大学院文学研究科日本史研究室

研究室について

はじめに

大阪市立大学では、大学院文学研究科に日本史学専修、文学部に日本史コースがあって、それぞれに大学院生、学生が所属しています。

建前上は、教員がそれぞれの場面で院生・学生を別個に指導することになっています。しかし、実際には、日本史を専攻する教員・院生・学生の三者が集まって、研究や調査などを共同で行っています。

この教員・院生・学生によって構成される場を「日本史研究室」と呼んでいます。なお、大阪市立大学では、1年次生を1回生、2年次生を2回生などと呼び慣わしていますので、このサイトでも原則として、1回生、2回生の表現を使います。

日本史研究室の構成員(2015年度)

  • 教員 5名
    • 考古学   岸本直文准教授
    • 古代史   磐下 徹准教授
    • 中世史   仁木 宏教授
    • 近世史   塚田 孝教授
    • 近現代史  佐賀 朝教授
  • 大学院生18名
    • 後期博士課程9名(考古学1名、古代史1名、中世史4名、近世史2名、近現代史1名)
    • 前期博士課程9名(考古学2名、古代史1名、中世史1名、近世史4名、近現代史1名)
  • 第1部学生39名
    • 4回生11名、3回生14名、2回生14名
  • UCRC(都市文化研究センター)研究員7名

総勢69名の大所帯です。

日本史研究室関係の年間行事(2014年)

  • 4月1日  新2回生、日本史コースへ進級
  • 4月1日 岸本、前期サバティカル(9月末まで)
  • 4月8日 日本史・世界史合同教室ガイダンス、日本史学教室新歓コンパ
  • 5月17日 市大日本史学会第17回大会・総会
  • 5月31日 大坂町触を読む会
  • 6月8日 日本史・世界史合同教室ハイキング(兵庫津を歩く)
  • 7月26日 近世大坂研究会円座(塚田孝氏の研究業績をめぐって)
  • 8月3日 大阪府の布令を読む会(第25回)
  • 8月9日 大阪市立大学オープンキャンパス(10日は台風のため中止)
  • 9月3~4日 大学院前期博士課程9月入試
  • 9月24~26日 和泉市芦部町(旧今在家村)で第18回合同調査を実施(和泉市教育委員会・芦部町会との合同)
  • 10月31日 卒論中間報告会
  • 11月29~30日 日本史・世界史学合同教室旅行(伊賀上野・伊勢神宮などへ)
  • 12月15~18日 日本史特講Ⅱ・日本史学研究Ⅵ集中講義(鳴門教育大学 町田哲先生)
  • 12月21日 近世大坂研究会円座(森下徹『近世の労働社会』をめぐって)
  • 12月22日 大坂町触を読む会

☆ 2015年 ☆

  • 1月13日 修士論文提出日
  • 1月14日 卒業論文提出日
  • 1月25日 大阪府の布令を読む会(第26回)
  • 2月1日 ティモシー・エーモス先生(シンガポール国立大学)、来阪(客員教員として2015年10月末まで在学)
  • 2月13・16日 卒論・修論口頭試問
  • 2月17~18日 大学院後期博士課程入試・前回博士課程2月入試
  • 2月22日 大阪市立大学・大阪市博物館協会包括連携協定企画シンポジウム「難波宮と大化改新Ⅱ」開催(大阪市立大学で、岸本、磐下が報告)
  • 3月3日 3回生(2015年度4回生)第1回卒論演習
  • 3月8日 近世大坂研究会総括円座(「道頓堀の社会=空間構造と芝居」)
  • 3月24日 卒業式、日本史・世界史合同卒業記念パーティ

日本史コース学生の3年間

文学部では1回生の12月にコース志望届を提出し、所定の人数を越えない限り、2回生から希望するコースに進学することになります。ちなみに、日本史コースは毎年希望者が一定数以上いますが、人数オーバーで第1志望の日本史コースに進めなかった例は、これまでありません。

  • 【2回生】

    日本史の専門科目をいくつか履修することができます。「日本史通論Ⅰ・Ⅱ」で専門的な講義の一端に触れるほか、「日本史講読Ⅰ~Ⅳ」で基礎的な史料読解の方法を学びます。「講読」の授業の予習のため、文学部棟2階にある学部指導室(L220室)に通い、史料集や辞書類の利用の仕方を実践的に体得することになります。また「考古学実習」で、土器の実 測や遺跡の測量法を身につけることができます

    日本史コースの同学年の学生の間で連帯感が徐々に生まれてきます。また学部指導室には3回生以上の学生も多く集まっているため、上級生との交流も盛んになります。世界史学教室と合同で行われるハイキングや旅行、秋に行われる和泉市での合同調査(2泊3日の合宿)などを通して、教員や院生、学部の先輩などとの関係が深まるのもこの頃です。

  • 【3回生】

    授業の大半は日本史の専門科目になります。「日本史特講Ⅰ~Ⅳ」では、各時代や分野における最先端の研究成果を学びます。「日本史演習Ⅰ~Ⅳ」では、各時代の難解な史料の解読・分析の方法を学ぶほか、専門的な研究論文の読み方を教わります。「演習」の予習のために、遅くまで学部指導室に残って調べものをする機会も増えます。

    大学での勉強は授業の場だけで完結するわけではありません。3回生になると、多くの 学生が、教員・院生が主催する研究会にも参加します。研究会は、時代別(考古・古代・中世・近世・近現代)に行われています。また、院生や学部生が自主的に開催する読書会や史料の読み会などもあります。こうした研究会や読書会への参加機会を得て、3回生後期には、どの時代で卒業論文を書くのかが、決まっていくことになります。

    そして3回生の終わり(2月下旬~3月上旬)に第1回卒論演習が実施され、卒論指導が始まります。春休み中にレポートが課され、卒論のテーマ、先行研究、利用する史料などについて、大枠の構想を示すことになります。

  • 【4回生】

    就職活動とも並行しながら、研究室では卒論一色の生活になります(前年度までに修得すべき単位をきちんと修得していることが前提です)。日本史研究室では卒業論文を特に重視しています。これまでの「特講」や「講読」「演習」など、大学での授業はすべてこの卒論執筆のためになされると言っても過言ではありません。

    卒業論文で論じる時代・テーマによって、どの教員の主な指導を受けるかが決まります。テーマの選択はかなりの程度、各自の意思に任されています。 卒論を準備する過程で、どのような論文(先行研究)を読むべきか、どんな史料がどこに掲載・所蔵されているか、どのような視点で研究を進めていくか、などを教員が指導することになります。毎年、1人の教員が担当する4回生は数人程度と少人数で、卒論指導もほとんどマン・ツー・マンで受けることができます。さらに、教員・院生も参加する研究会に参加すると、そうした場で卒論の中間報告を行い、有益なアドバイスを得ることも可能です。

    最終学年の年末年始は、休みがないものと覚悟しておいてください。卒論完成のため精神的にも肉体的にもきつい日々が続きますが、教員はできる限りのサポートをします。こうして苦しみながら卒業論文(本文が400字×50枚程度、このほかに注や図表などを付けます)を提出した時の充実感は何ものにも代え難いものとなるでしょう。

    しかし、これで終わりではありません。2月中旬、卒論の内容について主査・副査の教員が口頭で試問を行う「卒論口頭試問」があります(1人30分以上)。この試問が終われば、あとは晴れて卒業式を待つばかりです。

    なお、優秀な卒論の中には、学術雑誌に掲載されるものもあります。

市大日本史研究室と和泉市教育委員会の合同調査

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