概要
大学院人間行動学専攻地理学専修では、都市・経済地理学、文化・社会地理学,政治地理学、環境論、民族論、地理情報論といった地理学の広範な分野を学ぶことが可能です。研究環境はハード、ソフト面できわめてよく整備されており、少人数教育が行われています。また教員と院生、院生同志、他専修や他大学院との自主的研究会活動も盛んです。
当専修ではフィールドワークの力を備えた、現代世界の課題に鋭敏で、総合的な思考力と行動力をもった院生を育成することを目標としています。海外の大学との研究交流も盛んで、留学生も積極的に受け入れています。これまで多くの他大学出身学生を受け入れてきた経験を持ち、包容力ある指導のもとで、すでに30名以上が大学等の研究職に就き、人文地理学における関西の拠点大学院の一つとして研究・教育・社会貢献・国際交流の面で実績を積み重ねてきました。
前期博士課程の院生は、演習を主体とした授業を受けつつ、修士論文の執筆に力を注ぎます。後期博士課程になると、学会での口頭発表と学会誌への学術論文の投稿が義務づけられ、国際学会での発表も奨励されます。英文校閲や海外渡航などの各種支援を受けることも可能です。
院生の研究テーマに特に制約はありませんが、これまでは都市研究を専攻する者が多かったようです。最近は、建築や観光、災害、スポーツ、環境問題など、院生の関心は多様化しています。前期・後期課程とも正・副2名の指導教員が就き、マンツーマンのきめ細かな指導を心がけると同時に、合同ゼミの開催によって関心の異なる学生間での議論を活発化させています。
後期博士課程3年次を終えると、課程博士の学位を請求することができます。本専修では原則としてレフェリーのある学術雑誌に掲載された論文が3編以上あり、400字詰め原稿用紙に換算して300ないし400枚以上の分量のオリジナリティに富んだ内容を持つ論文を、所定の提出日までに提出することを条件としています。
大学院受験案内
本教室では、前期博士課程(いわゆる修士課程)の学生募集を年度内に2回(9月・2月)、後期博士課程(いわゆる博士課程)の学生募集を年度内に1回(2月)行っております。
受験者数 | 合格者数 | |
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2004年9月入試 | 修士課程2名 (1) | 修士課程2名 (1) |
2005年2月入試 | 修士課程2名 (0) 博士課程3名 (1) | 修士課程2名 (0) 博士課程3名 (1) |
2005年9月入試 | 修士課程4名 (3) | 修士課程2名 (2) |
2006年2月入試 | 修士課程2名 (1) 博士課程1名 (1) | 修士課程2名 (1) 博士課程0名 (0) |
2006年9月入試 | 修士課程2名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2007年2月入試 | 修士課程1名 (0) 博士課程3名 (2) | 修士課程0名 (0) 博士課程3名 (2) |
2008年9月入試 | 修士課程2名 (2) | 修士課程2名 (2) |
2009年2月入試 | 修士課程1名 (0) 博士課程3名 (0) | 修士課程0名 (0) 博士課程3名 (0) |
2009年9月入試 | 修士課程2名 (0) | 修士課程1名 (1) |
2010年2月入試 | 修士課程1名 (0) 博士課程1名 (0) 修士課程1名 (0) | 修士課程0名 (0) 博士課程1名 (0) 修士課程1名 (0) |
2010年9月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2011年2月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2011年9月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2012年2月入試 | 修士課程2名 (0) 博士課程2名 (0) | 修士課程1名 (0) 博士課程2名 (0) |
2012年9月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2013年2月入試 | 博士課程1名 (0) | 博士課程1名 (0) |
2013年9月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2014年2月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2014年9月入試 | 修士課程3名 (1) | 修士課程3名 (1) |
2015年2月入試 | 博士課程1名 (1) | 博士課程1名 (1) |
2016年2月入試 | 博士課程1名 (1) | 博士課程1名 (1) |
2016年9月入試 | 修士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) |
2017年9月入試 | 修士課程2名 (2) | 修士課程2名 (2) |
2018年2月入試 | 修士課程1名 (0) 博士課程1名 (1) | 修士課程0名 (0) 博士課程1名 (1) |
2018年9月入試 | 修士課程5名 (3) | 修士課程4名 (3) |
2019年2月入試 | 修士課程1名 (0) 博士課程1名 (0) | 修士課程1名 (0) 博士課程1名 (0) |
2019年9月入試 | 修士課程6名 (1) | 修士課程4名 (1) |
2020年2月入試 | 博士課程1名 (1) | 博士課程1名 (1) |
2021年2月入試 | 博士課程1名 (1) | 博士課程1名 (1) |
2021年9月入試 | 修士課程3名 (1) | 修士課程2名 (1) |
2022年2月入試 | 修士課程3名 (0) | 修士課程2名 (0) |
*丸括弧内の数字は内部の受験者数・合格者数
大学院進学を希望される方で、入試・院生生活の詳細をお知りになりたい方は、ご遠慮なくお問い合わせください。
また、教室訪問も大歓迎です。その際、事前にご連絡を頂ければ幸いです。教員・学生一同お待ちしております。
文学研究科・文学部学生募集要項 大阪公立大学入試情報
大学院生紹介
後期博士課程
前期博士課程
Master 1 | 伊藤 航 | ITO Wataru | 略歴・業績など |
Master 1 | セン インサン | QIAN Yinshan | 略歴・業績など |
Master 1 | 本多 忠素 | HONDA Tadamoto | 略歴・業績など |
Master 1 | 松田 千優 | MATSUDA Chiyu | 略歴・業績など |
博士号授与者一覧(1999年以降)
1999年 | 松村嘉久 | 「中国の少数民族問題に関する政治地理学的研究」 |
2000年 | 加藤政洋 | 「近代都市における「場所」の文化ポリティクス : 大阪のスラム・盛り場を事例として」 |
水内俊雄 | 「近代日本における国土開発・都市開発の地理学的研究」 | |
2001年 | 大場茂明 | 「近代ドイツの市街地形成に対する公的介入の生成と展開 : ルール地域の工業都市群を事例として」 |
2003年 | 生田真人 | 「マレーシアの都市開発 ―歴史的アプローチ― 」 |
2004年 | 西部均 | 「地理的想像力と近代日本の都市構想―多声的な社会的価値の創出― 」 |
筒井一伸 | 「縁辺地域における公共サービス・地方財政の実態に関する地理学的研究」 | |
2005年 | 吉田容子 | 「地域労働市場と女性就業の地理学的研究 ―ジェンダー視点を導入して―」 |
神田孝治 | 「近代日本における観光空間の生産をめぐる文化地理学的研究」 | |
2007年 | 原口剛 | 「都市日雇労働市場の編成と労働運動の動態に関する地理学的研究―高度経済成長期の大阪を事例として」 |
2008年 | 本岡拓哉 | 「戦後都市における「不法占拠」地区の消滅過程に関する地理学的研究」 |
山口晋 | 「現代都市のストリートをめぐるアーティストの実践と空間管理に関する地理学的研究」 | |
大城直樹 | 「国民国家周縁部における生活様式の分節化と地域アイデンティティ再生産に関する文化地理学的研究―19世紀以降の沖縄を事例として―」 | |
2009年 | 島津俊之 | 「明治近代地理学誌研究」 |
2011年 | コルナトウスキ・ヒェラルド(Kornatowski Geerhardt) | 「香港におけるホームレスに関する都市地理学的研究―住宅施策とホームレス支援の系譜の分析から―」 |
2015年 | 今野泰三 | 「ヨルダン川西岸地区におけるイスラエル入植地と民族宗教派入植者に関する考察―死/死者の景観と規範共同体の境界―」 |
2015年 | 川口夏希 | 「都市政策のパラダイムシフトと都市再生の多面的展開」 |
2016年 | 菅野拓 | 「現代日本における社会問題の解決主体としてのサードセクター ―東日本大震災への対応を事例として―」 |
2018年 | ヨハネス・キーナー(Johannes Kiener) | “Poverty Policies form Day Laborer Ghettos to the Entrepreneurial Welfare City: An Account on Osaka City’s Changing Geographies of Public Assistance” |
2019年 | 中山穂孝 | 「近現代期日本における観光都市空間の形成に関する地理学的研究-開発者に注目して-」 |
大学/研究機関着任研究者(1985年以降)
生田真人 | 現・立命館大学 | 1985年 後期博士課程中退 |
川端基夫 | 現・関西学院大学 | 1985年 前期博士課程修了 |
大場茂明 | 現・大阪市立大学 | 1986年 後期博士課程単位修得退学 |
島津俊之 | 現・和歌山大学 | 1988年 後期博士課程中退 |
野尻亘 | 現・桃山学院大学 | 1989年 後期博士課程単位修得退学 |
吉田容子 | 現・奈良女子大学 | 1994年 後期博士課程単位修得退学 |
大城直樹 | 現・明治大学 | 1995年 後期博士課程単位修得退学 |
丹羽弘一 | 元・富山大学 | 1995年 後期博士課程単位修得退学 |
長尾謙吉 | 現・専修大学 | 1998年 後期博士課程単位修得退学 |
松村嘉久 | 現・阪南大学 | 1999年 後期博士課程修了 |
加藤政洋 | 現・立命館大学 | 2000年 後期博士課程修了 |
筒井一伸 | 現・鳥取大学 | 2004年 後期博士課程修了 |
神田孝治 | 現・立命館大学 | 2005年 後期博士課程単位修得退学 |
立見淳哉 | 現・大阪市立大学 | 2001年 前期博士課程修了 |
西部均 | 現・大阪市政調査会 | 2004年 後期博士課程修了 |
原口剛 | 現・神戸大学 | 2007年 後期博士課程修了 |
山口晋 | 現・目白大学 | 2008年 後期博士課程単位修得退学 |
木村義成 | 現・大阪市立大学 | 2002年 前期博士課程修了 |
本岡拓哉 | 現・同志社大学 | 2008年 後期博士課程修了 |
コルナトウスキ・ヒェラルド | 現・九州大学 | 2011年 後期博士課程修了 |
熊谷美香 | 現・大阪市立大学 | 2012年 後期博士課程単位修得退学 |
菅野拓 | 現・大阪市立大学 | 2014年 後期博士課程単位取得退学 |
今野泰三 | 現・中京大学 | 2016年 後期博士課程修了 |
澤端智良 | 現・茨城キリスト教大学 | 2001年 前期博士課程修了 |
ヨハネス・キーナー | 現・埼玉大学 | 2015年 後期博士課程単位取得退学 |
中山穂孝 | 現・就実大学 | 2016年 後期博士課程単位取得退学 |
川口夏希 | 現・鳥取大学 | 2012年 後期博士課程単位取得退学 |
松尾卓磨 | 現・立命館大学 | 2021年 後期博士課程単位取得退学 |
過去の修士論文一覧
2021年度
上田 光希 | 条件不利地域和歌山県における県政思潮の分析を通じた社会資本整備の特質 |
倉田 英法 | 広域避難・長期避難を視野に入れた災害復興の可能性-《帰還/移住》の二者択一からいかに脱却を果たせるか?- |
小本 修司 | 新たな空間単位の統計整備に基づく人口動態の類型化と小学校統廃合分析の統合の試み-和歌山県の中山間地域を事例に- |
寺谷 裕紀 | 寮付き人材派遣・請負業者による労働者のサポートと生活の実態 |
2020年度
市道 寛也 | 第二次世界大戦後の郊外住宅団地の開発とコミュニティ作り-大阪市南部と堺市に立地する住宅団地を事例に- |
貫名 隆洋 | ベトナム人の定住化と「長田」の変容-マルチスケールの観点から- |
若林 萌 | 都心の人口増加の多様性と地域社会の変容-大阪・東京間都市圏比較と大阪市西区のケーススタディを通して- |
2019年度
大谷 真樹 | 日本統治期の朝鮮における水力開発事業の展開 |
中西 広大 | 大阪市における学校選択制の地理的検証-義務教育と公共選択論の関係から- |
松井 恵麻 | 瀬戸内海島嶼地域におけるアートプロジェクトの展開と定着の諸相-香川県・小豆島の4つの実践事例- |
2017年度
松尾 卓磨 | ロンドンの移民・貧困・インナーシティの都市社会地理-ランベス区とブリクストン地区の“論点化”を軸として- |
2016年度
武村 昂英 | 琵琶湖におけるヨシ産業維持のための考察-生業と環境保全の観点から- |
蘇 舟 | 定住化する新華僑-大阪を事例として- |
梅田 堅司 | 大都市における児童の居場所の変遷と実態-大阪市の放課後事業を事例として- |
2015年度
黒田 将広 | 土地区画整理事業と地権者の対応-尼崎市旧大庄村地域を事例として- |
2012年度
丸市 将平 | 緑茶消費変化に対する産地の受容と対応-三重県・伊勢茶を事例として- |
2011年度
森山 隆行 | 地方都市圏における鉄道交通機関の輸送改善とその影響 |
2009年度
林 修平 | 米軍統治下の沖縄における基地跡地利用-コザ解放地を事例に- |
2008年度
渥美 清 | 若年層に注目した多様化するホームレス像と支援の現状解明及び課題の提示-社会的・地理的関係性と支援団体の地域差からみた分析- |
2007年度
蓬莱 梨乃 | ホームレス支援にみられる地域格差とトータルサポートをめざしたシステムの構築-新たなセーフティネットづくりへの模索- |
田中 靖記 | 衰退地区改善にとっての「新しいガバナンス」と都市統合政策-ドルトムント市ノルトシュタット地区を事例に- |
2006年度
Greerhardt Kornatowski | Policies on Homelessness and Place-based Activities of NGO`s and Grassroots Oraganizations in East Asia:the Case of Osaka,Seoul and Hong Kong |
柴田 剛 | 泉北地域における在日朝鮮人の「中間的集住地域」の形成過程と現状 |
2005年度
イスラム モハマド ナズルル | A Comparative Study of the Policy and Support for the Housing-Poor in Asian Cities: the Case of Bangkok and Dhaka |
阿部 祐輔 | 集中する大阪市西成区の生活保護受給者の特性と現状及び居住の実態-近年における生活保護行政運用の転換を通じて- |
2004年度
星野 良介 | リノベーションによるインナーシティの再活性化-大阪谷町六丁目におけるからほり倶楽部の活動を事例にして- |
本岡 拓哉 | 戦後神戸市におけるバラック住宅地区の形成とクリアランス-バラック住宅地区居住者の居住の権利を考慮して- |
2003年度
川口 夏希 | ローカルな空間におけるストリート・ファッションの生成プロセス-大阪市堀江地区を事例として- |
熊谷 美香 | 企業におけるマーケティング活動への地理学的接近-市場特性が企業の地域的展開に及ぼす影響- |
2002年度
朝田 良輝 | 沖縄市石垣島における戦後開拓集落の変容と土地買い占め |
山口 晋 | ストリート・パフォーマーが創出するスタイルと都市の文化産業、文化政策 |
村上 真 | 景観行政と地域イメージの関係に見られる特徴について-石川県金沢市と金沢経済同友会を事例に- |
山本 真一郎 | 愛媛県における草創期の乗合自動車業 |
2001年度
立見 淳哉 | 産業集積の動態分析に向けて-コンヴァンシオン経済学の産業集積研究の拡張- |
原口 剛 | 戦後釜ヶ崎の形成過程をめぐる空間的ポリティクス |
木村 義成 | ジオデモグラフィクスからみた東京・京阪神大都市圏の居住地域構造 |
岡田 理樹 | 兵庫県東播磨・北播磨地域におけるモータリゼーションの進展と地域社会 |
若松 司 | 同和対策事業による居住空間の獲得と中上健次の文化活動-戦後の和歌山県新宮市における部落解放運動を事例に- |