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平成25年春の文学部市大授業を4月29日(日)に開催しました

 2013年春 市大授業プログラム

第1時限 午後1時~午後2時10分

美濃 正 教授 「哲学とはどんなものか?―世界と人間を冷徹に見直す―」

 この授業では、大学で学ぶ哲学とはどんなものなのか、その基本性格について簡潔に考minoえてみることにしたい。哲学は、古い神話的思考にとらわれていた古代人が合理的精神にめざめたときに誕生した。したがって、世界と人間についていわば醒めた目で合理的に冷徹に捉えなおしていこうとするのが、哲学の基本的なスタンスだった。同時に誕生当時の哲学は、その原語である「philosophia」が「知への愛」という意味であることから分かるように、特定の分野やテーマに限定されない、いわば「学問一般」と言うべきものだった。このようにまず哲学の起源を明らかにし、続いてその後の哲学の歴史をごく簡単にたどる。そのことを通じて、現在の哲学のあり方を示すことにしたい。

野崎 充彦 教授 「朝鮮神話の世界―現代コリア文化との関わりから―」

 始祖神話とは民族の始まりを物語る神話のことで、これがあれば、その民族は同じ祖先から生まれた「単nozaki一民族」であることを意味します。朝鮮では、三国時代の高句麗やその兄弟国の百済では朱蒙(チュモン)を、新羅では赫居世(ヒョッコセ)を祀っていました。続く統一新羅ではもちろん赫居世でしたが、次の高麗は古代の強国だった高句麗を標榜していたので(名前が似ていますね)、朱蒙を祀ったのです。ところが、高麗を倒した朝鮮王朝では檀君(タングン)や箕子(キジャ)を重視しました。このような始祖神の変遷には朝鮮が置かれた政治・社会的な状況が大きく影響しており、それは今日の韓国や北朝鮮にまで大きく関わっており、その理解にも役立つものなのです。

山 祐嗣 教授 「「日本人が論理的ではない」とすれば、それはどういうことだろうか?」

「日本人は論理的ではない」とか「日本語は論理的ではない」という主張は、マスメディアなどでたびたび行われる。
この授業では、人間の推論をテーマとして、比較文化的な研究を紹介しながyamaらこの問題を検討する。推論とは、前提から何らかの結論を導く心の働きである。すでに行われた研究によれば、実際、日本人だけではなく多くの西洋人も「論理的ではない」思考を行っていることが示されている。一方、最近の研究では、中国人がアメリカ人に比べて、矛盾に気がつかない、さらには矛盾を好むような推論を行っていることも示されている。私は、この現象を、日本人も含む東洋人のコミュニケーションスタイルの特徴の反映としてとらえて、その文化的背景とともに議論したい。

第2時限 午後2時20分~午後4時

文学部学生とのフリートーク!!

 大阪市立大学が大好きで、文学部での学生生活を思いっきり楽しんfree2013springでいる学生さんがたくさんいます。勉強、卒論、就職などについて、毎年入学直後に開催される新入生歓迎キャンプをはじめ、先輩が後輩を応援する企画がいっぱいあります。フリートークでは、そんな先輩たちが学生生活の楽しさを語ってくれたり、受験勉強やクラブ活動などについて、みなさんの相談に乗ったり、最新情報を参加者のみなさんに伝えてくれました。