地理学教室コロキアムを開催しました

2020年8月18日(火)13時20分から、山﨑教授担当の大学院地理学基礎問題研究演習の時間を用いて地理学教室コロキアムを開催しました。
日本学術振興会特別研究員(上智大学)の八尾祥平さんを講師としてお招きし、「沖縄戦と慰霊を台湾から見つめ直す」と題して、テレビ会議の形式でご講演いただきました。八尾さんは、沖縄戦や慰霊を台湾との結びつきから見直し、現在「沖縄問題」や「台湾問題」として議論する地域の認識枠組みそのものに疑問を投げかけられました。八尾さんによると、沖縄研究では十十空襲が取り上げられる時に、その二日後の台北大空襲は意識されず、その逆も同時に起っており、現在の沖縄の米軍基地の青写真はもともとは台湾に建設する予定だったこともあまり知られていません。このように重要な問題が地域の認識枠組みによって埋もれてしまい、本来はひとつの問題が地域単位に分割・矮小化されていることを琉台間を越境する具体的な人々の軌跡を追うことで明らかにされました。 本発表は、山﨑教授が研究代表者を務める科研費プロジェクト「東シナ海島嶼をめぐるトランスボーダー地政学の構築」の一環であり、今後も様々な媒体を通して共同研究の成果を公表していく予定です。