「周縁的社会集団と近代」派遣研究者成果報告会(in Yale University)

  • 日時 2019年1月11日(金)13:00〜14:30
  • スターリング記念図書館 207号室
    120 High Street, New Haven, CT 06511 (MAP)
  • 内容
    島﨑未央(イェール大学東アジア研究所研究員/大阪市立大学都市文化研究センター研究員/「育成事業」派遣若手研究者)
    「19世紀における若者問題と地域社会 ―弘化3年丙午の年の事例から―」

※この報告は、主に日本語で行われます。

報告内容

19世紀において、村と家を基盤とする社会秩序が大きく動揺していたことはつとに指摘されている。地域の支配層は繰り返し村掟を作成し、家や五人組を単位として攪乱要素の統制をはかった。その中でも、若者や奉公人の素行は重要な問題であった。博奕・諸勝負のほか、祭礼時の騒動や、集会や酒宴を催す懸念があると見做され、警戒されたのが、地域の若者たちや他所からやってきた奉公人であった。

本報告では、池田下村(現大阪府和泉市池田下町)の村役人や絞油屋の家に残った史料を使い、主に若い男女間の内縁関係を契機とした妊娠と、流産を装った堕胎の問題を取り上げる。丙午という年に実施された流産への取締りに地域社会がいかに対応したのかについて事例紹介を行い、今後の研究を進めていく上での足がかりとしたい。

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