学生の研究活動


博士論文・修士論文・卒業論文 題目一覧


2020年度

<修士論文>
二字漢語動名詞の文法的性格に関する考察
日本語の形式名詞「もの」「こと」の用法と分類
芥川龍之介「VITA SEXUALIS」試論―幼年と青春の性的表象―
芥川龍之介「河童」研究――槍ヶ岳登山の体験から――
川端康成「ちよもの」作品における写真――婚約写真の描写とその切断に着目して

<卒業論文>
「ゐる」と「をり」の歴史(上代から平安時代まで)
敬語接頭辞「お」「ご」について
役割語としての感動詞について
格助詞「の」の連体修飾の用法についての考察
接尾辞「―み」の変遷について
助数詞「本」の用法と性質―「筋」と比較して―
式子内親王の「忍恋」と「夢」について
藤原定家による「風」の捉え方について
『有明の別れ』女大将の天人性の表現~仏教の影響について~
近松浄瑠璃における「契約」をめぐる悲劇―『関八州繋馬』において完成された作劇法―
夏目漱石の「個人主義」について
夏目漱石『こころ』における Kと先生の自殺について
太宰治『葉』における「死生観」について
太宰治『人間失格』における「世間」―大庭葉蔵が「人間、失格」と自認した要因―
『痴人の愛』から『春琴抄』へ ~「ほんたうらしさ」を生み出す「陰翳」~
坂口安吾の探偵小説観と「不連続殺人事件」における附記の効果
円地源氏における特定の人物の心理の増幅について
司馬遼太郎の戦争体験とそれが作品執筆に及ぼした影響〜『殉死』を中心に〜
作詞家・阿久悠の「作詞憲法」 1970年~1980年代前半の阿久悠の軌跡
日本のポピュラー音楽の歌詞の特徴と文学的価値について──syrup16gを題材に


2019年度

<修士論文>
連用形名詞の再動詞化に関する一考察――複数の動詞連用形から成る連用形名詞を中心に――
対人関係に関わる終助詞の使用について―「よ」「ね」をめぐって
連体修飾節における「テイル」形と「タ」形の用法 ―動詞タイプによる置換可能性を中心に―
更級日記における独詠歌と散文―連接形式の意味について―
芥川龍之介の「第四の夫から」試論

<卒業論文>
ぼかし表現「の方」についての考察
『日本霊異記』における戒と行基
『うつほ物語』における朱雀帝の意志の継続についてー仲忠夫妻との関わりー
藤原行成の哀傷歌について
鎮源の女性信者への視点
成通卿説話における蹴鞠の精霊についての考察─樹霊との関係を中心に─
慶政の疎外感と鬼――『閑居友』下巻第三話「恨み深き女、生きながら鬼になる事」を通して――
親子関係からみる『岩屋』における孝思想
「しんとく丸」物の作品における癩病の設定の変化について
谷崎作品における源氏物語現代語訳体験の影響
『春と修羅』から読み解いた「よだかの星」
北杜夫と昆虫
一九六〇年代を境とした安部公房作品の変化
文学作品における坂本龍馬像の変化


2018年度

<修士論文>
日本語における可能表現について―有対自動詞可能と対応する他動詞可能態を中心に―
『閑居友』における鎮魂と救済
魯迅と漱石の初期作品における知識人像についての比較―漱石作品の魯迅訳を出発点として―
ゴヤ『ロス・カプリチョス』と芥川『Los Caprichos』の関わりについて

<卒業論文>
女性的言葉づかいについて―「わ・こと・の・もの」の用法を例に―
現代語「かわいい」の意味について
土佐日記における楫取の描かれ方―楫取の発言とそれに対する日記執筆者の批評から―
『好忠百首』における嘆きの歌について―分類・『順百首』『恵慶百首』との比較を通して―
『蜻蛉日記』下巻の春の情景—引歌の検討を通して
半井本『保元物語』における源為朝像
『絵本増補玉藻前曦袂』の作劇―原作・読本からの改変を中心に―
上方における「皿屋敷もの」の展開―『唐絵陶器古今伝巻播州皿屋舗』を中心に―
大正期の鏡花戯曲の位置 「恋女房」を中心として
谷崎文学における「盲者」について―『春琴抄』を素材として―
川端康成『眠れる美女』における「魔界」と主人公の設定について


2017年度

<修士論文>
現代日本語における空間・時間表現について―サキ・マエ・ウチ・ナカ・アイダを中心に―
動作、作用の完遂、完了に関わる複合動詞についての研究―「~きる」「~ぬく」「~とおす」「~つくす」を中心に―

<卒業論文>
変化する外来語の意味
『源氏物語』における紫の上の嫉妬の心について
末摘花考―その再登場から見えてくるもの―
『蜻蛉日記』における道綱母と道綱について―道綱の呼称の変化から―
道頼の変化する愛情について―『落窪物語』結婚初夜の和歌―
「とりかへばや物語」における女主人公の嘆きについて
堤中納言物語『このついで』の「歌語り」性
日本における冥界思想の受容の在り方―『日本霊異記』の蘇生譚を中心に
戒律説話に見る戒の力
『義経記』の装束描写からみる義経像
『大経師昔暦』おさんの人物造型にみられる二面性―他の姦通物作品と比較して―
浄瑠璃に見る信太妻伝説―『しのだづま』・『信田森女占』・『芦屋道満大内鑑』の比較を中心に―
「夢応の鯉魚」における上田秋成の創作意図
芥川龍之介初期作品における語りの変化とその意義
田山花袋『蒲団』にまつわる評論とその解釈
遠藤周作『深い河』における成瀬美津子の造型
中島みゆきの歴史とその文学的価値 ~松任谷由実との比較を通して~
『スカイ・クロラ』シリーズにおける恋愛感情について
森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』と「つながり」について


2016年度

<修士論文>
「ト、バ、タラ、ナラ」の仮定的条件用法の異同について―後件のモダリティ制約を中心に―
『粉河寺縁起絵巻』における女性と殺生
御伽草子における異界描写―山・川・築地・四方四季に見る日本人の異世界観―
片山廣子のクリスティーナ・ロセッティ受容―第一歌集『翡翠』刊行までの短歌を中心に―
堀辰雄における杜甫の受容像―二つの訳詩ノートを中心に

<卒業論文>
形容詞接尾辞「み」について
「共感覚表現」の一方向性の仮説と許容性の違いについての考察
和歌における推量の助動詞「らむ」と「らし」について
『徒然草』における「侍り」と「候ふ」の比較
『平中物語』における平中像
百人一首における藤原定家の秀歌意識――貫之歌「人はいさ」からの考察
中世における「心澄む」の基底
紀海音の享保期時代浄瑠璃における善悪対立構造―近松門左衛門との比較を通じて―
江戸川乱歩文学における「胎内願望」について
「斜陽」「おさん」における「革命」について
安部公房「他人の顔」から見る自己と他者


2015年度

<修士論文>
「てもらう」の機能―前接動詞との関係を中心に―
蔭の言葉の生む力―『萬葉集』巻十六、忌部首の戯笑歌をめぐって―
弓削皇子と額田王の贈答歌―「弓弦葉乃三井」に鳴く「霍公鳥」―
『今昔物語集』における仏教者と女人─出典受容から見る編者の思考構造─
地獄巡り譚の女人救済と逆修―『富士の人穴草子』『長宝寺よみがへりの草子』を中心に―
谷崎潤一郎と中国中華民国時期―作品と中国への二回目の旅行から―

<卒業論文>
ウチナーヤマトゥグチにおける終助詞「サ」
比喩表現における直喩と隠喩の性質と働きについて
『栄花物語』続編の装束描写と作者の意識
『八幡愚童訓』甲本と叡尊
『発心集』の数寄と執心
仮名本『曽我物語』における女性像とその手法
神仏の使いとしての虫―蜘蛛と蜂を巡って―
『天守物語』の舞台化の遅れについて─『夜叉ヶ池』と比較して─
中島敦「妖氛録」考
泉鏡花と大阪
壺井栄が描いた働く子どもたち
われらがわれに還りゆくとき―道浦母都子『無援の抒情』 その抒情の基本構造―
森のやうに 獣のやうに 生きた歌人 河野裕子
父と母、異なる愛の形―妊娠・出産をテーマに詠んだ短歌を通して―
東野圭吾作品における悪女について


2014年度

<博士論文>
今様の雅俗と信仰─古典の終焉と中世の萌芽─

<修士論文>
進展型副詞についての考察─共起する述語の特徴を中心に─
デ格とその類似表現について─「において」と「によって」を中心に─
『懐風藻』における中国隠逸思想の受容─藤原宇合の「朝隠」を中心に─
『双蝶蝶曲輪日記』の上演における歴史的変化─歌舞伎から人形浄瑠璃へ─

<卒業論文>
音象徴による「ちょっと」の多義性についての考察
柿本人麻呂の発想─近江荒都歌について─
『源氏物語』その表現の力─「はるけし」の用法を手がかりとして─
キーワードからみる『宇治拾遺物語』の世界
日本の古典文学における地獄の特色─山と川の認識をめぐって─
『平家物語』における熊野と厳島─竜と千手観音への着眼から─
『長谷寺験記』における観音の罰
龍蛇の両義性─「阿古谷の龍の神変」「鷹取救済譚」をめぐって─
萩原朔太郎「猫町」の猫像
天守物語の舞台化の遅れについて─夜叉ヶ池と比較して─
太宰治「女生徒」について─「有明淑の日記」に記述のない太宰オリジナルの箇所の検証─
小川未明「赤い船」における憧憬─〈赤〉と夕焼け空があらわすもの─
『痴人の愛』ナオミの魅力について


2013年度

<修士論文>
近江荒都歌論-内在する堯の世界-                

<卒業論文>
魚に用いる助数詞の研究―『匹』『尾』への変遷を追って―
「あはれなり」「おもしろし」「をかし」に関する各意味特徴の考察
上代における挽歌の変遷について
神をうたふこと―『萬葉集』から『八十浦之玉』へ―
歌を生む声と文字―東歌と人麻呂歌集所出の序歌について―
文人の志―藤原萬里「神納言の墟に過る」をめぐって―
『今昔物語集』の冥界認識について―編者の翻訳姿勢を通じて―
『保元物語』合戦譚における対比構造
『十訓抄』が勧奨する心の様相
江戸浄瑠璃作者紀上太郎と烏亭焉馬の作風―『碁太平記白石噺』を中心に―
童話『土神ときつね』に見られる
宮沢賢治の修羅意識とその契機
三島由紀夫『午後の曳航』考
『吹雪物語』嘉村由子についての考察―坂口安吾の恋愛小説におけるヒロイン像―


2012年度

<博士論文>
『太平記』の構想論的研究―「北野通夜物語を中心に―

<修士論文>
使役と他動詞のかかわりについて
連体修飾節における動詞のテンスとアスペクトについて―「テイル形」を中心として― 
対比を表わす「は」と排他を表わす「が」の使い分け
『神道集』における「諏方縁起」の位置づけ―鹿食と殺生肯定論理の重要性―
『昔男春日野小町』考―作劇法から見た立作者―
上田秋成の「奇」とは何か―大田南畝との交遊を通して―

<卒業論文>
尊敬表現『~なさる』『お/ご~なさる』『お/ご~になる』の差異について
「させてもらう」と「させていただく」
嗅覚表現に於ける意味の変遷―「にほふ」と「かをる」上代・中古を中心に―
萬葉集防人歌における音韻変化とその傾向について 
家持の作歌態度―「山柿之門」をめぐって―
『今昔物語集』天竺部・震旦部と本朝部の対応
兼好の現世肯定的人生観と欲望
『鴉鷺合戦物語』における作者の教養と学識


2011年度

<修士論文>
原因・理由、説明を表す文末表現の一考察―「からだ」「わけだ」「ためだ」の比較を中心に―
倭建命論――『古事記』における「秩序」と逸脱――

<卒業論文>
源氏物語「霧やへだつる」考 ―紫式部の目指した表現―
『和泉式部続集』帥宮挽歌群の考察―歌人 和泉式部の性格をめぐって―
半井本『保元物語』における為朝像
『撰集抄』における遁世者―衆生済度を目指して―
『海道記』における構成意識


2010年度

<博士論文>
現代日本語の助詞マデ

<修士論文>
程度副詞化のパターン―評価から程度へ―
「てやる・てくれる・てもらう」の恩恵性をめぐって
連体修飾表現における主格助詞「が」と「の」について
菅原道真における詩の方法―唱和詩の「報恩」の語を手掛かりに―
「涙川」の成立 ―都良香の漢詩と和歌を通して―
『唐物語』の配列意識―第二十六話〈潘安仁説話〉を端緒として―
延慶本『平家物語』の叙述態度―末尾記事と、清盛による頼朝助命をめぐって―
真名本『曽我物語』の伊藤一族と鎮魂―頼朝による称讃場面を通して―
『諸国百物語』の創作意識

<卒業論文>
「は」と「が」を中心とした新たな学校文法
短縮語形成における音節・モーラの働きについて
「共感覚表現」を成立させるメカニズム―構成要素としての感覚表現をめぐって―
中大兄三山歌の「高山(かぐやま)」とは何か―百済救援軍の筑紫西征―
神話から脱却した「則天去私」認識の提案
旅人がみた吉野―昔と今―
『おちくぼの草子』の新趣向―物狂いと六角堂をめぐって
『古今著聞集』における宿執篇の位置
「罪」の文学としての『閑居友』
諏方系「甲賀三郎物語」の作者層
江戸時代から明治時代における対称の敬意の減価
近松世話浄瑠璃に見る三角関係─海音の影響を中心に─
顔見世狂言『金幣猿嶋郡』の特異性
中島敦「山月記」の近代性―「人虎伝」の比較・近代で和訳された「人虎伝」との比較をめぐって―
『婦系圖』の変容―小説から舞台への転換


2009年度

<博士論文>
再読の成立 ―漢文訓読史の一研究―

<修士論文>
有対他動詞文に生起する無生物主語
サセル構文の性質―テモラウ構文や他動詞構文とのかかわりをめぐって―
「司馬遼太郎『功名が辻』論―その構成と題名とを手がかりにして―」

<卒業論文>
香川方言のアスペクト形式・「ヨル」と「トル」について
漢語サ変動詞における自動詞と他動詞
萬葉集巻十九冒頭歌群を読む ―望郷の越中国守・大伴家持―
万葉集で「紅葉(こうよう)」するモミヂ
「悽惆之意」に見る家持の文芸観―萬葉集巻十九巻末三首左注を中心に―
『十訓抄』における数奇者説話―「慈悲」「情け」への志向―
延慶本『平家物語』における清盛評価
御伽草子『酒呑童子』における茨木童子
御物絵巻『をぐり』と日光山―観音信仰を切り口にして―
『諸国百物語』の中の怪異―「執心」を中心に―
写生の先駆け―加納諸平の『柿園詠草』をめぐって―


2008年度

<博士論文>
奈良時代漢詩文論攷
上代における天皇即神表現についての研究

<修士論文>
遊女(あそび)と法皇―『梁塵秘抄』四句神歌・雑・四〇七~四一〇の解釈と配列をめぐって―

<卒業論文>
連体修飾表現における「が・の」交替現象について
格助詞「で」の用法についての考察―互換性・関連性の視線から―
高い程度を表す副詞の史的変遷―「よほど」と「ずいぶん」を例に―
対義語の組である反義対の明確な分類基準の確立
不可能・禁止の助動詞「ならぬ」に関する考察―江戸期を中心に
紀友則と『古今和歌集』七八七番歌の表現
古今集時代の歌―風景を幻視する方法―
『源氏物語』の引歌
『唐物語』に描かれる女性像
『栄花物語』における類似表現
『今昔物語集』編者による巻二十七の怪異分類と説話配列順序
『発心集』の〈心〉への視線―巻三ノ四「讃州源大夫、俄に発心・往生の事」を中心に―
お伽草子『磯崎』の成立背景
雨月物語「菊花の約」における「信義」と「軽薄」