教育学コース
1 本コースの研究内容、特色
 人は生まれてから死ぬまでの間、いろいろな活動をしますが、それらのうち、教育に関係のないものはほとんどありません。人は、よりよく生きようとするとき、多くを学びます。学校以外でも学びます。「教師」が存在しないところでも学びます。職場にも、地域にも、ボランティア活動にも、家庭での子育てにも、教育の営みがあります。そういった、様々な場面において、「教育」という切り口で社会に貢献できるような人材形成を教育学コースでは目指しております。単に学校教師になるためだけのコースではありません。
 教育学コースでは、人のライフサイクル(人生周期)全体を視野に入れて学校教育と学校外教育の両面にわたる思想・制度および実践について、実証的に研究することを大事にします。具体的には、教育の思想や歴史、教育文化の比較をはじめとして、教育方法の開発と歴史、カリキュラム・学力論、教育を支える制度・行政のあり方、生涯学習、職業教育、高等教育論、教職および教師の教育、教育の情報化、教育病理現象、社会教育や学外教育の指導などの諸研究です。
 必須科目の「人間行動学概論 I・II」「人間行動学基礎演習 I・II」は1回生で履修してください。2回生向けの必修科目は「人間行動学データ解析法 I・II」で、人間行動学とは何か、その基礎となる方法論、人間という対象へのアプローチの仕方を学びます。2回生からは、「教育学概論 I・II」「教育学研究法 I・II」「教育史」「教育方法学 I・II」「教育学演習」、3回生では、「教育学実験演習 I・II」の選択必修科目を履修します。「教育学概論 I・II」と「教育学実験実習 I・II」は、とくに教育学コースの基盤となる科目です。
 これらの選択必修科目や教育学関連の自由選択科目の特長は、学生自身の問題意識を尊重し、ディスカッションや発表等を通して、多様なものの見方、批判的な思考、自分なりの価値や思想や知識を自分で構築できる力の育成を目指していることです。とくに「教育学実験実習 I・II」(1部は3回生、2部は3・4回生)では、自分でテーマを決め、フィールドに出て、インタビューや見学・観察などでデータを収集し、それに基づいて分析・考察する訓練をします。なお、各科目の詳細は、文学部「科目履修案内」の「文学部開講科目要綱」の欄を参照してください。その内容は、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/edu/ からでも閲覧できます。
 4回生(2部は5回生)では、卒業論文の作成が中心になり、「卒業論文演習」が行なわれます。一人ひとりに担当となる教員がついて、きめこまやかな指導をします。その際、担当教員以外の教員のところに相談しに行くことも積極的に奨励しています。卒論題目には、例えば、「過疎地における中高連帯教育の取り組みについて」、「教育メディアとしての新聞の可能性ーNIE(「教育に新聞を」)実践校から学ぶ」、「読み聞かせと子ども・母親ーある実践を通して」などがあります。なお、卒論題目一覧は、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/edu/ からでも閲覧できます。
 次に、いわゆる教室行事について説明しましょう。教室行事は、いわば課外活動と位置付けられます。大きなものとして、教室旅行、教育学研究フォーラムがあります。
 教室旅行は毎年1度行ないます。原則として教育学教室のメンバー全員(第1部、第2部の教育学コース生〔学部生〕、文学研究科人間行動学科教育学専修の大学院生および教員)が参加します。例年、5月か6月に1泊2日の日程で実施しています。企画・運営は3回生と担当の教員が行ないます。昼は博物館、資料館、文化史跡等を訪れて学習をし、夜は3回生企画の催し(ゲーム、クイズ・・・)とコンパで楽しみます。教育学教室のメンバーが一同に会し、親睦を深める絶好の機会です。
 もうひとつは、教育学研究フォーラムです。「フォーラム」とは〔広場〕といった意味ですが、教員と院生が、あるテーマについて研究発表ないし話題提供をして、それについて討論することによって互いの交流を深めます。年4,5回程度行なう予定ですが、自由参加の形で、学部学生も交えて行っていきたいと思っています。
2 スタッフ
豊田ひさき 教 授
(とよだ・ひさき)
教え・学ぶ関係の理論的・実践的な研究、教育方法の発展史に関する国際比較。
細井 克彦 教 授
(ほそい・かつひこ)
教育計画の理論と実際、教育の法と行政および制度、現代社会と高等教育。
堀内 達夫 教 授
(ほりうち・たつお)
西欧近代教育史、教育と雇用の関係、技術教育の理論と歴史。
添田 晴雄 助教授
(そえだ・はるお)
比較教育文化史、教育・学習における話すことと聞くことの研究、いじめ問題の国際比較研究。
木原 俊行 助教授
(きはら・としゆき)
授業改善・カリキュラム開発を通じた教師成長に関する研究、情報技術の利用による授業改善の研究。
3 コース決定に当たっての心構え
専門教育を受ける上で、一定の読解力は必要ですので、外国語として英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語などを身につけるよう努力しておいてください。
 教育の営みは、いろいろな人間の活動(生産、経済、政治、遊び、幸福追求……)と関係があります。それゆえ、教育学と関係のない学問領域はないといっても言い過ぎではありません。いろいろなことに興味をもち、活動し、いろいろな分野の読書をしてください。教育学の対象となるのは「人間」です。人間の行っているさまざまな活動を、何でも見てやろう、何でも経験してみよう、といった心構えで積極的に学生生活を送ってください。
4 大学院
 大学院文学研究科人間行動学専攻教育学専門分野(専修)では、教育の基礎理論および広義の教育方法に関する研究を行います。
 具体的には、教授学や教師の力量形成と発問など教育方法の問題、教育行政学や生涯学習社会の教育計画論、技術・職業教育論や教育と雇用の関係論、教育課程論や日本の中等教育の研究、比較教育文化論、授業改善やカリキュラム開発を通じた教師の力量形成の問題、教育の情報化の問題等の研究・教育を行なっています。
 大学院修了後は、大学の教員、中・高等学校の教員、教育研究所の研究員や国家公務員(法務局の教官等)、地方公務員(社会教育主事補等)として活躍しています。  大学院文学研究科への入学試験は、通常、入学前年の9月(前期博士課程)と、入学年の2月(後期博士課程)に実施されます。
5 卒業後の進出分野
 教育が関連する領域は学校教育ばかりではありません。かつては、卒業生の多くが、教科の免許状(国語、社会、地理・歴史、公民、英語)をとって、中等教育(中学校・高等学校)の分野に就職していきましたが、最近では、国家公務員(法務教官、家庭裁判所等)、地方公務員(社会教育主事補等)、さらには多数が民間企業にも進出しています。塾講師、新聞社、放送局、出版社、書店、コンピュータ関連会社、保険会社、銀行、デパート、食品メーカー……など、実にバラエティーに富んでいます。
 もちろん、大学院に進学して、研究職や高度な専門職をめざすことも可能です。
6 メッセージなど
 教育学教室のホームページは,http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/edu/ です。一般公開しているページのほか、教育学のコース生・院生・教員だけが利用できる「教育学の院生・学生の部屋」等も作成しています。
 教育学教室の研究室等は文学部棟1階にあります。コース所属の学生は「教育学学生指導室」(149)を利用できます。授業準備や学生同士の歓談の場として、また、1部・2部学生の活発な交流、情報交換の場として利用してください。この部屋には学生専用のコンピュータが2台設置してあります。「教育学共同研究室」には、教育学および隣接領域の事典、統計書、白書等が豊富に揃っています。百科事典や辞典も揃えてあります。教育学関係の新着雑誌もあります。「教育学資料室」には、全国の都道府県教育史(出版されているものはほとんど網羅)をはじめ教育史関係の文献があります。この部屋の2台のコンピュータは大学院生が使用します。「教育技術開発研究室」には、コース生・院生用のコンピュータが8台あります(このほかにもノートパソコンを多数用意し、教育学の授業で使えるようにしてあります。また、学情のOPACや「雑誌記事索引」などのインターネット上のデータベースが利用できます)。ビデオ編集機やビデオ撮影のための設備もあります。「教育学大学院指導室」は、大学院生が研究するための部屋で、コンピュータを多数置いています。
 教育学の教員は週1回、オフィスアワーを設けています。授業のこと、学生生活のこと、進路のことその他の「よろず個別相談」として利用できます。時間割は教育学共同研究室前に掲示していますので、オフィスアワーの時間帯を確認の上、積極的に活用してください。1回生で、進路について迷っている人には特にお勧めします。
 なお、添田助教授主催の教員採用試験研究会を月に2回程度、開いています。教育学コース生以外にも広く開放しています。教師を志望する方は積極的にご参加ください(詳細情報は http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/edu/ からでも閲覧できます)。また、教員採用関連情報を添田研究室前の掲示板に掲示していますので、ご利用ください。

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