第17回人間行動分析研究会講演要旨

家庭犬のしつけに関する行動原理の知識テスト(KBPAD)

中島定彦(関西学院大学)




 昨年末に『ヒトと動物の関係学会誌』(通巻第30号, 59-69頁)に発表した拙論「家庭犬のしつけに関する学習心理学的行動原理の知識テスト(KBPAD)の作成」(中島定彦・ 垣見美樹, 2011)を紹介し、行動変容原理の理解テストを開発する意義について論じる。なお、拙論研究では、子どもの行動変容の原理に関する親の知識を査定する目的で開 発された多肢選択式質問紙KBPAC (O'Dell, Tarler-Benlolo, & Flynn, 1979)を手本として、家庭犬の行動変容原理の知識を問う同様の質問紙KBPADを作成した。一般飼い主 、心理学を専門的に学んでいない大学生、心理学を専門的に学んでいる大学生、心理学を専攻している大学院生、犬の訓練士、動物看護師の回答データから、KBPADは、飼い 主の行動原理に関する知識を測定するための方法として十分な妥当性と信頼性を確認できたが、問題点も浮かび上がってきた。今後の研究計画についても紹介する予定である 。