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表現文化学専修(大学院) 授業案内

2005年度 表現文化専修提供科目 (*は非常勤講師)

表現文化学研究1 荒木映子

文学、絵画、新聞、挿絵等々、書き手と読み手をつなぐメディアの諸問題を考察する。
教科書:岩波講座 「文学2 メディアの力学」(岩波書店)

表現文化学研究演習1 荒木映子

受講生と相談して英語のテクストを選んで読む。

表現文化学研究2 大澤慶子

ハイネの『イギリス断章』の抜粋を読む。昨年度は前半について講じ、今年度は後半に重心を置くが、前年度に出席している必要はまったくない。この作品は若いハイネがロンドンに遊んだときの印象を語ったもので、19世紀前半、資本主義興隆期の英国と政治革命をなしとげた後のフランスと近代化に遅れをとっているドイツとの文化的社会的な比較がテーマになっている。ポイントとなる箇所を抜粋して精読し、近代ヨーロッパ文化の基盤を理解することを目標とする。ドイツ語の基礎学力が必要である。教材その他については、授業中にプリントを配布または指示する。

表現文化学研究演習2 大澤慶子

昔話の研究にはさまざまなアプローチが可能であるが、ここではいわゆるグリム童話の中から人口に膾炙し、我が国でもよく知られた話をとりあげて、その研究の実例について考察する。ドイツ語の原話を読み、日独の研究テクストを比較考察する。どの原話をとりあげるかについては、受講者の希望も容れる用意があるが、さしあたって『ヘンゼルとグレーテル』を読み、哲学者のエルンスト・ブロッホの解釈を手がかりに考察を始めたい。ドイツ語の基礎学力が必要である。また、日本で出ている研究や書籍を積極的に授業で紹介してもらう。教材その他については、授業中にプリントを配布または指示する。

表現文化学研究3 野末紀之

19世紀から20世紀初頭に書かれた独身者(男)を主人公にした英米のフィクションをとりあげて、彼らの不安や欲望がどのように表現されているかを考察する。とりあげる作家は、キップリング、ヘンリー・ジェイムズ、J.M.バリー、モームなど。綿密な予習が必須。
テキスト:プリント配布。

表現文化学研究演習3 野末紀之

表現文化学研究3を参照。後期は、作品分析に加え、「男性性」にかんする最近の研究を参照することで作品の解読に理論的歴史的な裏づけを行う。また、学んだ知見をもとに各自選択した作品について論じてもらう(レポートとして提出)。
テキスト:プリント配布。

表現文化学研究4 三上雅子

歌舞伎は日本が世界に誇る演劇文化として、広く認知されている。しかし明治以降の近代化の過程において、この重すぎる伝統といかに対決して新しい自己の演劇を確立するかは、多くの演劇人共通の課題であった。そのような動きのなかで、ややもすれば歌舞伎に対して否定的態度を持する演劇人も多かったが、現代、特に小劇場においては歌舞伎を積極的に取り入れその伝統の果実を摂取する形で新しい演劇を模索する動きが目立つ。三島由紀夫に代表される「演劇性の復権」などの歌舞伎をめぐる言説を概観し、日本の現代演劇が抱える問題意識を考察する。

表現文化学研究演習4 三上雅子

演出家という職業は、近代とともに発生した、演劇史においては比較的新しい職分である。
20世紀は「演出家の時代」と評されている。既存の戯曲を演出家がどのように解釈して上演するかに観客の興味が集中するのは、極めて現代的現象と言えよう。またブレヒトのように作家が演出家を兼ねる例も多い。古典作品の解体・批判的引用など、今日の世界演劇に普遍的に見られる事例を辿り、演出家が残した演劇論のテクストを読む作業を通じて、現代演劇の特性を考察する。
テキスト:ピーター・ブルック『何もない空間』、他授業中に適宜指示。

表現文化学研究5 浅岡宣彦

プーシキンの『ベールキン物語』を精読する。『ベールキン物語』は5編の短編(『その一発』、『吹雪』、『葬儀屋』、『駅長』、『偽百姓娘』)と序文からなる散文の作品集で、ロシア文学の流れを韻文から散文へと決定づけた作品のひとつ。詩から散文への移行、古い画布(素材)と新しい模様(独創性)の関係、西欧とロシアのテーマを軸に作品の文化的背景を読み解いていく。
テキスト:神西清訳『ベールキン物語』岩波文庫
参考書:Paul Debreczney. Alexander Pushkin: Stanford University Press, 1983.

表現文化学研究演習5 浅岡宣彦

オペラのドラマトゥルギイを取り上げる。前半はムソルグスキイの『ボリス・ゴドゥノフ』を素材に、原作(悲劇)とオペラの比較を通して、オペラの作劇法の特徴を検討する。後半は各自オペラを選択して貰い、原作とオペラの相違などを報告してもらう。
テキスト:適宜、プリントで配布する。
参考書:クレショーワ著 『オペラのドラマトゥルギイの諸問題』、1979年、ミンスク、ほか。

表現文化学研究6 高島葉子

古代ケルト人は、小アジアからブリテン島までその勢力を広げ、ヨーロッパ諸民族の文化に大きな影響を与え、ヨーロッパ史において重要な役割を果たした。しかし、その真の姿は把握しがたい。したがって、古代ケルト人の社会、生活、信仰に関する研究は、間接資料、すなわち古代ギリシャ・ローマの同時代の著述家による年代記と、アイルランドとウェールズの後代の地元言語による記録、そして考古学資料の検討を通じて行われている。
本講義では、古代ケルト人の神話と信仰がどのようなものであったかを、上記の資料を駆使して解明しようとするMiranda Greenの著作を読みながら考察する。特に、神話や信仰における動物の役割を考察した論考を読む。
テキスト:Miranda Green, Animals in Celtic Life and Myth, 1992
参考書:授業時に指示。

表現文化学特殊研究 ヨコタ村上孝之*

「現代日本マンガ・アニメ研究」
現代日本のコミックスは、その膨大な出版部数や、国内外に対する文化的影響力という点において、きわめて重要なメディアとなっている。本講義ではこれを隣接メディアである文学、アニメ、テレビ・ドラマや映画などとも比較しつつ、「ポスト・モダン」と呼ばれるメディアとして位置づけ、その視覚的テキストとしての特徴を分析し、かつ現代社会における意義を考察する。オタク的なものと現代文化のかかわり、それとコミック、アニメとのつながりについてもに考察することになろう。マンガについての講義だが、講義自体がマンガ(漫談?)ではないので、勘違いしないように。コミックスと文化理論の両方に強い関心と学習意欲のある学生の参加を望む。
テキスト:『マンガのポスト・モダン』(仮題。2005年、筑摩書房、出版予定。追って詳しい指示を出す)
参考書:授業中に指定する。

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