● 世にもすぐれた人よ、君はアテナイという、知力においても、武力においても、最も評判の高い、偉大なポリスの一員でありながら、ただ金銭を、できるだけ多く自分のものにしたいというようなことに気をつかっていて、恥ずかしくはないのか。評判や地位のことは気にしても、思慮と真実には気をつかわず、たましい(いのちそのもの)を、できるだけすぐれたよいものにするように、心を用いることもしないというのは。
● たとえこの好奇心と野心が日常生活の範囲を超えた思弁へと私を連れ出さないにしても、私の弱さそのものが、必ずや私をそうした探求へと導くことになるであろう。
● 宗教の誤りは危険であるが、哲学の誤りは単に滑稽なだけである。
● … 私たちはいかなる哲学も〈学ぶ〉ことはできない。そもそも哲学はどこにあるのだろうか、哲学を手にしている人がいるというのだろうか、哲学を哲学として認識するにはどうしたらよいのだろうか。学ぶことができるのは[哲学そのものではなく]哲学的に考察することだけである。
● 哲学におけるあなたの目的は何か。ハエにハエとり壺からの出口を示してやること。
● 哲学的な問題は、言語が仕事を休んでいるときに生ずる。