第4回研究会(通算80回)

日時:

2004年11月13日(土)10時30分〜12時15分 人文地理学会大会部会アワー
(大会については http://wwwsoc.nii.ac.jp/hgeog/taikai.html をご参照ください)

会場:

佛教大学(〒603‐8301京都市北区紫野北花ノ坊町96)
(会場については http://www.bukkyo-u.ac.jp/ をご参照ください)

公募発表:

前田裕介(九州大・研究生)
D・ハーヴェイの実践と差異の諸問題─理論的普遍性と歴史地理的個別性の弁証法

 1980年代以降の英語圏人文地理学においては,歴史地理的・社会的な差異を,新たにあるいはふたたび重視する,差異により敏感な地理学の興隆がみられた。こうした趨勢のなかで,マルクス主義地理学者デイヴィド・ハーヴェイ(David Harvey)の資本主義の空間編成論は,差異を抑圧し均質的な世界を描き出すものとして批判の的となった。本発表では,ハーヴェイの研究をこの差異の諸問題にからめて取り上げ,彼の実践を明らかにし,その有効性を確認したい。まず彼の一連の研究をコンテクストに位置づける。そして,彼の理論化の様式に焦点をあわせ,彼がみずからの理論を,歴史地理的・社会的差異との関係のなかでどのように位置づけているのかを明らかにし,さらに,1990年代以降の彼の正義・権利論の検討をつうじて,彼の実践を理論的普遍性と歴史地理的個別性の弁証法として提示したい。

コメンテーター:堤 研二(大阪大)

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