概要

研究科長・文学部長挨拶

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文学研究科長 小田中 章浩

大阪市立大学の歴史は古く、その発祥は明治時代にまでさかのぼりますが、大学としての歩みは、1928年に設立された大阪商科大学に始まります。その後、徐々に拡充され多数の学部を擁する総合大学となりました。さらに、大学院教育の重点化も図られ博士課程をもつ研究型大学として発展してきました。文学部は、その歩みのなかで1953年に創設され、2013年の今年、創設60周年を迎えます。この間、一貫して伝統的な基礎学を主軸に時代の変化や社会のニーズに応えられる教育研究を展開して参りました。文学部が飛躍的に発展する契機となりましたのが、大学院重点化を果たした2001年の翌年に文部科学省の「21世紀COEプログラム」に採択されたことです。「都市文化」をキーワードに文学研究科の総力を結集し各専門分野の枠を超えた先進的な取り組みに次々と挑戦しました。事業終了後もその実績を活かし、都市文化研究センター(UCRC)を中心にさまざまな研究プロジェクトを立ちあげ、若手研究者の国際的発信力育成のための教育プログラムを維持してきました。アジア、ヨーロッパ、アメリカの各大学との学術的交流にも力を注いできました。文学研究科・文学部は、2013年に創設60周年の節目を向かえ、さらなる挑戦への決意を新たにしたところです。

現在、日本の大学は厳しい競争環境に置かれています。国が推進する大学改革のためのさまざまな実行プランに沿った特色ある教育研究プロジェクトを立案し、他の大学と競い合いながら、資金を獲得していかなければなりません。目下、大学に求められているのは、世界を舞台に活躍できる人材の育成、研究成果を地域社会に還元し地域の発展に資する人材の育成です。このような方向性はけっして間違ってはいませんが、競争に勝つことを優先させるあまり、学問が目新しさや目先の利益を追求する浅いものに変質する危険性もはらんでいます。それは私たちの本意ではありません。もとより、学問研究は、人類の幸福を願う気持ちから生まれたものであり、その営みの真髄はいつの時代も変わらぬものであると思います。文学研究科・文学部は、人間の生み出すあらゆる文化事象に関心をもち、その価値を問い直し、そして、そのような文化を生み出す人間の本質を探究するところです。人間が幸福に生きるためにはどのような社会や文化が必要なのかを見出すこと、これが私たちの使命であると考えます。

この使命を果たすための営みに是非皆さんにも加わっていただきたく思います。