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表現文化コース(学部) 授業案内


2006年度 前期 表現文化コース提供科目 (*は非常勤講師)

表現文化基礎演習1 野末紀之

この演習では、具体的な表現を読み解き分析する際の基本となる視角・概念について学ぶ。テキストは主として英語文献を用いる。

テキスト:プリント配布。
参考書:授業中に指示する。

表象文化論1 荒木映子

表象文化、表現文化という従来の学問の領域を横断する人文科学の成立過程と、この新しい学問に取り組むために必要な知識と研究方法について講義する。

テキスト:テリー・イーグルトン「文学とは何か』(岩波書店)、ジョナサン・カラー「文学理論』(岩波書店)

表象文化論2 三上雅子

昨年シリーズ6部作が完結した映画「スター・ウォーズ』はアメリカ映画における金字塔的作品であるだけでなく、映画論、物語論、ポストコロニアル理論、受容理論など様々な観点から読み解くことのできる、優れたテクストである。「スター・ウォーズ』を素材として、具体的に上記の諸理論について理解を深めていく。

テキスト:授業中に適宜指示。
参考書: 授業中に適宜指示。

比較表現論1 小田中章浩

演劇について考えるためには、個々の舞台や作品に注目するだけではなく、それらを全体としての大きな流れ(演劇史)の中に位置づけることが必要となる。この講義では、古代ギリシャから二十世紀に至る西洋演劇史を概観する。それによって「悲劇」「喜劇」「ドラマ」といった概念や、劇場や演出技術の発展について理解してもらう。必要に応じて日本の伝統芸能との比較演劇史的な考察も試みる。

テキスト: プリントを配布する。
参考書: 多岐にわたるため、教室で指示する。

比較表現論2 高島葉子

イギリス、アイルランドを中心にヨーロッパ諸国の妖精信仰を概観し、その共通性と地域差をみたあと、日本を含むアジアの精霊、妖怪信仰との比較を行い、ヨーロッパとアジアのアニミズム的世界観の比較考察を試みる。

テキスト:授業時にプリント配布。
参考書:授業時に指示。

表現文化演習1 浅岡宣彦

島村抱月が主宰した「芸術座」の活動とトルストイとの関係を通して日本におけるロシア文化受容の一端を探る。原作、翻訳、映画、脚色、芝居のながれを辿りながら、劇中歌についても考察し、それぞれに課題を決めて発表してもらう。

テキスト:トルストイの作品(『復活』、『生ける屍』、『闇の力』、『アンナ・カレーニナ』)
参考書:比較文学シリーズ「欧米作家と日本近代文学」3(ロシア・北欧・南欧編)教育出版センター、ほか。

表現文化購読2 海老根剛

メディア論の古典であり、現代の芸術・文化理論に今日まで大きな影響を与えているヴァルター・ベンヤミンの論文「複製技術時代の芸術作品」をとりあげます。現在の私たちの生活は複製技術に隅々まで取り巻かれていますが、このような事態は歴史的にきわめて新しくまた特異なものです。技術的複製が表象の単なる流通手段として用いられるのではなく、その生産原理そのものとなり、表象の生産・流通・消費の全領域を規定するようになるとき、文化は大きく変貌することになるのではないか。ベンヤミンの論文は、このような問いを提起した最初の考察のひとつです。この授業では、ドイツ語原文を参照しつつ重要な箇所を精読するとともに、ベンヤミンが触れている幅広い事例(文学・美術・演劇・写真・映画・建築)をヴィデオや図版などを用いて確認することで、この論文が論じている文化的変容を具体的に理解することを目指します。重要箇所についてはドイツ語原文を参照しますが、英語と日本語の翻訳も用意しますので、ドイツ語を読みたい学生はもちろん、ドイツ語を履修していない学生の参加も歓迎します。

教科書 Das Kunstwerk im Zeitalter seiner technischen Reproduzierbarkeit (Gesammelte Schriften 7/2, Suhrkamp); The Work of Art in the Age of Its Technological Reproducibility (Walter Benjamin: Selected Writings, Vol. 3, 1935-1938, Belknap Press); 「複製技術時代の芸術作品」(「ベンヤミン・コレクション1」、筑摩学芸文庫)
参考書 随時紹介する。

表現文化特講2 宮崎かすみ*

中流階級の覇権とナショナリズムの成立というヨーロッパの近代的編成の成立に伴い発達してきた近代的権力の問題を、「探偵」と「名づけ」をキーワードにして文学作品の解読を通して考察する。19世紀半ばから散発的に生まれつつあった探偵小説という小説ジャンルは、世紀後半におけるシャーロック・ホームズの登場によって大きな転換期を迎える。社会の中の「見えない他者」を嗅ぎ当てる権力の表象としての探偵をホームズ物語の中に読み、さらに身体の細部にわたる支配・管理とセクシュアリティの支配の問題をオスカー・ワイルドの作品(『まじめが肝心』など)や夏目漱石(『彼岸過迄』『心』など)を通して考察する。最終的に、探偵的権力の眼差しから免れるための処方として文学者たちが提起していた文学的言説の可能性を作品の中から読み取ることを目標とする。

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