田中秀和
(第 1 部 4 回生)

リヨン日記



Le 27/05/2002
 ついに、明日、クラブチームでの初めの練習だ。といっても、今はシーズンオフで試合がないので、ミニゲームなどをかるくやるだけらしいのだが・・・。でも、今日はそのためにトレーニングをした。さすがに体がなまっているので、15分間トラックを走っただけ。その間に雨が。かなり体を冷やしてしまったらしく、帰ってから腹痛に襲われた・・・。
 それがいまやっとおさまったところなのだ。とにかく、明日の夕方(といっても、20時から)はデビューである。あまり気を張らないほうがいいプレーができそうだ。
 そうそう、クラブハウスのホワイトボードには、すでに21番TANAKAという名前が。写真を添付しよう。わかるかな?
 21番というと、そう、ジダンがJuvents時代につけていた番号だよね。試合でそのユニフォームをきれるのかどうかわからないけれど、なんか、いいよね。本当は14が好きなんだけどね。かつてはフェイエノールトでヨハン・クライフがつけ、今は小野信二。実は電子メールのアドレスはここから来ているのだ。
 腹痛になったといったが、長い間激しい運動をしていた人間が、急にやめて、またしばらく経ってから始めるというのはあまりよくない。というのも、激しい運動に慣れるまでには、体を少々いじめてやる必要があるからである。高校のころは、若かったとうこともあり、それでもかなりきつかったが、順応して、練習に耐えながら体の状態を維持することができていた。
 今思えば、それが体力的にベストコンディションだった。今あのときの体力があれば・・・。卒業と同時に体をいじめることがなくなった。どんどんと体が甘えん坊になっていったわけだ。ちょっと山登りでもすれば次の日には筋肉痛になる。筋肉的なことだけではない。体の中の機関のはたらきも大幅に変化している。ここが重要なのだが、一番大きく変化しているものとして、循環器系があげられる。肺と心臓、それから血管である。まず、肺の酸素供給量と、血液がながれる速度がかなり落ちている。心臓の筋肉も弱くなっているだろう。それを今日痛感した。
 腹痛になった理由は、雨による原因からだけではない。上に述べた血液による原因もある。走って多くの血液(酸素を肺に供給するための)が必要になり、今までの体には必要なかった分が増えて、今の体がそれに耐え切れなかったのではないか。血液が増えれば、肺だけでなく、とうぜん他の器官にもおおくの血液がいき、活性化がはかられる。その、今まで眠っていた活性化が急におこり、耐え切れず体の機能のバランスが崩れた。そして、それが腹痛になって表れたのである。よく、マラソン大会などで、運動不足のあんちゃんが頑張りすぎて、あとで嘔吐するが、まさしくあの状態。 
 活性酸素のはなしをきいたことがあるだろうか。これが体内に増えて蓄積すると、細胞のバランスが崩れ、ガンの原因となるということをテレビで見たことがある。活発な動きをすると、これが増えていくというようなことをいっていたと思う。しかし、それでは、運動選手がみんなガンになって早く死ぬか、と言うとそうではない。運動選手はつねに自分の体をいじめることをやっている。つまり、定期的に自分の体をリフレッシュさせているわけだ。ここでいうリフレッシュは、休むということではなく、多くの血液を体内にながして運動するということである。そうすることによって、体内を常にきれいな状態に保っている。いけないのは、運動を急にやることだ。システムを急に変えるのはよくない。そうすることによって、どこか変な箇所がうまれ、それを修整しなければならなくなる。その修整が年を重ねるごとに効かなくなってくるのである。
 ここで、覚悟を決めなければならない。今一度スポーツマンになろうとしている自分に。
 決して妥協せずにトレーニングを一生続けるということ。

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