about philosophy

 
哲学とは、およそ我々人間が問いうるすべてのことがらに関して、自由な理性的探究を行う学問です。知識や存在についての根本的探究、倫理、宗教、芸術についての原理的考察などがその営みの中心を構成します。哲学は今も昔も、複雑に絡み合った思考のもつれを解きほぐし、新たな世界観の提示と有益な概念の創出を試みてきました。こうした知的努力の成果を広く深く学びつつ、それと同時に、現在の状況における重要な諸問題にどのように応答すべきかを考えていくことが哲学に課せられた使命です。本コースでは、自ら問題を形成する探究心と、粘り強く考えぬく自立心、そして偏狭な見方を避けあらゆる可能性に対して開かれた知性を育むことを目指しています。

 

● 世にもすぐれた人よ、君はアテナイという、知力においても、武力においても、最も評判の高い、偉大なポリスの一員でありながら、ただ金銭を、できるだけ多く自分のものにしたいというようなことに気をつかっていて、恥ずかしくはないのか。評判や地位のことは気にしても、思慮と真実には気をつかわず、たましい(いのちそのもの)を、できるだけすぐれたよいものにするように、心を用いることもしないというのは。

          Socrates (BC469-BC399)
  

● たとえこの好奇心と野心が日常生活の範囲を超えた思弁へと私を連れ出さないにしても、私の弱さそのものが、必ずや私をそうした探求へと導くことになるであろう。
● 宗教の誤りは危険であるが、哲学の誤りは単に滑稽なだけである。

    D. Hume (1711-1776) 
 

● … 私たちはいかなる哲学も〈学ぶ〉ことはできない。そもそも哲学はどこにあるのだろうか、哲学を手にしている人がいるというのだろうか、哲学を哲学として認識するにはどうしたらよいのだろうか。学ぶことができるのは[哲学そのものではなく]哲学的に考察することだけである。

    I. Kant (1724-1804) 
 

● 哲学におけるあなたの目的は何か。ハエにハエとり壺からの出口を示してやること。
● 哲学的な問題は、言語が仕事を休んでいるときに生ずる。

    L. Wittgenstein (1889-1951)