文学部を知りたい人のための市大授業
―ひらけゆく世界 みえてくる人間―


文学部 市大授業(平成22年11月3日実施)の様子


大阪市立大学大学院文学研究科・文学部は、大学における授業の雰囲気や学内の様子を、高校生をはじめ大阪市立大学に関心を持つ人々にひろく体験してもらうために、平成22年11月3日(祝)に、秋の「文学部を知りたい人のための市大授業」を開催しました。


第1時限 午後2時〜午後3時10分

◆土屋貴志 准教授  講義タイトル:サッカーで倫理学する



倫理学(道徳哲学)とは、「〜することはよい/わるい」「〜すべきだ/すべきでない」「〜してはいけない/してもよい」などということ(倫理、道徳、規則、法、条例、指針、掟、慣習、金言など。まとめて「規範」と呼びます)が、どうしてそういえるのか、その理由や根拠について考える学問です。スポーツのルールはそういう規範の1つであり、そのルールを司るのが審判です。ですが、たとえばサッカーは相手のゴールにボールを入れた回数の多いチームが勝つという単純なスポーツなのに、そもそもなぜルールや審判が必要なのでしょうか。審判は間違った判定を下すこともありますが、それでも審判に文句を言ってはいけないのはなぜでしょうか。

◆川野英二 准教授 講義タイトル:社会の実験室としての大阪



20世紀の初め、都市人口は世界人口の約10分の1に過ぎませんでしたが、現在ではその約半分を占めるほど急激な都市化が進んでいます。このグローバルな規模で進む都市化のなかで、様々な社会問題が現れています。  人文・社会科学は自然科学とちがって実験することが難しいといわれます。しかし、シカゴ学派の社会学者R・パークは、都市は人間の本性や社会を研究する場所、つまり「社会的実験室」としてふさわしいと言いました。都市大阪に位置する大阪市立大学もまた、「都市」を対象とする研究が盛んです。この講義では、大阪を「実験室」としてどのようなことが行われているのか、その一部をご紹介します。

◆白田 由樹  講義タイトル:〜「花の都」の由来をさぐる〜



かつて世界中から多くの芸術家を呼び寄せ、詩や小説の舞台にもなったパリは、ファッション雑誌や映画作品にも頻繁に取り上げられ、今なお、私たちの憧憬をかきたてています。こうした華やかなイメージは、どのように生成し、また普及していったのでしょうか?この授業では、パリの歴史や、文学(とくに小説や詩)が大衆に広く読まれるようになっていく十九世紀の時代背景とともに、いくつかの文学作品に描かれたこの時代のパリの姿を追いながら、この都市がもつ神話的イメージの源をさぐってみたいと思います。

第2時限 午後3時20分〜午後4時30分

◆文学部学生とのフリートーキング