高齢者層が激増する寄せ場(日雇い労働市場)のまち釜ヶ崎で、カフェや釜ヶ崎芸術大学などを通してさまざまな人々との出会いをつむぎ、表現と学び合いの場をつくっているココルームの手法を学ぶ。ホームレスの人々を対象にしたワークショップによって社会への参加度を高める機会をつくりだすイギリスのストリートワイズ・オペラのメンバーを招聘し、レクチャー、映像、ダンス、音楽などが混在する舞台作品の創作と公演を企画・運営する。
〜釜ヶ崎オペラを振り返るとともに、イギリスのホームレスの人たちとオペラに取り組む「ストリートワイズ・オペラ」のマット・ピーコックさんをむかえて〜
2014年度の本事業の講座と「釜ヶ崎オ!ペラ」でもお招きした、ホームレスの人々とオペラを通じて活動する英国のアート団体・ストリートワイズオペラ代表マット・ピーコック氏を再びお招きし「釜ヶ崎オペラ3」の一環として公開講座を実施します。
今回は、昨年10月開催した「釜ヶ崎オペラ3」を振り返るとともに、ストリートワイズオペラのイギリスでの活動もご紹介いただきながら、受講生と共にこれまでの活動を分析・振り返り、今後の活動へとつなげていくことを目的としています。
受講生に限らずどなたでも参加いただけますので、是非お誘い合わせのうえ、ご参加ください。
/ / / / / 開催概要 / / / / /
/ / / / / タイムスケジュール / / / / /
1部 14:00〜16:00
プロジェクト実践のひとつとして、NPO法人ココルームと連携し取り組む「釜ヶ崎オ!ペラ3」。イギリスから招聘したストリートワイズ・オペラのロバード・ギルドン、野村誠らを迎えての開催となる今回は、ココルームの新たな拠点を会場に2日に渡るプログラムが準備されています。
どなたでもご覧いただけますので、みなさまお誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください!
>>フライヤーのダウンロードはこちら
/ / / / / 開催概要 / / / / /
日 程|2016年10月7日(金)、8日(土)/ / / / / タイムスケジュール / / / / /
▼10月7日(金)…釜芸体験の日!野村 誠(のむらまこと)
どんな人とも一緒に音楽を作る作曲家。ピアノの可能性を探るピアニスト。動物や風景と合奏する鍵盤ハーモニカ奏者。しょうぎ作曲開発者。NHK教育テレビ「あいのて」監修&出演。作曲プロジェクト「原発やめます」進行中。淡路島で瓦を楽器に演奏したり、千住で1010人の演奏者と大アンサンブルを試みたりしている。
マット・ピーコック MBE
ストリートワイズ・オペラ アーティスティック・ディレクター。
ホームレス支援の仕事や、オペラの批評家としての活動を経て、2002年にストリートワイズ・オペラを設立。2004年から2005年まで、クロア・リーダーシップ・プログラムに参加。現在、アートと社会をつなぐ非営利団体「ピープル・ユナイテッド」の理事を務めるほか、ロイヤル・オペラ・ハウスの教育部門のコミッティにも参加。ゴードン・ブラウン元英首相の著書「ブリテンズ エブリデイ ヒーローズ」の中で、英国で活躍する社会活動家30名の中の一人として紹介されたほか、2011年には大英勲章MBEを授与。2013年にはイブニング・スタンダード紙が掲げる「最も影響力のある1000人のロンドナー」の一人として選ばれた。
ロバート・ギルドン
マンハッタン・スクール・オブ・ミュージックおよび英国オールドバラのブリテン・ピアーズ・スクールなどでクラシック歌手としての教育を受ける。8年前よりフリーランスとしてストリートワイズ・オペラの公演に参加するほか定例のワークショップにリーダーとして参加。そのほかオールドバラ・エデュケーションにおいて14歳から18歳の若者たちを対象にしたクリエイティブワークショップなどに従事するほか、ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラでも楽団員と元ホームレスの人々とともに作品を作るプロジェクトに参加。現在は、クラシカル・オペラ・カンパニーとともに、モーツアルトをテーマにしたプロジェクトに携わっているほか、ルーク・スタイルズなど英国の現代作曲家とのコラボレーションも行っている。
http://www.robertgildon.com/RobertGildon/Biography.html
上田假奈代(うえだかなよ)
1969年生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。92年から障がいをもつ人や子どもなど、さまざまな人を対象にの詩のワークショップを行う。01年「詩業家宣言」し全国で活動をつづける。03年ココルームをたちあげ、「表現と自立と仕事と社会」をテーマに社会的な問題にも取り組む。大阪・釜ヶ崎でココルームカフェを営む。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表。大阪市立大学都市研究プラザ研究員。2014年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞。著書:「釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム」(フィルムアート社 2016年)
オペラや音楽を体験することにより、ホームレスの人々が前向きに社会と関わりを持てるようになれる機会を提供している英国のアート団体。ホームレス支援者やプロの音楽家との協働し、英国各地でホームレスの人々を対象とした音楽ワークショップを定期的に実施するほか、ホームレスの人々とプロの音楽家のコラボレーションにより大規模な作品の制作を行っている。さらに、イングリッシュ・ナショナル・オペラやスティッシュ・オペラほか芸術団体を対象にしたトレーニングも展開し、社会的弱者である人々を対象にした参加型の音楽ワークショップを運営できるリーダーの育成も行っている。一般の人々のホームレスに対するイメージをポジティブに変えていくことにも大いに貢献しており、2002年の設立以降、その取組みはメディアでも数多く取り上げられ、英国内外で高い評価を受けている。2012年にはロンドン五輪に合わせて開催された大規模な文化プログラム「ロンドン2012フェスティバル」の一環として、ロイヤル・オペラ・ハウスで総勢200名の英国内外のホームレスの人々が参加する作品を上演し大きな話題を呼んだ。2012年の経験をもとに、ブラジルや日本など今後のオリンピックホスト国をはじめ世界各国でアートとホームレスをつないだ活動を行っている団体を繋ぎ、国際的なムーブメントを作っていくことを目指し、現在は国際連携プログラムにも力を入れている。
http://www.streetwiseopera.org
2003年大阪市新世界アーツパーク事業へ参画し設立。地域や社会の問題にアートがどのように関われるか、「表現」を通じて社会と接続する地平をさぐる。2008年、拠点を西成区釜ヶ崎の商店街に移し「インフォショップ・カフェココルーム」をオープン。2009年6月には向かいに「カマン!メディアセンター」を開く。さまざまな分野と連携し、地域の中でであいとであいなおしの場をひらく。2011年から二年間支援付き集合住宅の管理業務に取り組むなど、分野を選ばず地域の喫緊の課題に向き合う中に、あらゆる人がいきいきと存在するための「表現」が大切な役割を果たすと確信している。 2012年から「釜ヶ崎芸術大学」を開校。ヨコハマトリエンナーレ2014に参加。2016年4月「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」の運営開始。http://www.cocoroom.org