文学部を知りたい人のための市大授業
―ひらけゆく世界 みえてくる人間―


□ 平成24年春の文学部市大授業は、4月29日(日)に開催されました。

2012年春 市大授業プログラム

第1時限 午後1時〜午後2時10分

野村 親義 准教授  「グローバル化と現代世界の歴史」

 グローバル化という言葉、みなさんもよく耳にすると思います。グローバル化とは簡単にいうと、モノ、ヒト、お金が国境を越えて盛んに行き来することを意味します。このグローバル化が現在私たちの生活に大きな影響を与えています。「○○君の父親がインドに赴任することになった」「スーパーに東南アジア産の野菜がたくさんあった」などはその一例です。実は世界は150年近く前、ある意味現在と同じくらい大きなグローバル化を経験していました。『龍馬伝』の坂本龍馬の活動も、当時のグローバル化の中で起こった世界史の一幕といえるでしょう。この講義では、過去150年余のグローバル化の歴史を、貿易、資本移動、移民、国民国家などのキーワードを軸に、グローバル・ヒストリーという昨今世界的に注目される研究視座に配慮しつつ論じます。

上に戻る

伊地知 紀子 准教授  「大阪は100年前から国際都市だった!?」

 近年、日本では韓流が一大ブームとなり、KARAや少女時代といったK-POPが高い人気を得ています。また、韓国語や韓国文化を学ぼうとする人びとも増えています。大阪のコリアンタウンでは、韓流グッズや韓国文化に関連する商品を売る店があちこちに見られるようになりました。生野区にあるコリアンタウンが世間の注目を集めるようになったのは、2002年日韓共催ワールドカップあたりからですが、商店街はもっと前からありました。そのルーツは、約100年前に朝鮮半島から来た人たちが生活を営むようになったことにあります。今回の授業では、こうした朝鮮半島から日本への人びとの移動について社会学の視点から取り上げます。国際化や異文化理解、多文化共生を考えるきっかけを見つけることに繋がるでしょう。

上に戻る

小林 直樹 教授  「古典文学における異界との交流─『宇治拾遺物語』「こぶとり爺」を読む─」

 誰もが子供時代に親しんだ「こぶとり爺」の昔話。そのもっとも古いかたちの物語が鎌倉期の説話集『宇治拾遺物語』に収められています。しかし、そこに登場するのは良いお爺さんと悪いお爺さんというお馴染みの組み合わせではありません。では、一方のお爺さんだけが鬼に瘤を取ってもらえるという幸運にあずかれたほんとうの理由は何だったのでしょう。この授業では、「異界との交流」という視点から物語を読み解き、その謎に迫ります。同時に、現代人が古典文学を読む意義についても考えてみたいと思います。

上に戻る

第2時限 午後2時20分〜午後4時

文学部学生とのフリートーク!!

文学部での学生生活を思いっきり楽しんでいる学生さん達がたくさん駆けつけてくれて、大学での勉強、クラブ活動、就職などについての最新情報を参加者のみなさんに伝えてくれました。時間を忘れて先輩と楽しく語り、大学生になった未来の自分をリアルに想像してみることができたかもしれません。参加者のみなさんがいずれも満足そうに帰宅の途に着かれたことが、フリートークが充実した時間であったことを物語っていたと思います。

上に戻る