第1回研究会(通算77回)

テーマ:

環境・運動・地理学―人間環境関係への新たなアプローチ

日時:
2004年2月22日(日)14時〜18時 今回は日曜日開催です。

会場:
K.G.ハブスクエア大阪(関西学院大学エクステンションセンター)A会議室
〒530-0013 大阪市北区茶屋町 19-19 アプローズタワー14階 TEL 06-6485-5611

研究発表および要旨:

環境運動の地域差―国内事例研究ならびに日韓の環境運動比較から
淺野敏久(広島大)


同じ時期に同じような開発事業が計画されても,それへの対応は地域によってさまざまである。ある現象を問題たらしめる要因や運動の発生要因には一般化できないローカルな事情が必ずある。個別具体の地域環境問題は,このローカルな状況に光をあてない限り,理解できないし解くこともできないのではないか。

環境正義運動―米国の事例
石山徳子(日本女子大・非、ラトガース大・Ph.D.)


本発表は1980年代から、米国で盛んな環境正義運動に注目する。初期の研究の多くは、迷惑施設がマイノリティコミュニティに集中している、不公平な分布状態を告発した。不公正な地理空間構築の背後にある政治経済構造や植民地主義の歴史などの問題に踏み込んだ議論も盛んになりつつある、現在の研究動向に至るまでの研究史を紹介したい。

抵抗の場としての「自然」―「社会的自然」研究の視点から
中島弘二(金沢大)


英語圏を中心とした近年の「社会的自然」研究の展開をふまえて、草の根平和運動における「自然の政治学」について検討したい。近年の「社会的自然」研究において指摘されているように、自然の意味と力は決して所与の本質などではなく、様々な行為者のせめぎ合いや対立、交渉を通じて社会的に構築されるものである。本発表ではこうした自然の社会的構築過程とその潜在的可能性について、近年の沖縄や日出生台で展開されている草の根平和運動を事例として検討したい。


研究会当日の発表および討議内容