第20回人間行動分析研究会講演要旨

ヒトと動物の行動と環境設定:暗室からオペラント実験箱の40年

藤 健一(立命館大学)




 ヒトであれ動物であれ、行動研究において装置の果たす役割は、その研究の条件設定に大きく依存している。それを可能とするのは、設計図を具体物に仕上げていく技術であったり、材料であったりする。しかし、全くの新発明という発明はほとんどなくて、その大半は従来知られている、安定して利用されている既存の技術の新しい組み合わせであることが多い。その装置を介した被験体(ヒトや動物)の反応や行動から、研究者が設定した実験環境の適切さが検討できるであろうし、また、実験者(研究者)は、その装置を介して己の設定した実験環境がその実験にとって適切であったかどうかを、教えてくれる。