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表現文化学専修(大学院) 授業案内

2008年度 表現文化専修提供科目 (*は非常勤講師)

表現文化学研究1 荒木映子

●科目の主題と目標  
最新ロンドン文化情報を伝え、イギリス文化について理解を深める。
ロンドン大学の教育の現状、博物館や美術館における文化的事業、演劇等、目下ロンドン滞在中の担当者の経験を通して、文化の維持、保存、普及がどのようにはかられ、あるいは変容がどのように受け入れられているかを考える。

●授業内容・授業計画
毎回、担当者が参加したイヴェントのプログラムの内容を中心に、講義と質疑応答を行う。たとえば、ロンドン大学、School of Advanced Studiesで行われている数々の一般公開のセミナーやレクチャー、 British Libraryで開催されているAvant Garde展と、それにちなむディベイト、Imperial War Museumにおけるwar postersの展示と、それにちなむPublicity, Propaganda and the Public’というシンポジウム、National Portrait Galleryで行われた4人の作家が語るConrad体験(なぜここで作家を扱うのかわかりますか?)、National Theatreの` War Horse ’と Criterion Theatreの `The 37 Steps’(今まで見た演劇の中で最も面白かったもの)等々紹介したいものが、12月現在でも無数にある。

●評価方法
授業への毎回の出席と授業での発言が40%、学期末のレポートが60%。

●受講生へのコメント
自分の意見をしっかり言うこと。

●教材・参考文献
追って指示

表現文化学研究演習1 荒木映子

●科目の主題と目標  
第一次世界大戦がそれまでの戦争とどのように違うか、銃後の社会はどのようなものであったかについて検討した後、第一次世界大戦の追悼と記念のありようについて、主にイギリスをとりあげて、考察する。それを通じて、現在における大戦の意味を考える。

●授業内容・授業計画
第一次世界大戦中に書かれた戦争詩、大戦について書かれた文学や、記念行事、記念碑、戦争博物館、戦場ツアー等についてのいろいろな資料にあたって、検討する。

●評価方法
授業への毎回の出席と授業での発言が40%、学期末のレポートが60%。

●教材・参考文献
授業中に指示。

表現文化学研究2 小田中章浩

●科目の主題と目標  
 両大戦間におけるフランスを中心とした演劇的な動向の変化と、その背後にある人々の集合的な心性(mentalité)の変化の関係について考察し、西洋の精神・文化史においてこの時代が占める重要性について認識を深めることを目標とする。

●授業内容・授業計画
 第一次大戦は、西洋が経験した初めての大規模な殺戮であり、今日においてもなお「大戦争」(the Great War / la Grande Guerre)と呼ばれている。この戦争が人々の精神にもたらした大変動は、演劇、映画、ダンスなどの芸術分野においても、さまざな革新的な試みとなって現れた。そうした観点からすれば、第二次大戦は「大戦争」のより大規模かつ悲惨な反復であり、すでに歴史学や政治思想史の分野で行われているように、第一次大戦から二十世紀末までの歴史を一つの時代として区分することができる。
 本講では、この問題に関する古典的名著であるP. Fussel, The Great War and the Modern Memory, Oxford University Press, 1975を始めとして、モードリス・エクスタインズ『春の祭典 第一次大戦とモダン・エイジの誕生』金利光訳、TBSブリタニカ、1991のような参考文献を幅広く参照しつつ、ピランデルロの流行や、クロムランクやルノルマンといった新しい劇作家の登場、あるいはジュヴェ、デュラン、バティ、ピトエフのいわゆる「四人組」の演出家の活躍によって、その様相を一変させた両大戦間のフランスを中心とした演劇界の動向について、文献読解を中心とする方法によって、その理解を深める。

●評価方法
 受講生は、学期末に予め指定されたテーマについてレポートを作成することを求められる。基本的な評価はこのレポートに基づいて行われる。ただし毎回の授業において、指定された文献に基づいてそれらの読解を行うので、こうした毎回の授業への貢献度も評価に加味されることになる。

●受講生へのコメント
 できれば受講生は中級以上のフランス語の読解力を持つことが望ましい。ただしこれは必須の条件ではない。

●教材・参考文献
 授業中に指示し、必要なものはプリントして配布する。

表現文化学研究3 野末紀之

●科目の主題と目標  
笑いとユーモアにかんする古今の代表的な理論を概観するとともに、現代の研究者による論文を読む。
このテーマの現代的問題を考察しつつ、作品分析に有効な視点の獲得を目標とする。言及される多数の作家や作品にもできるだけ目を通す。

●授業内容・授業計画
前半は理論の概観、後半は論文の精読に当てる。

●評価方法
出席、発表、テスト、レポートから総合的に評価する。

●受講生へのコメント
徹底した予習が必要。また、言及される多数の作品にできるだけ目を通してほしい。

●教材・参考文献
教材はプリント。John Morreall編集のThe Philosophy of Laughter and Humor (1987)を使用する。

表現文化学研究演習3 野末紀之

●科目の主題と目標  
前期「表現文化学研究3」のテーマを継続するとともに、獲得した視点を活かしてさまざまな作品の細部を分析する。

●授業内容・授業計画
笑いにかんする現代の研究者の論文を読みながら、適宜、受講生による発表を織り交ぜる。

●評価方法
出席、発表、テスト、レポートから総合的に評価する。

●受講生へのコメント
前期と同様に、英語論文読解の予習とともに、できるだけたくさんの作品にふれることが必要。

●教材・参考文献
プリントを配布。教材名は「表現文化学研究III」を参照。

表現文化学研究4 三上雅子

●科目の主題と目標  
20世紀前半のヨーロッパ文化圏においては、すでに確立されたかに見えていた従来の演劇観を覆す新たな演劇論が次々に世に問われていった。それらは演劇というジャンルにとどまらない、社会・時代・芸術の変化を反映したものであった。この時期の演劇をめぐる言説を取り扱いながら、20世紀芸術の特質を考察する。

●授業内容・授業計画
英語圏ならびにドイツ語圏の演劇論を読みながら、20世紀演劇の特質を考察し、その特質が演劇のみならず、他の芸術ジャンルの言説とも共通する認識に支えられていたことを確認する。

●評価方法
レポートによる。

●教材・参考文献
授業中に指示する。

●教材・参考文献
授業中に指示し、必要なものはプリントして配布する。

表現文化学研究演習4 三上雅子

●科目の主題と目標  
前期の講義を受けて、本授業では参加者による事例研究に基づいた発表を中心とする。学会発表や論文執筆にあたって必要とされるスキルについても、学んでいく。

●授業内容・授業計画
20世紀演劇ならびに関連芸術ジャンルに関して、受講生に発表を行ってもらう。

●評価方法
発表 35% レポート 65%

●受講生へのコメント
発表に際しては、依拠すべき論文等について充分調べておくこと。

●教材・参考文献
授業中に指示する。

表現文化学研究5 海老根剛

●科目の主題と目標  
「グローバル化と文化」というテーマを多面的に考察するための基本的な視点と知識を獲得することを目指す。

●授業内容・授業計画
まずはグローバル化一般についての基礎文献の購読からはじめ、徐々に文化との関連に焦点を絞っていく予定。グローバル化は政治、経済、社会、環境、文化などに同時に関わる多面的なプロセスであるので、文献も幅広い領域から選択される。授業は前半は購読とディスカッション中心に進行するが、後半には各自が設定するテーマによる発表を交えていきたい。

●評価方法
発表およびレポート。

●受講生へのコメント
グローバル化は多元的なプロセスであり、その考察も学際的な視点(多元的アプローチ)を要求する。それゆえまた、グローバル化を考えることは、自分の専門分野以外の理論、視点、方法論をみずからの研究分野に役立つ形で吸収するレッスンに適している。この主題に関心を持つ他専修の学生の受講を歓迎する。文献は日本語と英語のものを使用する。

●教材・参考文献
文献は授業で指示する。
なおこの授業の準備として、次の入門書を一読しておくことを推奨する。
マンフレッド・B・スティーガー(櫻井他訳) 『グローバリゼーション』、岩波書店、2005年

表現文化学研究6 高島葉子

●科目の主題と目標  
文化研究の方法論のひとつとしての文化人類学における海外の最新動向を概括的に紹介した文献を読み、最新の文化人類学の理論と方法を学ぶことを目標とする。

●授業内容・授業計画
文献の各章について担当者を決めて報告してもらい、内容に関して全員で討論する。
第1回 Anthropological Perspectives
第2回 The Anthropological Method
第3回 Language and Culture
第4回 Learning Language and Culture
第5回 Symbolic Meanings
第6回 Ties that Connect: Marriage, Family, and Kinship
第7回 Gender and Age
第8回 Production, Distribution, and Consumption
第9回 Politics, Government, Law, and Conflict
第10回 Religion and the Supernatural
第11回 Myths, Legends, and Folktales
第12回 The Artistic Dimension
第13回 The Colonial and Postcolonial Worlds
第14回 Migration, Diasporas, and Cultural Identity Resserted
第15回 Ethnicity, Ethnic Conflict, Race, and Nationalism

●評価方法
平常点、レポート。

●受講生へのコメント
討論での積極的な発言を求める。

●教材・参考文献
Abraham Rosman and Paula G.Rubel, The Tapestry of Culture: An Introduction to Cultural Anthropology

表現文化学特殊研究 ジャクリーヌ・ベルント*

●科目の主題と目標  
マンガという表現メディアをその多様性において考察する。近年出版されているマンガ表現論に重点を置き、それを比較文化論的に補ってみる。さらに、作品としてのマンガと同時に「マンガ」言説を重視する。

●授業内容・授業計画
1日目:諸マンガ表現論にみる「マンガ」(字と図、「記号性」、表象と物質など)
2日目:マンガの歴史(起源、日本マンガ史の語り方、マンガ特有の歴史描写)
3日目:マンガ表現と空間:京都国際マンガ・ミュージアム見学調査
4日目:マンガと芸術(現代美術の「マンガ」、時代遅れの「マンガか芸術か」論など)

●評価方法
予習必須。最初の講義のときに、「事前発表レポート」(2000字程度)を提出しておき、それに基づいて授業中の個人発表を行う。このレポートのテーマとしては、参考文献をふまえた上での作家論・作品論が望ましい。

●受講生へのコメント
授業出席・積極的参加30%、事前レポート35%、それに基づくプレゼンテーション35%

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