Television Culture Archives

 
 

私たちをとりまくテレビメディア環境は、20世紀後半から現在に至るまで、社会や日常生活に圧倒的な影響を及ぼしてきました。テレビ番組・テレビCM・映画・ラジオ番組などは、それぞれの時代に人びとが経験した出来事の記録であり、社会の集合的記憶を形成し想起させる文化的・社会的資源と捉えられます。映画100年、ラジオ80年、テレビ50年のそれぞれの歴史を研究するための基礎資料アーカイブを作り上げることは、文化的・社会的資源の形成という重要な性格を持っており、21世紀のデジタル化時代に入り、世界各国で競い合うように推進されています。


本研究は、放送文化に関する各種アーカイブズを基礎資料と捉え、テレビ番組/テレビCM分析を統合する研究視点を確立することを目的とします。特に保存と収集の遅れている放送初期から1970〜90年代までを中心に、現在に至るまでの各地のテレビ番組アーカイブ、テレビCMアーカイブをネットワーク化し、さまざまな個別主題において分析し考察を進めていきます。従来のテレビ研究/テレビCM研究は、資料上の制約から、ともすれば制作者研究に偏りがちでしたが、近年のアーカイブズの充実により、それらを放送当時の文脈においてオーディエンスの視点から統合的に考えていくことが可能となりました。本研究において推進されるテレビ文化アーカイブズ研究は、テレビ文化研究を大きく発展させることを目指しています。

テレビ文化アーカイブズ研究会

科学研究費補助金

基盤研究(B)

2012〜2015年度