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平成25年秋の文学部市大授業を10月14日(月・祝)に開催しました

2013年秋 市大授業プログラム

第1時限 午後1時~午後2時10分

井上 徹 教授 「中国にはなぜ漢族が多いのか?」

 中国の総人口はおよそ13億人、56の民族から成っていますが、このうち漢族が全体の9割以上を占め01ます。かかる状況はどのようにして形作られたのでしょうか? この問題を理解するための鍵は漢化という概念です。黄河流域に発祥した漢字を基礎とする文化を共有する人々が漢族であり、その漢族が西方及び南方へと進出して、現地の民族との抗争に打ち勝ち、漢族の文化のなかに飲み込んでいきました。そうした漢族への同化を漢化と呼びます。この講義では、急速に漢化が進んだ明清時代、中国南部の山間地帯で一世紀にわたって繰り広げられた漢族と非漢族との抗争を手がかりとして、現地調査の成果も織り交ぜながら、漢化の最前線を追跡しました。

森 久佳 准教授  「学校の『先生』・『教師』の世界」

 高校生の皆さんにとって、学校の先生は非常に身近な存在でしょう。02では、その先生方は、いったいどんな仕事(職務)を日々こなしているのでしょうか? 授業は仕事の一つに入りますが、それだけでなく、実のところ、皆さんの目に見えないところで学校の先生たちはいろいろな仕事をされています。また、学校の先生たちは、時に「教員」ないし「教諭」と呼ばれることもありますが、そこにはどのような意味が込められているのでしょうか? こうしたいくつかの疑問を出発点に、この講義では、「先生」や「教師」の世界の一端を探りたいと考えてみました。

大岩本 幸次 准教授  「日本漢字音のはなし ―中国語史の観点から―」

 我々がふだん用いている漢字の発音には、訓読みと音読みがあります。例えば「人」という字で03あれば「ヒト」が訓読み、「ニン」や「ジン」が音読みです。このうち音読みについては、さらに呉音、漢音、唐音といった三種ほどの別があり、先の例では「ニン」が呉音、「ジン」が漢音とされます。時に厄介なこれら音読みの区別は、古代中国語の音の変遷と密接な関わりを有しています。今回の講義では、中国語の音節構造や発音上の特色、また日本漢字音の種類や性格について概述した上で、日本漢字音の特徴のうち顕著なものを取り上げて、なぜ発音が互いに異なってしまっているのか、中国現代諸方言の例も援用しつつ、中国語史の観点から解釈を行いました。

第2時限 午後2時20分~午後4時

文学部学生とのフリートーク!!

 文学部での学生生活を思いっきり楽しんでいる学生さん達がたくさん駆けつけてくれて、受験勉強や大学での勉強、クラブ活動、就職などについて、みなさんの相談に乗ったり、最新情報を参加者のみなさんに伝えてくれたりしてくれました。時間を忘れて先輩と楽しく語ることで、大学生になった未来の自分をリアルに想像してみることができたかもしれません。参加者のみなさんがいずれも満足そうに帰宅の途に着かれたことが、フリートークが充実した時間であったことを物語っていたのではないかと思います。
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