第17回人間行動分析研究会講演要旨

アーチェリーにおける行動的コーチングとパフォーマンス/スキル/
心理的競技能力間の関連


橘 祐子(関西学院大学)




 研究1ではアーチェリーにおける行動的コーチングの効果を検討し、研究2ではパフォーマンス (スコア) に対するスキルと心理的競技能力との関連について検討することを目的とした。研究1では大学アーチェリー部員2名を対象とし、参加者間マルチベースラインデザインを用いて、課題分析したフォームの各スキルについて教示とフィードバックを与える介入を行った。その結果、2名ともフォームは改善されたが、スコアは向上しなかった。パフォーマンスを効率よく上げる要因を探るため、研究2では研究1と異なる参加者12名のフォームのスキル得点とスコアを記録し、心理的競技能力の自己評定も実施した。その結果、パフォーマンスとスキルとの間に強い相関が見られ、心理的競技能力とパフォーマンスおよびスキルとの相関は有意ではなかった。以上より、パフォーマンスの向上にはスキルが関連しており、行動科学の視点に基づくアセスメントの重要性が示された。