| 倫理・宗教コース(第1部のみ) | ||||||||||
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| 1 本コースの研究内容、特色 | ||||||||||
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本コースは、倫理学ないし宗教学を専門的に学ぶためのコースです。どちらの学問も歴史的に哲学との密接な関係のもとで成立してきました。本コースでは、このような学問伝統を尊重し、あくまでも哲学、特に西洋哲学との密接なつながりのもとで広い哲学的教養をふまえて倫理学ないし宗教学を学んでいくプログラムの提供をめざしています。 さて、倫理と宗教はいずれも、わたくしたち一人一人はどのように生きるべきであり、一人一人がよく生きるためには社会はどのような在り方をすべきなのか、という実践的な問題に答えを与えることを不可欠の要素として持っています。倫理学および宗教学も、そのような実践的テーマに関わるという点で、「哲学・哲学史コース」で研究される諸分野から区別されます。 より詳しく言うと、倫理学においては、まず倫理の基礎的諸問題を一般的な仕方で研究する理論的倫理学の部門があります。この部門の中心を成すのは、倫理的に正しい行為とはどのようなものかとか、善とはなにか、というような実践的問題そのものについての研究を行う規範的倫理学と呼ばれる分野です。つぎに、理論的倫理学の成果を、現実のより具体的な諸問題に対して適用する応用倫理学の部門があります。この部門には、生命の技術的操作がどの程度まで倫理的に許されるのか、という問題などについて考える生命(医療)倫理学、文明社会と地球環境との望ましい関係について研究する環境倫理学、といった分野があります。以上二つの部門とは別に、過去の倫理思想について研究する倫理学史、また倫理的に望ましい社会の在り方について考察する社会哲学も含まれます。 宗教学においては、一方には、生と死の意味は何か、神とは何か、人間はなぜ宗教を求めるのか、奇跡というような宗教そのものの根底を成すテーマについて理論的・普遍的に考察する研究方法があります。そして他方には、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教などの世界の主要宗教の宗教思想について研究したり、あるいは洋の東西を問わず個々の重要な宗教家や哲学者の宗教思想について研究するというアプローチの仕方があります。 本コースでは、倫理学に関しては、西洋の倫理学の各分野をできるだけ広く、バランスよくカバーできるようなスタッフの構成に努めています。宗教学に関しても、宗教に関わる諸テーマを、洋の東西そして時代の如何を問わず、できるだけ幅広くカバーするような教育プログラムを実現したいと考えています。しかし、専門スタッフの数は現在一名なので、毎年非常勤の先生を招いて補っています。 コースでの履修方法ですが、まず「人間文化基礎論」で文献の読み方やレポートの書き方などの基本的なことを学び、「人間文化概論」で歴史を含む思想・文化について広く学びます。「倫理学概論」ないし「宗教学概論」、および「哲学史通論」をできるだけ早く受講することが大切です。 「倫理学概論」と「宗教学概論」では、倫理学と宗教学の基本的な概念や問題について幅広く学びます。「哲学史通論I・II」はプラトンやアリストテレスなどの古代ギリシア哲学が中心で、これは倫理・宗教コースの学生も必ず受講することになっています。 2回生では語学力を身につけることはもちろんですが、余裕があれば演習科目をとるのがよいでしょう。「演習」では、倫理学、宗教学の基本的なテーマについて比較的理解しやすいテキストを選び、倫理学および宗教学に固有の考え方を学びます。 3回生ではさらに「講読」をとり、倫理学、宗教学の原典の読解能力を身につけるように努めます。用いられる言語は主として英語ですが、受講生の能力に応じてドイツ語、フランス語も用いられます。 こうして、4回生の初めまでには自分自身の問題意識を明確にしておくことが大切です。4回生では、自分の関心領域に近い「演習」「講読」や「特講」などの自由選択科目を選び、「卒業論文演習」を受けながら、「卒業論文」の作成に集中するようにしたいものです。「卒業論文」の指導は、「哲学・哲学史コース」のスタッフも共同して行われます。 卒業論文は四年間の学習の総決算ですから、4回生の夏休みにはだいたいの構成ができあがっていなければなりません。夏休み明けにはそれぞれのテーマを専門とする教員の指導を受けて、細かな点を仕あげていくように心がけましょう。卒論のテーマとして標準的なものは、特定の倫理学者、宗教学者について、特定のテーマ(例えばアリストテレスの正義論、ミルの功利主義、エックハルトの神概念など)を取りあげた研究です。 「倫理・宗教コース」では、「哲学・哲学史コース」と共同で、学生相互や学生と教員との間の交流のための行事(学年初めの新入生歓迎会や学年末の卒業生・修了生の予餞会など)を適宜行っています。また、 大阪市立大学哲学懇話会を定期的に開催して、他大学とも研究交流を活発に行っています。 | ||||||||||
| 2 スタッフ | ||||||||||
スタッフは以下の3名ですが、「哲学・哲学史コース」のスタッフも「倫理・宗教コース」の一部の科目を担当しています。
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| 3 コース決定に当たっての心構え | ||||||||||
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他の学問でもそうでしょうが、倫理学、宗教学を学ぶに際しても重要なことは、まず、どのような問題をどのような仕方で研究する学問であるのかをできるだけ知ることです。そのようにして初めて、自分自身の問題関心が自分の選んだ(選ぼうとしている)学問領域の中でどのような位置を占めるのか理解できるようになり、その結果、問題に正しくアプローチし、さらに自分の将来の課題を見極めることも可能になってくるものです。 したがって、「倫理・宗教コース」を選ぶかどうかをこれから決めようとしている場合にも、またコース決定した後も、できるだけ幅広く同コースの提供科目を受講し、自分の知識と思考の裾野を広げる努力をすることが肝要です。また、これまでにも述べてきたとおり、倫理学、宗教学は哲学ときわめて密接な関係があるので、「哲学・哲学史コース」の提供科目を幅広く受講するようにすることも重要です。そして、授業では不十分だと思われる点については、自発的な読書によって補うように努めなければなりません。 哲学の場合と同様、倫理学、宗教学の専門的研究のためには、先人の業績を原典で読むことが不可欠です。ですから、英・独・仏のうち2カ国語を予め学習しておくことが望まれます。また、より深い研究のためにはギリシア語・ラテン語の学習が有益です。 | ||||||||||
| 4 大学院 | ||||||||||
| 哲学歴史学専攻に哲学専門分野(専修)として、前期博士課程、後期博士課程が置かれていますが、学部で「倫理・宗教コース」所属だった人もこれらの課程に進学することができます。前期博士課程では二年間の間に多くの科目をとり、修士論文を書かねばなりません。多忙なので明確な問題意識をもって勉学に当たる覚悟が必要です。後期博士課程では、修士論文の成果をふまえて、さらに研究を積み重ねたあとで博士論文を書くことを求められます。また、欧米の大学院に留学して学位を取得することも選択肢の一つです。 | ||||||||||
| 5 卒業後の進出分野 | ||||||||||
| 先輩の多くは、教員、公務員に進出していますが、一般会社へ就職する人も少なくありません。倫理学、宗教学を一生の仕事とすることは決して容易ではありませんが、自分の努力次第では大学院へと進学し、研究者として自立する道も開かれています。さまざまな大学で活躍している先輩がたくさんいます。 | ||||||||||
| 6 メッセージなど | ||||||||||
| 「なぜ」という疑問を持つことがすべての学問の第一歩です。疑問を直接ぶつける積極的な姿勢で授業に臨んでほしいと思います。また、各スタッフがオフィス・アワーを設けていますから、気軽に研究室のドアをノックして積極的に活用してください。哲学同様、倫理学と宗教学も万巻の書と取り組んで行かねばならない奥の深い学問です。読書が好きで、ものを考えるのが好きな人、世界と自分について多くの疑問を持っている人、こういう人が「倫理・宗教コース」に向いている人だと言うことができます。 | ||||||||||