文学部を知りたい人のための市大授業
―ひらけゆく世界 みえてくる人間―


□ 平成23年秋の文学部市大授業は、10月10日(月・祝)に開催されました。

2011年秋 市大授業プログラム

第1時限 午後1時〜午後2時10分

佐賀 朝 准教授  「浮世絵にみる江戸の民衆世界と文化−歌川国芳を中心に−」

 2011年、大阪市立美術館で「歌川国芳展」が開かれました。前期・後期あわせて約420点が展示されましたが、国芳作品は「実験に次ぐ実験」ともいうべき技法の挑戦に満ち、奇想とユーモアのセンスは抜群で、現在も新しい。作品を見れば「ああ、これか」と思う人も多いことでしょう。この講義は、高校日本史では「文化史」の1コマとして扱われ、一見、政治社会の動向とは無関係にさえ見える浮世絵(錦絵)をめぐって形成された社会と文化の構造を論じるものです。この奇想と反骨の絵師を産み落とした巨大都市・江戸の民衆世界に分け入り、国芳作品ひいては錦絵が持つ政治的な性格を解き明かし、都市社会史の視角から江戸民衆の文化創造力の豊かな貯水池に触れてみたいと考えています。

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川辺 光一 准教授  「ネズミの行動からヒトの心を探る−動物心理学入門−」

 心理学は、「心」の仕組みを実証的な手法で明らかにすることを目的とした学問です。心理学でいう「心」とは、行動に至るまでの脳内で扱われるさまざまな情報処理―感覚、知覚、学習、記憶、思考、感情など―を指します。動物心理学は動物の行動を実験的に解析することによって、人間と動物に共通する「心」の仕組みや、「心」の進化の過程を解明しようとしています。この講義では、動物心理学の中でも心と脳の関係を取り扱う「生理心理学」における動物実験を中心に取り上げ、動物心理学がどのような学問なのかを解説していきたいと思います。

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田中 孝信 教授  「『嵐が丘』の故郷を訪ねて」

 皆さん、ブロンテ姉妹という女性作家たちを知っていますか。19世紀前半の北イングランドの片田舎ハワースの牧師館で育った彼女たちは、そこから外の世界にほとんど出ることもなかったにもかかわらず、『ジェイン・エア』や『嵐が丘』といった独自の生命力を持った、世界文学史上の傑作を書き上げました。どちらも、これまでに何度も映画にもなっています。今回の授業では、ブロンテ・カントリーを背景に彼女たちの生涯を辿るとともに、特にヒースの荒野を舞台に繰り広げられる激しい愛憎物語『嵐が丘』を取り上げます。そして、この作品がいかに多くの普遍的で人間性豊かな要素を含んでいるかを、女性・階級・人種といった観点から探り、ブロンテ文学の魅力に迫ります。

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第2時限 午後2時20分〜午後4時

文学部学生とのフリートーク!!

大阪市立大学が大好きで、文学部での学生生活を思いっきり楽しんでいる大学生がたくさん来てくれて、大学での勉強、クラブ活動、就職などについての最新情報を参加者のみなさんに伝えてくれました。時間を忘れて先輩と楽しく語り、大学生になった未来の自分をリアルに想像してみることができたことと思います。参加者のみなさんがいずれも満足そうに帰宅の途に着かれたことが、フリートークが充実した時間であったことを物語っていたと思います。

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