2003-04年度人文地理学会
地理思想研究部会

最終更新日 2005年11月6日

新着情報



◆2005年8月25日に過去2年間の活動成果報告を提出しました◆

2004-05年度活動成果報告書




◆第7回(通算83回)研究会は11月12日開催(人文地理学会大会部会アワー)です◆

認識論と地理学のポリティクス―英語圏政治地理学をめぐる4つの「事件」
山崎孝史(大阪市立大、部会代表世話人)

司会・コメント 山口覚(関西学院大)

発表用ペーパー(pdf) ポスター(pdf)
お断り:公募による発表者の選考は応募がなかったため取りやめました


ごあいさつ

 2004-05年度人文地理学会地理思想研究部会ホームページへようこそ。

 本部会は「地理思想」、すなわち地理的なものの見方や考え方について、人文地理学の理論や方法論の展開、あるいは一般社会における地理的知識の普及といった観点から、研究することを目的としています。本部会はこれまで70回を超える研究会を開催しており、人文地理学会でも歴史地理研究部会に次ぐ伝統を持つ部会であるばかりでなく、研究会の活動が日本の人文地理学における地理思想研究を先導し、学界において重要な役割も果たしてきました。
 2004-05年度の研究部会は、去る2003年10月に人文地理学会において2年間の活動継続が承認され、11月より活動を再開しました。伝統ある研究部会といえども、漫然と活動が継続されることによってどうしてもマンネリズムに陥ってしまうことがあります。来る2年間においては、これまでの部会活動にはなかった新しい研究会運営を図り、活動の活性化を目指したいと考えています。本部会の活動に協力していただける方、あるいは研究会で発表してみたいとお考えの方はご遠慮なく代表世話人までご連絡ください。

メンバーの紹介

 本部会は現在、6名の世話人と2名のオブザーバーによって運営されています。「世話人」とは人文地理学会が規定する研究部会の公式メンバーであり、研究会の開催など直接部会の運営に携わります。「オブザーバー」は直接には部会の運営に従事しませんが、部会の運営内容に対して助言を与える役割を担います。但しオブザーバーの設定は、人文地理学会が規定する制度ではなく、部会の活動評価を適正に行うために部会内で一時的に試行されるものです。オブザーバーは随時募集しています。

 世話人
 荒山正彦(関西学院大)
 大城直樹(神戸大)
 加藤政洋(流通科学大)
 鳴海邦匡(大阪大)
 山口覚(関西学院大)
 山崎孝史(大阪市大、代表世話人)

 オブザーバー
 福田珠己(大阪府大)
 吉田容子(奈良女子大)

今後2年間の活動計画

1. 重点領域
 本部会では、前活動期間の成果を更に展開していく意味で、(1) 地理思想および思想史(知識社会学や現代思想という観点からの地理学の再定置)、(2) 地理学方法論の有効性(GIS研究、質的アプローチなどをめぐる議論)、(3) 地理学の理論的フロンティア(ポストモダン地理学、批判的アプローチの課題と可能性)、(4) 地図史と環境史の展開(既存の地図学・歴史地理学的研究の再検討)といった4つの重点領域を設けます。

2. 集会内容
 本部会では、集会テーマの多様性に配慮する一方で、ある程度特化した話題の提供も試みたい。また、そうした話題を深く掘り下げる機会を設ける意味で、3名程度の発表者からなる集中集会を年一回開催します。その具体的な形態は今後検討していきますが、土曜の午後から夕刻にかけて、従来の時間帯(午後2時から5時)を前後に拡張する形で行う予定です。その集中集会では、設定されたテーマに沿った発表者を公募するなど、学会員の関心を集める工夫を試みます。尚、現在前半の1年間に「戦後地理学者の思想性」、「現代社会思想と空間論」、「地理教育の方向性」などのテーマを念頭に、後半の1年間においては、歴史、地図、景観等をキーワードに、重点領域に即応した集会を開催する予定です。

3. 活動成果の公表
 従来、部会での発表内容は『人文地理』誌上に掲載されており、掲載の様式は発表要旨が1000〜1200字、討議内容が600字程度です。しかし、現実的にはそうした限られた字数では、活動の成果を充分に公表することは困難でした。出席者数の減少という最近の傾向を鑑みても、活動内容がより有効に公表される方策が考慮されるべきです。そこで本部会では、各集会後には発表要旨のみを掲載し、発表の意義や討議内容については、人文地理学会編集委員会との折衝を経て、何らかの形で2年間の活動内容を総括する記事を『人文地理』誌上に掲載するよう努力します。

4. オブザーバーの活用
 本部会では、世話人による意志決定を尊重し、かつ適正な外部評価を得るという意味で、3名程度の部会オブザーバーを選定します。オブザーバーは2年間の部会活動における討議や集会に可能な限り参加し、部会活動を評価する役割を担います。オブザーバーは本部会が終了する時点において、世話人と共に活動を評価し、部会の運営や活動についての問題点の整理および継続性の検討、改善案の提示などを行います。

5. 集会開催回数
 以上が、本部会の活動予定ですが、最後に重要な変更点として、集会開催回数の適正化があります。ここまで述べましたように、本部会は従来の部会活動にいくつか新しい活動内容を付加しています。しかし、大学に改革の嵐が吹き荒れる中、現状のままで部会の活性化を試みていくにはかなり困難な状況に各世話人は置かれています。また、学会には例会に加えて4つの研究部会が存在し、複数の世話人が学会の委員を兼務している現状では、開催日時の選定が容易ではなくなっています。また、部会の「例会化」とも言える状態や集会テーマの類似化も看取され、学会員の関心を高めるには障害も大きいのです。加えて、世話人個々の心情として、集中集会、発表者公募、成果公表、あるいはオブザーバーの導入といった活動強化策(ビルド)を試みる上では、従来の活動の一部を削減(スクラップ)したいという要望も強いのです。したがって、以上の諸点を鑑み年間の集会回数を3回としたいと考えています。