2017年度の上方文化講座は『祇園祭礼信仰記』に取り組みました。講座は8月23日(水)~25日(金)の3日間、例年通り本学学術情報総合センター10階大会議室を会場に行われました。
例年、近畿圏以外からの応募は全体の15パーセント程度を占めますが、今年はその割合がなんと20パーセントに達しました。北は青森から南は宮崎まで全国各地から文楽の「聖地」に参集した市民150名と本学学生30名を前に、個性豊かな授業が多角的に展開されました。
竹本津駒太夫、鶴澤清介、桐竹勘十郎の三師は、それぞれの芸を熱く語ってくださるとともに、吉田幸助師も加わった「爪先鼠の段」の実演では神技とも呼べるような芸で受講生をすっかり魅了してくださいました。
授業内容は以下の通りです。
授業日程
8月23日(水)
(1)文楽案内─曲風・大道具など(久堀裕朗)
(2)『祇園祭礼信仰記』解説(久堀裕朗)
(3)秀吉と頓智─近代講談本の秀吉像─(奥野久美子)
(4)『祇園祭礼信仰記』〔四段目〕講読①(久堀裕朗)
8月24日(木)
(1)『祇園祭礼信仰記』〔四段目〕講読②(久堀裕朗)
(2)『信長記』とその時代(大坪亮介)
(3)『祇園祭礼信仰記』──太夫・三味線の芸(竹本津駒太夫・鶴澤清介)
(4)『祇園祭礼信仰記』──太夫・三味線・人形の芸
(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎)
8月25日(金)
(1)死に向かって疾走する恋人たち─近松とヨーロッパ演劇に見る、恋人たちの愛と死 (三上雅子)
(2)近世大坂の芝居町──役木戸をめぐって─(塚田孝)
(3)桐竹勘十郎師に聞く──実演をまじえて(桐竹勘十郎)
(4)文楽の至芸──太夫・三味線・人形、三業一体の舞台
(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎)