第23回人間行動分析研究会講演要旨

ニューロフィードバックが高齢者の認知機能に及ぼす効果の検討

山口哲生(東邦大学)




 ニューロフィードバックとは、脳波の変化を知覚可能な視覚刺激や聴覚刺激として実験参加者へフィードバックすることで、参加者自身が脳波を制御する手続きである。リアルタイムで測定される脳波がプログラムされた閾値を超えると音や画像等の強化刺激が参加者へ提示され、その結果として特定の脳波(周波数帯)の振幅が増加または減少する。本研究は、頭頂正中部におけるアルファ波(8Hz-13Hz)の振幅を強化、シータ波(4Hz-8Hz)とベータ波(15−32Hz)の振幅を抑制するニューロフィードバックが高齢者の認知機能に及ぼす効果を検討する。ニューロフィードバックの効果を検討するために、MMSE(簡易型認知機能検査)やRST(Reading Span Test)を介入の前後で実施する。本研究は、高齢者における認知機能向上や認知症の予防に貢献することが期待できる。