P02-07 – Lecture 7 : 《Document Reading #C》 A Register of Rules and Agreements for the Miike dōri 5-chōme Neighborhood Association ①

 

A Register of Rules and Agreements for the Miike dōri 5-chōme Neighborhood Association
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【Transcription】

宝暦四甲戌年正月
町内格式申合帳
  御池通五町目

    覚

一、御公儀三ケ条御法度書証文月並之
  判形、毎月朔日五ツ時、無遅滞町中不残
  町会所江罷出、致判形可申候、右三ケ条之趣、
  銘々義ハ不及申借屋末々迄堅相守セ可申候、
  尤其節丁儀ニ付、相談之事有之ハ、互ニ
  致披露、可然相談相究可申事、

一、宗旨人別之義、銘々共義ハ不及申借屋末々迄、
  子共出生或ハ養子或ハ縁組幷下人下女
  置替尤生死共、其度々書付を以相断、人別
  帳面江書載セ不念無之様可仕事、

一、宗旨人別ニ不入者一切差置申間敷候、自然
  同家ニ差置申さて不叶者有之ハ、其訳
  年寄江相断差図を受候上ニ而、人別帳面ニ
  書加へ可申候、尤借屋人、下請等ニ相立居候もの
  自然引取候節、他人ハ不及申親類縁者ニ而も
  早速年寄江相断、人別帳面ニ書加江可申事、

一、月行司ニ当り候月ハ他所他国江罷越申間敷候、
  然共無拠義有之候ハゝ、年寄幷片月行司江
  断を立、指図を受可申事、

一、公事出入ニ可成義有之節、年寄五人組家主
  立会、とくと其訳相糺、下済仕候様取斗
  可申事、

一、銘々借屋中昼夜ニ不限、火之元入念候様ニ
  可申付候、且又不審成者出入候ハゝ、家主・家守
  不及申、隣家・五人組より互ニ致吟味可申事、

一、銘々借屋之内若不埒成者、又ハ家主・家守之
  申事を不入聞、我侭申者有之ハ、早速家替
  致さセ可申候、其刻他町江引越候者ハ格別、
  丁内ニ而家貸シ申間敷事、

一、借屋人宅替致候ハゝ、先江引越不申内可相断候、
  尤先々家主見届可申候、且又脇より移住之者
  有之ハ、家貸し付ざる前会所へ相知らせ、
  名所得与相糺可申候、其上貸シ付候ハゝ宗旨
  手形相改、会所江差出印形致させ可申事、

一、町内より他所江引越候者有之候ハゝ、先達而
  御番所江御断申上、御下知を請引越セ
  可申候、此義ハ前度 御公儀より被為 仰付置候事、

一、家屋鋪表側軒並ニ土蔵建申間敷候、
  惣而丁並悪敷無之様可仕事

(Sticky note)「寛政四年子五月御申渡候、家屋敷取合ニ
         土蔵建、火之用心之事、」

一、家屋鋪売買有之節ハ、其沙汰いたし、
  丁中和合之上手附証文可仕事、

一、丁内家屋敷売券之義ニ付、丁中相談之上
  申合置候覚

 一、石灰焼商売之事

 一、白皮ふすへ革商売之事
   幷煮皮商売之事

 一、人宿人請商売之事

 一、馬方商売之事

 一、茶屋・風呂屋・役者商売之事
   但シ右商売人衆当時相止居候而も、以前右商売
   被致候ハゝ、家屋敷売申間敷事、

 一、薬鑵鍛冶・鋳物師商売之事

 一、碇鍛冶商売之事

 一、絞油商売之事

 一、牛蠟商売之事

 一、下屎商売之事

 一、葬礼道具商売之事

 一、寺社方道場之事

 右之商売致候衆中江家売申間敷候、

 尤家質銀ニ而も借り申間鋪事、

一、年寄代り之節、町中より新年寄江祝儀
  樽肴料金壱両
  但し丁中より新年寄を振舞申節ハ、一汁三菜之
  出来合料理可申付候、

一、丁人女房呼迎候節、丁中より為祝義金
  弐百疋可遣之、尤当人より丁中幷役人共まて
  振舞可申候、但振舞料差出候ハゝ式目帳
  之通可出之事、

一、丁人子息婚礼之節、右同断、

一、町人致養子候節、丁中より為祝義銀五両
  可遣之、尤当人顔見世銀式目帳之通
  可出之事、

一、入夫迎候節、丁中より為祝義金二百疋可
  遣之候、尤当人顔見世銀出之、町中幷
  役人共迄振舞可申候、但シ振舞料差出候ハゝ
  式目帳之通可出之事、

一、家守女房呼迎候節、町中より為祝義金
  百疋可遣之候、尤当人より丁中幷役人共まて
  振舞可申候、但振舞料差出候ハゝ式目帳
  之通可出之事、

一、家守子息婚礼之節、右同断、

一、家守養子いたし候時、丁中より為祝義銀
  弐両可遣之、尤当人顔見世銀式目帳
  之通可出之事、

一、他町持之下人養子幷婚礼有之節、祝義
  取遣り仕間鋪事、

一、毎年正月初判、十月新巻判形両度共、
  丁中より年寄江御酒進可申候、尤一汁三菜之
  出来合料理上下共可申付事、

一、家屋敷売券幷名前譲り帳切之節、
  年寄・月行司・五人組・役人共迄出来合料
  理ニ而振舞可申事、

一、家守附候節、同替り候節、右同断、

一、家守婚礼振舞料、養子顔見世銀
  出之候ニ付、直持之振舞銀割方家守江取可申事、

一、家屋鋪売券分一銀壱役分、丁代江可遣事、

一、家屋鋪帳切之節、惣御年寄中江御祝義
  壱軒役ニ銀壱両宛、惣会所物書・会所守・
  下宿・堀江物書江弐匁宛、役応可相勤事、
  但し半役たりといふとも壱軒役之祝義可相勤事、

一、志布子屋与市郎殿所持之家屋敷壱ケ所、
  手代勘兵衛殿江譲り遣度旨被申越候ニ付、丁中
  致対談候処、先規より丁中之定ニ従弟迄之
  譲りハ有之候得共、手代江譲り申義ハ無之
  事ニ候得ハ、不得心之由申遣之候、然ル処再三譲りニ
  致呉候様ニ相頼被申候故、年寄長岡屋久兵衛殿
  双方江被致挨拶、志布子屋より分一銀半減出させ、
  丁中ニも半減了簡為致、五歩々々ニ被致挨
  拶候、丁人中不得心ニハ候得共、年寄江之規模ニ
  致了簡、半減之分一銀を出さセ、其外之
  諸祝義ハ売券之通為出之帳切相済候、
  此義古来より格式無之事ニ候へ共、右年寄之
  依挨拶如斯ニ候、然ル上ハ自今以後、従弟以下
  幷手代・小者等ニ至迄、譲りと申義決而不
  相成旨、町中申合連判、去ル寛保三癸亥年
  十一月丁内式目帳奥ニ有之候処、今度式目帳
  相改候ニ付、為承知書記候、然ル上ハ弥以式目帳
  面ニ無之親類縁者下人下女等江譲り之義、
  堅不相成候事、

右之通、従前々申合格式違背致間鋪候、

為後日銘々判形、仍而如件、
   宝暦四甲戌年正月
                      米屋甚兵衛家守
                          淡路屋治郎兵衛
                      長岡屋久兵衛代判熊助家守
                          伊賀屋平兵衛
                      大和屋竹治郎家守
                          奈良屋彦兵衛
                      鍵屋利兵衛家守
                          阿波屋利三郎
                      平野屋五兵衛家守
                          河内屋十右衛門
                          布屋庄三郎
                             代判由蔵
                          播磨屋治助
                          粕屋太七
                          墨屋万治郎
                             代判庄八
                          大和屋重兵衛
                          大和屋仁三郎
                          高岡屋林之助
                          和泉屋利三郎
                             代判忠兵衛
                          薩摩屋金兵衛
                          奈良屋忠兵衛
                          河内屋重三郎
                      松平土佐守殿名代
                          長岡屋久兵衛
                             代判熊助
                          薩摩屋重之助
                          播磨屋嘉市郎
                       年寄 瀬戸屋九蔵

 

 

【Phonetic Transcription】

宝暦(ほうれき)(よん)(きのえ)(いぬ)(どし)正月(しょうがつ)
町内(ちょうない)格式(かくしき)(もう)(あわ)(ちょう)
  御池通(みいけどおり)()町目(ちょうめ)

 
   (おぼえ)

(ひとつ)御公儀(ごこうぎ)(さん)()(じょう)()(はっ)()(がき)証文(しょうもん)月並(つきなみ)判形(はんぎょう)毎月(まいつき)朔日(ついたち)(いつ)()(どき)遅滞(ちたい)()町中(ちょうちゅう)(のこ)らず町会所(まちかいしょ)(まか)(いで)判形(はんぎょう)(いた)(もう)すべく(そうろう)(みぎ)(さん)()(じょう)(おもむき)銘々(めいめい)()(もう)すに(およ)ばず(しゃく)()末々(すえずえ)(まで)(かた)(あい)(まも)らせ(もう)すべく(そうろう)(もっと)もその(せつ)(ちょう)()()き、相談(そうだん)(こと)これ()らば、(たがい)披露(ひろう)(いた)し、(しか)るべく相談(そうだん)(あい)()(もう)すべき(こと)

(ひとつ)(しゅう)()(にん)(べつ)()銘々(めいめい)(ども)()(もう)すに(およ)ばず(しゃく)()末々(すえずえ)(まで)子共(こども)出生(しゅっしょう)(ある)いは養子(ようし)(ある)いは縁組(えんぐみ)(ならび)下人(げにん)下女(げじょ)(おき)(かえ)(もっと)生死(せいし)(とも)、その度々(たびたび)書付(かきつけ)(もっ)(あい)(ことわ)り、(にん)(べつ)帳面(ちょうめん)()()不念(ふねん)これ()(よう)(つかまつ)るべき(こと)

(ひとつ)宗旨人(しゅうしにん)(べつ)(はい)らざる(もの)一切(いっさい)()()(もう)すまじく(そうろう)自然(しぜん)同家(どうけ)()()(もう)さで(かな)わざる(もの)これ()らば、その(わけ)年寄(としより)(あい)(ことわ)差図(さしず)()(そうろう)(うえ)にて、(にん)(べつ)帳面(ちょうめん)()(くわ)(もう)すべく(そうろう)(もっと)(しゃく)()(にん)下請(したうけ)(など)(あい)()()(そうろう)もの自然(しぜん)()()(そうろう)(せつ)他人(たにん)(もう)すに(およ)ばず親類(しんるい)縁者(えんじゃ)にても早速(さっそく)年寄(としより)(あい)(ことわ)り、(にん)(べつ)帳面(ちょうめん)()(くわ)(もう)すべき(こと)

(ひとつ)(がつ)行司(ぎょうじ)(あた)(そうろう)(つき)他所(たしょ)他国(たこく)(まか)()(もう)すまじく(そうろう)(しか)(ども)(よんどころ)()()これ()(そうら)はば、年寄(としより)(ならび)(かた)(がつ)行司(ぎょうじ)(ことわり)()て、指図(さしず)()(もう)すべき(こと)

(ひとつ)公事(くじ)出入(でいり)()るべき()これ()(せつ)年寄(としより)五人組(ごにんぐみ)家主(やぬし)()()い、とくとその(わけ)(あい)(ただ)し、()(さい)(つかまつ)(そうろう)(よう)()(はから)(もう)すべき(こと)

(ひとつ)銘々(めいめい)借屋(しゃくや)(ちゅう)昼夜(ちゅうや)(かぎ)らず、()(もと)入念(にゅうねん)(そうろう)(よう)(もう)()けべく(そうろう)()(また)不審(ふしん)()(もの)()()(そうら)はば、家主(やぬし)()(もり)(もう)すに(およ)ばず、隣家(りんか)()(にん)(ぐみ)より(たがい)吟味(ぎんみ)(いた)(もう)すべき(こと)

(ひとつ)銘々(めいめい)借屋(しゃくや)(うち)(もし)不埒(ふらち)()(もの)(また)家主(やぬし)()(もり)(もう)(こと)()()れず、我侭(わがまま)(もう)(もの)これ()らば、早速(さっそく)(いえ)()(いた)させ(もう)すべく(そうろう)、その(とき)()(ちょう)引越(ひっこ)(そうろう)(もの)格別(かくべつ)丁内(ちょうない)にて(いえ)()(もう)すまじき(こと)

(ひとつ)借屋人(しゃくやにん)宅替(たくか)(いた)(そうら)はば、(さき)引越(ひっこ)(もう)さざる(うち)(あい)(ことわ)るべく(そうろう)(もっと)先々(さきざき)家主(やぬし)見届(みとど)(もう)すべく(そうろう)()(また)(わき)より移住(いじゅう)(もの)これ()らば、(いえ)()()けざる(まえ)会所(かいしょ)(あい)()らせ、名所(などころ)(とく)(あい)(ただ)(もう)すべく(そうろう)、その(うえ)()()(そうら)はば(しゅう)()()(がた)(あい)(あらた)め、会所(かいしょ)()()印形(いんぎょう)(いた)させ(もう)すべき(こと)

(ひとつ)町内(ちょうない)より他所(たしょ)引越(ひっこ)(そうろう)(もの)これ()(そうら)はば、先達(せんだっ)()(ばん)(しょ)()(ことわ)(もう)()げ、御下知(おげち)()引越(ひっこ)させ(もう)すべく(そうろう)、この()前度(ぜんど) 御公儀(ごこうぎ)より (おお)()()かせられ(そうろう)(こと)

(ひとつ)家屋鋪(いえやしき)表側(おもてがわ)軒並(のきなみ)土蔵(どぞう)()(もう)すまじく(そうろう)(すべ)(ちょう)(なみ)()しくこれ()(よう)(つかまつ)るべき(こと)

(Sticky note)「寛政(かんせい)()(ねん)()()(がつ)()(もう)(わた)(そうろう)家屋敷(いえやしき)取合(とりあい)土蔵(どぞう)()て、()用心(ようじん)(こと)、」

(ひとつ)(いえ)()(しき)売買(ばいばい)これ()(せつ)は、その沙汰(さた)いたし、丁中(ちょうちゅう)和合(わごう)(うえ)手附(てつけ)証文(しょうもん)(つかまつ)るべき(こと)

(ひとつ)丁内(ちょうない)家屋敷(いえやしき)売券(ばいけん)()に付き、丁中(ちょうちゅう)相談(そうだん)(うえ)(もう)(あわ)()(そうろう)(おぼえ)

(ひとつ)石灰(せっかい)(やき)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)白皮(しろかわ)ふすべ(がわ)商売(しょうばい)(こと)
(ならび)煮皮(にかわ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)人宿(ひとやど)人請(ひとうけ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)馬方(うまかた)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)茶屋(ちゃや)風呂屋(ふろや)役者(やくしゃ)商売(しょうばい)(こと)
(ただ)(みぎ)(しょう)売人(ばいにん)(しゅう)当時(とうじ)(あい)()()(そうろう)ても、以前(いぜん)(みぎ)商売(しょうばい)(いた)され(そうら)はば、家屋敷(いえやしき)()(もう)すまじき(こと)

(ひとつ)薬鑵(やかん)鍛冶(かじ)鋳物師(いもじ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)(いかり)鍛冶(かじ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)絞油(しぼりあぶら)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)牛蠟(ぎゅうろう)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)下屎(しもごえ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)葬礼(そうれい)道具(どうぐ)商売(しょうばい)(こと)

(ひとつ)寺社(じしゃ)(かた)道場(どうじょう)(こと)

 (みぎ)商売(しょうばい)(いた)(そうろう)衆中(しゅうちゅう)(いえ)()(もう)すまじく(そうろう)(もっと)家質(かじち)(ぎん)にても()(もう)すまじき(こと)

(ひとつ)年寄(としより)(がわ)りの(せつ)町中(ちょうちゅう)より(しん)年寄(としより)祝儀(しゅうぎ)(たる)(さかな)(りょう)(きん)壱両(いちりょう)
(ただ)(ちょう)(ちゅう)より(しん)年寄(としより)(ふる)(まい)(もう)(せつ)は、一汁(いちじゅう)三菜(さんさい)出来合(できあ)料理(りょうり)(もう)()けべく(そうろう)

(ひとつ)丁人(ちょうにん)女房(にょうぼう)()(むか)(そうろう)(せつ)丁中(ちょうちゅう)より(しゅう)()として(きん)弐百疋(にひゃっぴき)(つかわ)すべし、
(もっと)当人(とうにん)より丁中(ちょうちゅう)(ならび)役人(やくにん)(ども)まで(ふる)(まい)(もう)すべく(そうろう)
(ただ)振舞(ふるまい)(りょう)()()(そうら)はば式目帳(しきもくちょう)(とお)()すべき(こと)

(ひとつ)丁人(ちょうにん)子息(しそく)婚礼(こんれい)(せつ)(みぎ)同断(どうだん)

(ひとつ)町人(ちょうにん)養子(ようし)(いた)(そうろう)(せつ)丁中(ちょうちゅう)より祝義(しゅうぎ)として(ぎん)五両(ごりょう)(つかわ)すべし、(もっと)当人(とうにん)顔見世(かおみせ)(ぎん)式目帳(しきもくちょう)(とお)()すべき(こと)

(ひとつ)入夫(にゅうふ)(むか)(そうろう)(せつ)丁中(ちょうちゅう)より(しゅう)()として(きん)二百(にひゃっ)(ぴき)(つかわ)すべく(そうろう)
(もっと)当人(とうにん)顔見世(かおみせ)(ぎん)()し、(ちょう)(ちゅう)(ならび)(やく)(にん)(ども)(まで)振舞(ふるまい)(もう)すべく(そうろう)(ただ)振舞(ふるまい)(りょう)()()(そうら)はば式目帳(しきもくちょう)(とお)()すべき(こと)

(ひとつ)()(もり)女房(にょうぼう)()(むか)(そうろう)(せつ)町中(ちょうちゅう)より(しゅう)()として(きん)百疋(ひゃっぴき)(つかわ)すべく(そうろう)
(もっと)当人(とうにん)より(ちょう)(ちゅう)(ならび)役人(やくにん)(ども)まで(ふる)(まい)(もう)すべく(そうろう)
(ただ)振舞(ふるまい)(りょう)()()(そうら)はば式目帳(しきもくちょう)(とお)()すべき(こと)

(ひとつ)()(もり)子息(しそく)婚礼(こんれい)(せつ)(みぎ)同断(どうだん)

(ひとつ)()(もり)養子(ようし)いたし(そうろう)(とき)丁中(ちょうちゅう)より(しゅう)()として(ぎん)弐両(にりょう)(つかわ)すべし、(もっと)当人(とうにん)顔見世(かおみせ)(ぎん)式目帳(しきもくちょう)(とお)()すべき(こと)

(ひとつ)()町持(ちょうもち)()(にん)(よう)()(ならび)婚礼(こんれい)これ()(せつ)(しゅう)()()()(つかまつ)るまじき(こと)

(ひとつ)毎年(まいとし)(しょう)(がつ)(しょ)(はん)十月(じゅうがつ)新巻(しんまき)判形(はんぎょう)両度共(りょうどとも)丁中(ちょうちゅう)より年寄(としより)御酒(ごしゅ)(すす)(もう)すべく(そうろう)(もっと)一汁(いちじゅう)三菜(さんさい)()()()料理(りょうり)上下共(じょうげとも)(もう)()けべき(ごと)

(ひとつ)家屋敷(いえやしき)売券(ばいけん)(ならび)名前(なまえ)(ゆず)(ちょう)(きり)(せつ)年寄(としより)(がつ)行司(ぎょうじ)五人組(ごにんぐみ)役人(やくにん)共迄(どもまで)()()()料理(りょうり)にて(ふる)(まい)(もう)すべき(こと)

(ひとつ)()(もり)()(そうろう)(せつ)(どう)(かわ)(そうろう)(せつ)(みぎ)同断(どうだん)

(ひとつ)()(もり)婚礼(こんれい)振舞料(ふるまいりょう)養子(ようし)顔見世(かおみせ)(ぎん)()(そうろう)()き、直持(じきもち)振舞(ふるまい)(ぎん)割方(わりかた)()(もり)(とり)(もう)すべき(こと)

(ひとつ)(いえ)()(しき)(ばい)(けん)()(いち)(ぎん)壱役(いちやく)(ぶん)(ちょう)(だい)(つかわ)すべき(こと)

(ひとつ)家屋鋪(いえやしき)(ちょう)(きり)(せつ)(そう)御年寄中(おとしよりちゅう)()祝義(しゅうぎ)壱軒(いっけん)(やく)(ぎん)壱両宛(いちりょうずつ)(そう)会所(かいしょ)物書(ものかき)会所(かいしょ)(もり)下宿(しもやど)堀江(ほりえ)物書(ものかき)()(もんめ)(ずつ)(やく)(おう)(あい)(つと)むべき(こと)
  (ただ)半役(はんやく)たりといふとも壱軒(いっけん)(やく)(しゅう)()(あい)(つと)むべき(こと)

(ひとつ)()()()()()市郎(いちろう)殿(どの)所持(しょじ)家屋敷(いえやしき)壱ケ所(いっかしょ)手代(てだい)(かん)兵衛(べえ)殿(との)(ゆず)(つかわ)したき(むね)(もう)()(そうろう)()き、丁中(ちょうちゅう)対談(たいだん)(いた)(そうろう)(ところ)先規(せんき)より丁中(ちょうちゅう)(さだめ)従弟(いとこ)(まで)(ゆず)りはこれ()候得共(そうらえども)()(だい)(ゆず)(もう)()はこれ()(こと)候得(そうらえ)ば、不得心(ふとくしん)(よし)(もう)(つかわ)(そうろう)(しか)(ところ)再三(さいさん)(ゆず)りに(いた)()(そうろう)(よう)(あい)(たの)(もう)され(そうろう)(ゆえ)年寄(としより)長岡(ながおか)()(きゅう)兵衛(べえ)殿(との)双方(そうほう)挨拶(あいさつ)(いた)され、()()()()より分一(ぶいち)(ぎん)半減(はんげん)()させ、丁中(ちょうちゅう)にも半減(はんげん)了簡(りょうけん)(いた)させ、()()()()挨拶(あいさつ)(いた)され(そうろう)(ちょう)(にん)(ちゅう)不得心(ふとくしん)には(そうら)()(ども)年寄(としより)えの規模(きぼ)了簡(りょうけん)(いた)し、半減(はんげん)分一(ぶいち)(ぎん)()させ、その(ほか)(しょ)(しゅう)()(ばい)(けん)(とお)()させ(ちょう)(きり)(あい)()(そうろう)、この()古来(こらい)より格式(かくしき)これ()(こと)(そうら)()(ども)(みぎ)年寄(としより)挨拶(あいさつ)()(かく)(ごと)くに(そうろう)(しか)(うえ)自今(じこん)以後(いご)従弟(いとこ)以下(いか)(ならび)手代(てだい)小者(こもの)(など)(いた)(まで)(ゆず)りと(もう)()(けっ)して(あい)()らざる(むね)町中(ちょうちゅう)(もう)(あわ)連判(れんぱん)()寛保三(かんぽうさん)(みずのと)()(どし)十一月(じゅういちがつ)丁内(ちょうない)式目帳(しきもくちょう)(おく)にこれ()(そうろう)(ところ)今度(このたび)式目帳(しきもくちょう)(あい)(あらた)(そうろう)()き、承知(しょうち)のため()(しる)(そうろう)(しか)(うえ)(いよいよ)(もっ)式目(しきもく)帳面(ちょうめん)にこれ()親類(しんるい)縁者(えんじゃ)下人(げにん)下女(げじょ)(など)(ゆず)りの()(かた)(あい)(なら)(そうろう)(こと)

(みぎ)(とお)り、前々(まえまえ)より(もう)(あわ)格式(かくしき)違背(いはい)(いた)すまじく(そうろう)後日(ごじつ)のため銘々判形(めいめいはんぎょう)(よっ)(くだん)(ごと)し、

   宝暦(ほうれき)(よん)(きのえ)(いぬ)(どし)正月(しょうがつ)
                      米屋(こめや)(じん)兵衛(べえ)()(もり)
                          淡路屋(あわじや)治郎(じろ)兵衛(べえ)
                      長岡(ながおか)()(きゅう)兵衛(べえ)代判(だいはん)(くま)(すけ)()(もり)
                          伊賀屋(いがや)(へい)兵衛(べえ)
                      大和屋(やまとや)(たけ)治郎(じろう)()(もり)
                          奈良屋(ならや)(ひこ)兵衛(べえ)
                      鍵屋(かぎや)()兵衛(へえ)()(もり)
                          阿波屋(あわや)()三郎(さぶろう)
                      平野屋(ひらのや)()兵衛(へえ)()(もり)
                          河内屋(かわちや)十右衛門(じゅうえもん)
                          布屋(ぬのや)(しょう)三郎(ざぶろう)
                             代判(だいはん)由蔵(よしぞう)
                          播磨屋(はりまや)()(すけ)
                          粕屋(かすや)太七(たひち)
                          墨屋(すみや)(まん)治郎(じろう)
                             代判(だいはん)庄八(しょうはち)
                          大和屋(やまとや)重兵衛(じゅうべえ)
                          大和屋(やまとや)仁三郎(じんざぶろう)
                          高岡屋(たかおかや)林之助(りんのすけ)
                          和泉屋(いずみや)()三郎(さぶろう)
                             代判(だいはん)(ちゅう)兵衛(べえ)
                          薩摩屋(さつまや)(きん)兵衛(べえ)
                          奈良屋(ならや)(ちゅう)兵衛(べえ)
                          河内屋(かわちや)重三郎(しげざぶろう)
                      松平(まつだいら)土佐守(とさのかみ)殿(どの)名代(なだい)
                          長岡(ながおか)()(きゅう)兵衛(べえ)
                             代判(だいはん)(くま)(すけ)
                          薩摩(さつま)()重之助(しげのすけ)
                          播磨屋(はりまや)()市郎(いちろう)
                       年寄(としより) 瀬戸屋(せとや)九蔵(きゅうぞう)


史料から読む近世大坂 英語版 Lecture7:史料読解C―御池通五丁目「町内格式申合帳」①

小林家文書43「町内格式申合帳」
(大阪市立中央図書館蔵)

【釈文】

宝暦四甲戌年正月
町内格式申合帳
  御池通五町目

 
   覚

一、御公儀三ケ条御法度書証文月並之
  判形、毎月朔日五ツ時、無遅滞町中不残
  町会所江罷出、致判形可申候、右三ケ条之趣、
  銘々義ハ不及申借屋末々迄堅相守セ可申候、
  尤其節丁儀ニ付、相談之事有之ハ、互ニ
  致披露、可然相談相究可申事、

一、宗旨人別之義、銘々共義ハ不及申借屋末々迄、
  子共出生或ハ養子或ハ縁組幷下人下女
  置替尤生死共、其度々書付を以相断、人別
  帳面江書載セ不念無之様可仕事、

一、宗旨人別ニ不入者一切差置申間敷候、自然
  同家ニ差置申さて不叶者有之ハ、其訳
  年寄江相断差図を受候上ニ而、人別帳面ニ
  書加へ可申候、尤借屋人、下請等ニ相立居候もの
  自然引取候節、他人ハ不及申親類縁者ニ而も
  早速年寄江相断、人別帳面ニ書加江可申事、

一、月行司ニ当り候月ハ他所他国江罷越申間敷候、
  然共無拠義有之候ハゝ、年寄幷片月行司江
  断を立、指図を受可申事、

一、公事出入ニ可成義有之節、年寄五人組家主
  立会、とくと其訳相糺、下済仕候様取斗
  可申事、

一、銘々借屋中昼夜ニ不限、火之元入念候様ニ
  可申付候、且又不審成者出入候ハゝ、家主・家守
  不及申、隣家・五人組より互ニ致吟味可申事、

一、銘々借屋之内若不埒成者、又ハ家主・家守之
  申事を不入聞、我侭申者有之ハ、早速家替
  致さセ可申候、其刻他町江引越候者ハ格別、
  丁内ニ而家貸シ申間敷事、

一、借屋人宅替致候ハゝ、先江引越不申内可相断候、
  尤先々家主見届可申候、且又脇より移住之者
  有之ハ、家貸し付ざる前会所へ相知らせ、
  名所得与相糺可申候、其上貸シ付候ハゝ宗旨
  手形相改、会所江差出印形致させ可申事、

一、町内より他所江引越候者有之候ハゝ、先達而
  御番所江御断申上、御下知を請引越セ
  可申候、此義ハ前度 御公儀より被為 仰付置候事、

一、家屋鋪表側軒並ニ土蔵建申間敷候、
  惣而丁並悪敷無之様可仕事

貼紙)「寛政四年子五月御申渡候、家屋敷取合ニ
     土蔵建、火之用心之事、」

一、家屋鋪売買有之節ハ、其沙汰いたし、
  丁中和合之上手附証文可仕事、

一、丁内家屋敷売券之義ニ付、丁中相談之上
  申合置候覚

 一、石灰焼商売之事

 一、白皮ふすへ革商売之事
   幷煮皮商売之事

 一、人宿人請商売之事

 一、馬方商売之事

 一、茶屋・風呂屋・役者商売之事
   但シ右商売人衆当時相止居候而も、以前右商売
   被致候ハゝ、家屋敷売申間敷事、

 一、薬鑵鍛冶・鋳物師商売之事

 一、碇鍛冶商売之事

 一、絞油商売之事

 一、牛蠟商売之事

 一、下屎商売之事

 一、葬礼道具商売之事

 一、寺社方道場之事

 右之商売致候衆中江家売申間敷候、

 尤家質銀ニ而も借り申間鋪事、

一、年寄代り之節、町中より新年寄江祝儀
  樽肴料金壱両
  但し丁中より新年寄を振舞申節ハ、一汁三菜之
  出来合料理可申付候、

一、丁人女房呼迎候節、丁中より為祝義金
  弐百疋可遣之、尤当人より丁中幷役人共まて
  振舞可申候、但振舞料差出候ハゝ式目帳
  之通可出之事、

一、丁人子息婚礼之節、右同断、

一、町人致養子候節、丁中より為祝義銀五両
  可遣之、尤当人顔見世銀式目帳之通
  可出之事、

一、入夫迎候節、丁中より為祝義金二百疋可
  遣之候、尤当人顔見世銀出之、町中幷
  役人共迄振舞可申候、但シ振舞料差出候ハゝ
  式目帳之通可出之事、

一、家守女房呼迎候節、町中より為祝義金
  百疋可遣之候、尤当人より丁中幷役人共まて
  振舞可申候、但振舞料差出候ハゝ式目帳
  之通可出之事、

一、家守子息婚礼之節、右同断、

一、家守養子いたし候時、丁中より為祝義銀
  弐両可遣之、尤当人顔見世銀式目帳
  之通可出之事、

一、他町持之下人養子幷婚礼有之節、祝義
  取遣り仕間鋪事、

一、毎年正月初判、十月新巻判形両度共、
  丁中より年寄江御酒進可申候、尤一汁三菜之
  出来合料理上下共可申付事、

一、家屋敷売券幷名前譲り帳切之節、
  年寄・月行司・五人組・役人共迄出来合料
  理ニ而振舞可申事、

一、家守附候節、同替り候節、右同断、

一、家守婚礼振舞料、養子顔見世銀
  出之候ニ付、直持之振舞銀割方家守江取可申事、

一、家屋鋪売券分一銀壱役分、丁代江可遣事、

一、家屋鋪帳切之節、惣御年寄中江御祝義
  壱軒役ニ銀壱両宛、惣会所物書・会所守・
  下宿・堀江物書江弐匁宛、役応可相勤事、
  但し半役たりといふとも壱軒役之祝義可相勤事、

一、志布子屋与市郎殿所持之家屋敷壱ケ所、
  手代勘兵衛殿江譲り遣度旨被申越候ニ付、丁中
  致対談候処、先規より丁中之定ニ従弟迄之
  譲りハ有之候得共、手代江譲り申義ハ無之
  事ニ候得ハ、不得心之由申遣之候、然ル処再三譲りニ
  致呉候様ニ相頼被申候故、年寄長岡屋久兵衛殿
  双方江被致挨拶、志布子屋より分一銀半減出させ、
  丁中ニも半減了簡為致、五歩々々ニ被致挨
  拶候、丁人中不得心ニハ候得共、年寄江之規模ニ
  致了簡、半減之分一銀を出さセ、其外之
  諸祝義ハ売券之通為出之帳切相済候、
  此義古来より格式無之事ニ候へ共、右年寄之
  依挨拶如斯ニ候、然ル上ハ自今以後、従弟以下
  幷手代・小者等ニ至迄、譲りと申義決而不
  相成旨、町中申合連判、去ル寛保三癸亥年
  十一月丁内式目帳奥ニ有之候処、今度式目帳
  相改候ニ付、為承知書記候、然ル上ハ弥以式目帳
  面ニ無之親類縁者下人下女等江譲り之義、
  堅不相成候事、

右之通、従前々申合格式違背致間鋪候、

為後日銘々判形、仍而如件、
   宝暦四甲戌年正月
                      米屋甚兵衛家守
                          淡路屋治郎兵衛
                      長岡屋久兵衛代判熊助家守
                          伊賀屋平兵衛
                      大和屋竹治郎家守
                          奈良屋彦兵衛
                      鍵屋利兵衛家守
                          阿波屋利三郎
                      平野屋五兵衛家守
                          河内屋十右衛門
                          布屋庄三郎
                             代判由蔵
                          播磨屋治助
                          粕屋太七
                          墨屋万治郎
                             代判庄八
                          大和屋重兵衛
                          大和屋仁三郎
                          高岡屋林之助
                          和泉屋利三郎
                             代判忠兵衛
                          薩摩屋金兵衛
                          奈良屋忠兵衛
                          河内屋重三郎
                      松平土佐守殿名代
                          長岡屋久兵衛
                             代判熊助
                          薩摩屋重之助
                          播磨屋嘉市郎
                       年寄 瀬戸屋九蔵

 

 

【読み下し】

宝暦四甲戌年正月
町内格式申し合せ帳
  御池通五町目

 
   覚

一、御公儀三ケ条御法度書証文月並の判形、毎月朔日五ツ時、遅滞無く町中残らず町会所え罷り出、判形致し申すべく候、右三ケ条の趣、銘々義は申すに及ばず借屋末々迄堅く相守らせ申すべく候、尤もその節丁儀に付き、相談の事これ有らば、互に披露致し、然るべく相談相究め申すべき事、

一、宗旨人別の義、銘々共義は申すに及ばず借屋末々迄、子共出生或いは養子或いは縁組幷に下人下女置替尤も生死共、その度々書付を以て相断り、人別帳面え書き載せ不念これ無き様仕るべき事、

一、宗旨人別に入らざる者一切差し置き申すまじく候、自然同家に差し置き申さで叶わざる者これ有らば、その訳年寄え相断り差図を受け候上にて、人別帳面に書き加え申すべく候、尤も借屋人、下請に相立ち居り候もの自然引き取り候節、他人は申すに及ばず親類縁者にても早速年寄え相断り、人別帳面に書き加え申すべき事、

一、月行司に当り候月は他所他国え罷り越し申すまじく候、然れ共拠無き義これ有り候はば、年寄幷に片月行司え断を立て、指図を受け申すべき事、

一、公事出入に成るべき義これ有る節、年寄五人組家主立ち会い、とくとその訳相糺し、下済仕り候様取り計い申すべき事、

一、銘々借屋中昼夜に限らず、火の元入念候様に申し付けべく候、且つ又不審成る者出入り候はば、家主・家守は申すに及ばず、隣家・五人組より互に吟味致し申すべき事、

一、銘々借屋の内若不埒成る者、又は家主・家守の申す事を聞き入れず、我侭申す者これ有らば、早速家替え致させ申すべく候、その刻他町え引越し候者は格別、丁内にて家貸し申すまじき事、

一、借屋人宅替え致し候はば、先え引越し申さざる内相断るべく候、尤も先々家主見届け申すべく候、且つ又脇より移住の者これ有らば、家貸し付けざる前会所へ相知らせ、名所得と相糺し申すべく候、その上貸し付け候はば宗旨手形相改め、会所え差し出し印形致させ申すべき事、

一、町内より他所え引越し候者これ有り候はば、先達て御番所え御断り申し上げ、御下知を請け引越させ申すべく候、この義は前度 御公儀より 仰せ付け置かせられ候事、

一、家屋鋪表側軒並に土蔵建て申すまじく候、惣て丁並悪しくこれ無き様仕るべき事、

(貼紙)「寛政四年子五月御申し渡し候、家屋敷取合に土蔵建て、火の用心の事、」

一、家屋鋪売買これ有る節は、その沙汰いたし、丁中和合の上手附証文仕るべき事、

一、丁内家屋敷売券の義に付き、丁中相談の上申し合せ置き候覚

一、石灰焼商売の事

一、白皮ふすべ革商売の事
幷に煮皮商売の事

一、人宿人請商売の事

一、馬方商売の事

一、茶屋・風呂屋・役者商売の事
但し右商売人衆当時相止め居り候ても、以前右商売致され候はば、家屋敷売り申すまじき事、

一、薬鑵鍛冶・鋳物師商売の事

一、碇鍛冶商売の事

一、絞油商売の事

一、牛蠟商売の事

一、下屎商売の事

一、葬礼道具商売の事

一、寺社方道場の事

 右の商売致し候衆中え家売り申すまじく候、尤も家質銀にても借り申すまじき事、

一、年寄代りの節、町中より新年寄え祝儀樽肴料金壱両
但し丁中より新年寄を振舞申す節は、一汁三菜の出来合い料理申し付けべく候、

一、丁人女房呼び迎え候節、丁中より祝義として金弐百疋遣すべし、
尤も当人より丁中幷に役人共まで振舞申すべく候、
但し振舞料差し出し候はば式目帳の通り出すべき事、

一、丁人子息婚礼の節、右同断、

一、町人養子致し候節、丁中より祝義として銀五両遣すべし、尤も当人顔見世銀式目帳の通り出すべき事、

一、入夫迎え候節、丁中より祝義として金二百疋遣すべく候、
尤も当人顔見世銀出し、町中幷に役人共迄振舞申すべく候、但し振舞料差し出し候はば式目帳の通り出すべき事、

一、家守女房呼び迎え候節、町中より祝義として金百疋遣すべく候、
尤も当人より丁中幷に役人共まて振舞申すべく候、
但し振舞料差し出し候はば式目帳の通り出すべき事、

一、家守子息婚礼の節、右同断、

一、家守養子いたし候時、丁中より祝義として銀弐両遣すべし、尤も当人顔見世銀式目帳の通り出すべき事、

一、他町持の下人養子幷に婚礼これ有る節、祝義取り遣り仕るまじき事、

一、毎年正月初判、十月新巻判形両度共、丁中より年寄え御酒進め申すべく候、尤も一汁三菜の出来合い料理上下共申し付けべき事、

一、家屋敷売券幷に名前譲り帳切の節、年寄・月行司・五人組・役人共迄出来合い料理にて振舞申すべき事、

一、家守附け候節、同替り候節、右同断、

一、家守婚礼振舞料、養子顔見世銀出し候に付き、直持の振舞銀割方家守え取申すべき事、

一、家屋鋪売券分一銀壱役分、丁代え遣すべき事、

一、家屋鋪帳切の節、惣御年寄中え御祝義壱軒役に銀壱両宛、惣会所物書・会所守・下宿・堀江物書え弐匁宛、役に応じ相勤むべき事、
但し半役たりといふとも壱軒役の祝義相勤むべき事、

一、志布子屋与市郎殿所持の家屋敷壱ケ所、手代勘兵衛殿え譲り遣したき旨申し越し候に付き、丁中対談致し候処、先規より丁中の定に従弟迄の譲りはこれ有り候得共、手代え譲り申す義はこれ無き事に候得は、不得心の由申し遣し候、然る処再三譲りに致し呉れ候様に相頼み申され候故、年寄長岡屋久兵衛殿双方え挨拶致され、志布子屋より分一銀半減出させ、丁中にも半減了簡致させ、五歩々々に挨拶致され候、丁人中不得心には候得共、年寄えの規模に了簡致し、半減の分一銀を出させ、その外の諸祝義は売券の通り出させ帳切相済み候、この義古来より格式これ無き事に候へ共、右年寄の挨拶に依り斯の如くに候、然る上は自今以後、従弟以下幷に手代・小者等に至る迄、譲りと申す義決して相成らざる旨、町中申し合せ連判、去る寛保三癸亥年十一月丁内式目帳奥にこれ有り候処、今度式目帳相改め候に付き、承知のため書き記し候、然る上は弥以式目帳面にこれ無き親類縁者下人下女等え譲りの義、堅く相成ず候事、

右の通り、前々より申し合せ格式違背致すまじく候、後日のため銘々判形、仍て件の如し、
   宝暦四甲戌年正月
                   (署名部分略)