第5回研究会(通算81回)

日時:

2005年6月25日(土)14時〜17時00分

会場:

大阪市立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階、Tel 06-6344-5425) JR大阪駅から徒歩3分
(第2ビルの地図は http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/J/J_way_of_access.html をご参照ください)

研究発表:

金子 淳(パルテノン多摩) 植民地博物館における「他者」の表象

参考文献 金子 淳『博物館の政治学』(青弓社、2001年)

要旨

1940年代の日本。「皇国民の錬成」を究極目標とする天皇制イデオロギーに媒介された〈精神性〉と、総力戦の遂行に必要な軍事力に直結する〈科学性〉という異質な二要素を体現する装置として、国史館と大東亜博物館という幻の博物館計画があった。ナショナリズムの殿堂として日本で最初の国立の歴史博物館となるはずだった国史館、そして、大東亜共栄圏を旗印にした植民地支配のプロパガンダ施設として「優秀な日本文化」を展示するための大東亜博物館。国家がその威信をかけて計画したこの二つの博物館構想を軸にして、天皇即位などの皇室儀礼や1940年の「紀元二千六百年」を契機にした博物館設立運動なども視野に入れながら、植民地主義とナショナリズムとを展示する権力のモニュメントとしての博物館を丹念に検証する。
(『博物館の政治学』より)

コメンテーター:

島津俊之(和歌山大)

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