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表現文化コース(学部) 授業案内


2009年度 前期 表現文化コース提供科目 (○は特任教授、*は非常勤講師)

表現文化基礎演習1a 荒木映子

●科目の主題と目標
後期開講の「文化理論」の前段階として、表現文化コースでどのような勉強ができるかを学び、文化研究に必要な概念や用語を理解するのが目標。英語の読解力を伸ばし、発表の仕方、文献検索の方法等を訓練する。表現文化コース二回生のための基礎的演習。

●授業内容・授業計画
コナン・ドイルの推理小説を精読しながら、推理小説が近代イギリスの文化的風土においてしめる意味を追究する。

●評価方法
毎回の出席を前提に、発表とレポートと試験により評価。

●受講生へのコメント
毎回必ず予習をして出席するのは当然のこと、積極的に発言し、貪欲な好奇心をもって文献を渉猟すること。

●教材・参考文献
Conan Doyle, The Adventures of Sherlock Holmes(英光社)
高山宏『殺す・集める・読む―推理小説特殊講義』(東京創元社)創元ライブラリー
及び、授業中に指示。

表現文化基礎演習1b 三上雅子

●科目の主題と目標
1 科目の主題:これから表現文化コースで学ぶ二回生を対とする。表現文化にかかわる基礎文献を購読し、表現文化学を研究するにあたって、必要な知識・視点を学習する。
2 到達目標:資料を探し、読み解き、発表にまとめ、レポートを執筆するための基本的なスキルを学ぶ

●授業内容・授業計画
学術的な文章を読み、的確に内容を要約し、発表するレッスンを行う。また、表現文化コースでのゼミ発表、レポート執筆、卒論作成に不可欠なスキルである情報検索、プレゼンテーション作成の基礎も学ぶ。
 私たちは「パーフォーマンス」という語を聞くとき、演劇・ダンス・コンサート等を思い浮かべる。しかし、祭やスポーツ、CM,政治、日常生活における様々な行動も、「パーフォーマンス」として分析することが出来る。授業では「パーフォーマンス」に関する基礎的な英語文献を講読し、人間の活動全体を広く「表現行為」と捉え研究対象とする「表現文化学」の研究姿勢について学習する。

●評価方法
学期末に授業で学んだ内容に関連するテーマをみずから設定し、レポートを提出すること。評価はレポートと授業中の発表によって行う。

●受講生へのコメント
原則として、表現文化コース所属の学生を対象とする。他コースの所属でどうしても受講したい学生は、最初の授業時に必ず教員に申し出ること。面談の上、許可することもありうるが、コンピュータなどの機材の関係上、受講者数には一定の制限を設ける。(シラバス及び開講日の変更が有りうるので、掲示を必ず確認すること)

●教材・参考文献
授業で随時指示する。

表象文化論1 野末紀之

●科目の主題と目標
西欧の近代都市の誕生にともなって、そこに住まう者にあらたな感受性が宿った。この講義では、「群集の中の孤独」、猥雑な好奇心、神経衰弱など、都市に起因するさまざまな特徴について書かれたエッセイを読み、またそれらが表現された作品を綿密に検討することにより、現在のわれわれに通じる思考や感覚を対象化する。

●授業内容・授業計画
前半では、都市論エッセイを読み、問題点の概観をつかむ。後半では、ポー(ロンドン)やボードレール(パリ)など、都市と密接に結びついた作品を取上げて、個々の特徴について考える。適宜、演習形式を採用する。

●評価方法
出席、発表、テスト、レポートを総合的に評価する。

●受講生へのコメント
レポートは、各自の関心から選んだ作品を論じてもらう。

●教材・参考文献
教材はプリント(英語、日本語)を配布する。参考文献は授業中に適宜指示する。

表象文化論2 海老根剛

●科目の主題と目標
本講義のねらいは、映像作品の考察や分析のため基礎作りです。対象としては主に映画作品をとりあげることになりますが、ビデオやテレビなどの分析にも不可欠な映像リテラシーの習得にも役立つはずです。

●授業内容・授業計画
具体的な授業形態としては、毎回、いくつかの作品から特定の場面を選んで上映し、その場面の特徴やそこで用いられている技法を考察しながら、映画の多様な側面に光を当てていきます。また、それらの考察を通して、映画の分析に不可欠な基礎概念の導入も行います。この講義ではみなさんにまず多くの作品に触れてもらい、映像作品を考察するための言葉を獲得してもらうことが目標です。したがって、受講者の積極的な参加が求められます。なお第一回の授業の前に見ておいてもらう映画作品を掲示で伝えますので、受講希望者はかならず掲示をチェックしてください。

●評価方法
課題作品について作品分析を行い、レポートとして提出。それをもとに評価する。

●受講生へのコメント
後期開講の「表現文化演習2」の受講希望者は、この講義を必ず受講すること。ただし、2007年度に本講義を受講した者は再度履修する必要はない。また使用教室の制限上、受講希望者多数の場合には履修制限を行うことがある。その際には、表現文化コースの学生を優先したうえで、残りについて抽選を行う。

●教材・参考文献
プリント配布。

比較表現論1 小田中章浩

●科目の主題と目標
本講の目的は、古代ギリシャから現代に至る西洋演劇において、舞台の演出がどのように変化し、あるいは発展してきたかを考察することである。すなわち西洋における劇場の構造と、舞台上演のあり方との関係、十九世紀末における「演出家」の登場、さらには二十世紀後半以降の西洋演劇における演出技法の多様化について、映像資料などを用いながら分析する。

●授業内容・授業計画
(1)イントロダクション:日本の現代演劇における演出の様相
(2)イントロダクション:西洋の現代演劇における演出の様相
(3)古代ギリシャにおける演劇の誕生と劇場
(4)古代ギリシャにおける演劇の誕生と劇場
(5)中世ヨーロッパにおける演劇の「再発生」
(6)ルネッサンスにおける演劇の「再発見」
(7)ルネッサンスにおける演劇の「再発見」
(8)十七世紀におけるイタリア式劇場の完成
(9)十七世紀におけるイタリア式劇場の完成
(10)十九世紀における「演出」概念の登場
(11)十九世紀における「演出」概念の登場
(12)二十世紀における演出理念の革命:アルトーとブレヒト
(13)二十世紀における演出理念の革命:アルトーとブレヒト
(14)二十世紀後半における演出の多様化
(15)二十世紀後半における演出の多様化

●評価方法
評価は学期末の試験によって行い、与えられた知識がどこまで身についているかを問う。ただし同時に、受講生には講義終了までに少なくとも一本の芝居を実際に見てもらう(ただしそれは必ずしも高額なプロの舞台である必要はない。場合によっては素人劇団の舞台であっても構わない)。試験には、受講生が観劇した舞台についてのレポートも含まれる。レポートの具体的な書き方については、授業中に別途指示する

●受講生へのコメント
本講は、受講生に対して何よりも「生の」舞台を見ることのおもしろさを体験してもらうことを求める。従って、DVD等を見てレポートを書くことは基本的には認めない。また、授業の過程において興味深い(と思われる)舞台の公演情報や、チケットの割引等に関する情報があれば随時提示する。

●教材・参考文献
授業中にプリントを配布する。

表現文化演習1 浅岡宣彦○

●科目の主題と目標
主題:芸術作品における「視点」の問題
目標:「視点の問題は種々の異なる芸術分野に共通する、芸術作品の構造にとっての中心的な課題である」(ウスペンスキイ著『構成の詩学』より)この授業では、この命題に沿って芸術作品を鑑賞し、分析するために重要な事項のひとつ、「視点」の問題を考察する。ゴーゴリ、ドストエフスキイ、トルストイなど、主として19世紀ロシア作家の文学作品や、イコン(聖像画)、エイゼンシュテインの映像など具体的作品を取り上げて、芸術作品における「視点」の問題を検討する。

●授業内容・授業計画
授業内容:ウスペンスキイの著書『構成の詩学』を中心に、芸術テキストの構成、枠構造、様々な芸術形態における視点の相互関係など、「視点」に関する見解を紹介し、「内的視点」「外的視点」「異化作用」「ポリフォニー」「遠近法」「逆遠近法」などの事項を個々の具体的作品を通して検討していく。
授業計画:個別の事項について紹介したあとで、各人にそれぞれ具体的作品の分析を割り当て、報告してもらう。

●評価方法
授業中に各自に課題を与え、報告をしてもらう。その報告をもとに平常点を加味して評価する。

●受講生へのコメント
プーシキンの小説『大尉の娘』、ゴーゴリの喜劇『検察官』、トルストイの小説『ホルストメール』、ドストエフスキイの小説『罪と罰』は全員に読んでもらいたい

●教材・参考文献
教材は特になし。
参考文献:ウスペンスキイ著『構成の詩学』(川崎・大石訳)法政大学出版局、1986年。
     ウスペンスキイ著『イコンの記号学』(北岡誠司訳)新時代社、1983年。
     バフチン著『ドストエフスキイの詩学』(望月哲男ほか訳)筑摩書房、1995年
     他の参考文献は授業中に適宜指示する。

表現文化演習4 高島葉子

●科目の主題と目標
絵本は、現代では絵本を芸術の一分野、あるいはメディアのひとつとして捕らえられている。芸術やメディアとして絵本を考えるときに必要になってくるのは、絵本の表現技法についての知識である。視点、語り手、絵と絵の連続性、絵と言葉の同調など、絵本にはさまざまな表現技法が使われ、工夫されている。絵本がどのように描かれているのかを絵本研究の入門書を教材として学ぶことを通して、絵本研究の基本的手法を習得することを目標とする。

●授業内容・授業計画
第1回から第10回までは、毎回、前半は英語文献の精読を行い、後半は、日本語の文献に関して担当者に要点を報告してもらったのち、討議する。担当者はレジュメの作成、論点の解説を要求される。第11回から最終回では、各自題材となる絵本を選び、分析・発表し、クラスで討議する。学期末には、口頭発表をもとにレポートを作成、提出を予定している。

●評価方法
出席状況、発表、討議への参加度、レポートに基づいて行う。

●受講生へのコメント
授業への積極的な参加を期待している。絵本にかぎらず、視覚的メディアに興味のある受講生も歓迎する。

●教材・参考文献
竹内オサム『絵本の表現』、藤本朝巳『絵本はいかに描かれるか』、M.Nikolajeva and C.Scott, How Picturebooks Work

表現文化講読1 浅岡宣彦○

●科目の主題と目標
主題:ドン・ファン伝説を取り上げたプーシキンの小悲劇『石の客』を読む。
目標:外書講読を兼ね、ロシア語の読解力の向上を目指す。

●授業内容・授業計画
授業内容:戯曲のテキストをロシア語で読んでいく。同時に、映像化された映画などを鑑賞し、原作との相違を比較検討する。
授業計画:作品を詳しく分析しながら読む。並行して、ドン・ファン伝説を取り上げた作品、特にプーシキンの作品との影響関係を探る上で重要な作品、ティルソ・デ・モリーナ、モリエール、モーツァルトのオペラ(脚本ダ・ポンテ)などの作品を併読、または鑑賞し、プーシキンの小悲劇の独創性を考察していく。

●評価方法
平常点を重視するが、小悲劇『石の客』ないしはドン・ファン伝説に関してレポートを提出してもらう。

●受講生へのコメント
ドン・ファン伝説を素材にした作品は数多くある。授業中にそれらの作品の一覧表を配布し、その中のいくつかの作品を選んで、それぞれ分担して読んでもらい、意見交換を行う。

●教材・参考文献
適宜、プリントで配布する。
参考文献:橋本一郎著『ドン・フワン伝説』(愛の神話学)新泉社、1976年。
     大島正著『ドン・ホアンの原型の研究』白水社、1966年。
     ジャン・ルーセ著『ドン・ファン神話』(金光仁三郎訳)審美社、1988年。
     他の文献は適宜授業中に指示する。

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