哲学コース (第2部のみ)
1 本コースの研究内容、特色
 第2部の「哲学コース」は、第1部の「哲学・哲学史コース」と「倫理・宗教コース」をひとつにしたコースです。したがって、第1部のそれぞれのコースの説明も参考にしてください。
 哲学は広く世界と人間に関わる一切の問題について、自由な理性的探究を行う学問です。知識や存在の根本的探究、自然や歴史についての原理的考察などがその営みを構成します。このような西洋哲学の達成を広く深く学びつつ、同時に現在の状況が生みだしている重要な哲学的諸問題にどのように応答すべきか、を考えていくことが哲学に課せられた使命です。
 本コースでは、第1部と同じく、古代ギリシアより現代に至る西洋哲学の伝統を継承・発展させながら、哲学部門の基本的分野(論理学・認識論・存在論など)を学びます。それだけではなく、科学哲学・心の哲学・言語哲学・美学思想などの最先端の分野を学びつつ、今日の思想的状況に批判的に対応するための基礎を身につけます。さらに、倫理と宗教に関する古今東西の思想的伝統を踏まえながら、生と価値に関わる基本的な教養を学びます。そして、社会と人間との原理的反省を目指しつつ、社会哲学・生命倫理・環境倫理・宗教思想をめぐる今日的な問題について真摯に取り組むための基礎を身につけます。
 本コースでの履修方法ですが、まず「人間文化基礎論」で文献の読み方やレポートの書き方などの基本的なことを学び、「人間文化概論」で歴史を含む思想・文化について広く学びます。「哲学概論」と「哲学史通論」をできるだけ早く受講することが大切です。
 3回生では語学力を身につけることはもちろんですが、余裕があれば、「演習」科目をとるのがよいでしょう。「演習」では、哲学の基本的なテーマについて、比較的理解しやすいテキストを選び、哲学的な考え方やその筋道について学びます。4回生ではさらに「講読」をとり、哲学の原典の読解能力を身につけるように努めます。
 こうして、5回生の初めまでには、自分自身の問題意識を身につけておくことが大切です。5回生では、自分の関心領域に近い「演習」「講読」や「特講」などの自由選択科目を選び、「卒業論文演習」を受けながら、「卒業論文」の作成に集中できるようにしたいものです。「卒業論文」は五年間の学習の総決算ですから、5回生の夏休みにはだいたいの構成ができあがっていなければなりません。夏休み明けにはそれぞれのテーマを専門とする教員の指導を受けて、細かな点を仕あげていくように心がけましょう。
 「哲学コース」では、学生相互や学生と教員との間の交流のための行事(学年はじめの新入生歓迎会や学年末の卒業生・修了生の予餞会など)を適宜行っています。また、 大阪市立大学哲学懇話会を定期的に開催して、他大学とも研究交流を活発に行っています。
2 スタッフ
(哲学・論理学)
中才 敏郎 教 授
(なかさい・としろう)
論理学を基本とする分析哲学の認識論、心身問題や人格の同一性などの心の哲学。
(西洋哲学史)
塩出  彰 教 授
(しおで・あきら)
ソクラテス、プラトン、アリストテレスを中心とする古代ギリシア哲学、および、古代ギリシア倫理思想。
藪木 栄夫 教 授
(やぶき・ひでお)
形而上学批判、カント哲学の体系的研究、人間存在論。
(美学)
高梨 友宏 助教授
(たかなし・ともひろ)
ドイツ美学、京都学派の芸術論。
(倫理学)
美濃  正 教 授
(みの・ただし)
現代英米を中心とする行為論、心身問題などの心の哲学の研究、それに基づいた倫理学の研究。
土屋 貴志 助教授
(つちや・たかし)
現代英米倫理学、医療倫理学(現代医療に関する倫理的諸問題の研究)。
(宗教学)
仲原  孝 助教授
(なかはら・たかし)
宗教と哲学の関係。カントやハイデガーを中心とする近現代ドイツの宗教哲学の研究。
3 コース決定に当たっての心構え
 哲学の諸問題は相互に深く関連し合い、したがって教員の研究領域も諸所で交錯し、問題の捉え方もさまざまです。したがって、履修科目をあまり小さく絞り込むことは好ましくありません。各人が個人的関心を抱くことは不可欠ですが、できるだけ各種の科目を受講し、思考の裾野を広げる必要があります。自分の問題意識が大きな枠組みのなかでどのように位置づけられるかを理解することによって、問題へのアプローチが容易になるだけではなく、自分の将来の課題を見極めることも可能になるからです。
 特定の哲学者について研究するにしても、問題中心に研究するにしても、先人の業績から多くを学ばなければなりません。そのために原典を読むことが不可欠ですから、英・独・仏のうち2カ国語を学習しておくことが望まれます。また、哲学をより深く学ぶにはギリシア語・ラテン語の学習が有益です。
 哲学はこれまで多くの学問を生み、育ててきましたし、今も生み出している創造的な学問です。哲学に関係のない学問はほとんどないと言ってよいでしょう。それだけに哲学のアプローチの仕方も多種多様です。基礎をしっかりと身につけた上で自分の問題意識を深めることが何よりも肝要です。
4 大学院
 哲学歴史学専攻に哲学専門分野(専修)として、前期博士課程、後期博士課程が置かれています。
5 卒業後の進出分野
 第2部の場合、すでに職業を持っている方も多いのですが、さらに研究を続けるために大学院へ進学する人もいます。哲学を一生の仕事にすることは容易ではありませんが、本人の努力次第では、研究者として自立する道も開かれています。
6 メッセージなど
 「なぜ」という疑問を持つことが学問の、とりわけ哲学の第一歩です。疑問を直接ぶつける積極的な姿勢で授業に臨んでほしいと思います。また、各スタッフがオフィス・アワーを設けていますから、それを積極的に活用して、気軽に研究室をノックしてください。哲学は幅も奥も深い学問ですから、万巻の書を読み、千里の道を行く気概がなくてはなりません。読書が好きで、ものを考えるのが好きな人、世界と自分について多くの疑問を持っている人、こういう人々を「哲学コース」は歓迎します。

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