大阪市立大学 東洋史研究室
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院生紹介

院生一覧

後期博士課程
永田 拓治 …漢晋期における歴史叙述の流行と社会
辻 高広 …明清都市社会史
武藤 真由美 …唐代における雨乞いの祭祀
姜 暁麗 …遣唐使と唐の外交制度
八 宝 …モンゴルにおけるハーン(可汗)権の研究
金 賢 …高麗・宋間の外交関係と民間交流について
前期博士課程
奥山 由希子…宋代の出版史
山岡 正樹…後漢〜魏晋における異民族統治官について
安藝 俊一郎
池永 久範…中国前近代の国家と財政
荘 尭合
多田 宜文

院生詳細

永田 拓治

ある時代に特定の題材をもとに歴史叙述が行われるとき、そこには当該社会の歴史意識、社会意識、価値観等が色濃く反映されていたと考えられる。そこである特定の時代にある特定の題材が歴史叙述の題材として選ばれたのかを分析することで歴史叙述のもつ客観的な事実だけでなく、その歴史叙述が行われるにいたった当時の歴史的背景にまで迫りたい。

【論文】
「書評:胡宝国著『漢唐間史学的発展』(商務印書館2003年,239頁)」(『大阪市立大学東洋史論叢』14、2005年)
「「先賢伝」「耆旧伝」の歴史的性格―漢晋時期の人物と地域の叙述と社会」(『中国−社会と文化』第21号、 2006年6月)
書評 松下憲一『北魏胡族体制論』(『都市文化研究』第10号、2008年3月)
【口頭発表】
「「先賢伝」「耆旧伝」の本質〜「先賢伝」「耆旧伝」流行よりみた魏晋社会〜」(古代史研究会、2004年7月)
「“状”与“先賢伝”“耆旧伝”―従“郡国書”到“海内書”」(中国中古史中日青年学者聯誼会、北京大学中古史中心、2007年 8月
漢晋期における「謡」の叙述−「音声世界」の「謡」と「文字世界」の「謡」−(九州史学大会、2007年12月)
文献史料の可能性をさぐる  漢晋期における「謡」の叙述−「音声世界」の「謡」と「文字世界」の「謡」−  瀬戸内魏晋南北朝史研究会、2008年3月

辻 高広

明清、江南都市における各種の水利事業についての分析を行っています。

明末以降、江南地方においては商品生産の拡大に伴って、市鎮と呼ばれる中小の新興都市が多数出現し、また蘇州や南京といった旧来からの大都市もその市域を拡大していきました。実は,これらは全て商業交通路としての水路の上に形成されたものです。また、都市の内部においては生活、工業用水として、あるいは人々が集い、憩う場としてなど、様々な形で水が都市生活と密接に結びついており、水は都市を形成する重要なファクターの一つでした。

このような水に関わる事業に関して、地方志や残存する工事記録などを用いて分析を加える事によって、都市の諸機能を明らかにする事を目指しています

【論文】
「宮田道昭著『中国の開港と沿岸市場−−中国近代経済史に関する一視点』」(『現代中国研究』20、2007年3月)
【口頭発表】
「清末江南都市における公共事業について―橋梁建設を中心として―」(宋代史談話会、2004年7月)
「清末地方都市の都市再建と邑紳層―江西省南豊県の保甲局を中心として―」(宋代史談話会、2005年4月)
「清末江西省における公共事業と都市の変容―建昌府南豊県を事例として―」(東北中国学会、2006年5月)

武藤 真由美

唐朝では、一年を通して様々な祭祀が実施されていました。その祭祀の詳細な儀式過程や参加者、使用する祭器等は、『大唐開元禮』に記述されています。そこで、『開元禮』の記述から、唐朝の祭祀を空間的・視覚的に捉えることを目指しています。また、祭祀が持つ機能の多面性に着目し、それぞれの祭祀の集合体としての唐朝像を考えていきたいと思います。

現在、北京大学歴史系へ留学中。

【口頭発表】
「唐代における農耕祭祀と皇帝」(宋代史談話会、2004年1月)
「国家祭祀の変遷に見る唐朝の皇帝」(宋代史談話会、2005年6月)

姜 暁麗

唐政府は外国使節をどのような地域の機関や組織でどういうふうに受け入れるのか、どんな政策をとっているのか。そして、それに応じて、日本はどのよう遣唐使を派遣したか。また、日本の留学僧、留学生はどんな環境で勉強するか、長安と地方にいる遣唐使は、それぞれどういうふうに生活するかなどについて、詳細な分析を加え、古代の日本と唐のいっそう具体的な交流内容を研究する。

2008年度より休学中

【口頭発表】
「唐代揚州の海上外交―唐の後半期を中心に―」(宋代史談話会、2007年5月)

八 宝

権力の一形態である王権は、モンゴルの場合「ハーン(可汗)権」に相当しうるものであるので、「ハーン(可汗)権」と呼ぶのがより適切だろう。ハーン権は、モンゴルが「北方諸民族」から継承した文化の一現象であり、その根源は北方民族のシャーマニズムのテンゲリ(天)崇拝、トーテム崇拝、祖先崇拝の観念と深く関わっていた。ハーン権は、また中国の「天子」や「皇帝」や「王」と相当するものとして、どのような存在であったのか。これも興味深いところである。

モンゴルにおけるハーン権は、モンゴル人が築いた大モンゴルウルス(国)、元朝、北元朝(明朝時代のモンゴルをいう)に存在した権力現象であり、チンギス・ハーンとその継承者のオゴタイ・ハーンやフビライ・ハーンの時代にその絶頂期を迎えたのはいうまでもない。そのため、モンゴル社会におけるハーン権の形成、発展、消失、変容の歩みはチンギス・ハーンの一族の「黄金家族」と固く結ばれてきたことが分かる。長きにわたって、モンゴル社会にチンギス・ハーンの「黄金家族」こそが、モンゴルのハーンを握るべき正統性を持つという歴史認識が形成されてきたのである。よって、チンギス・ハーンの「黄金家族」の系譜は、モンゴルのハーン権のあり方を検討していくうえでの一つの手掛かりになると考えている。

また、中国に元朝を立てたモンゴルのハーン権であるが、その性格が中国の皇帝制と異なる点が多いのは確かである。そのため、その相違について、その実態に迫り、考査する必要もあるだろう。このようにして、モンゴルにおけるハーン権の根源、各時代のあり方、構造などを歴史的に考察して行きたいと考えている。

【論文】
「シャーマンの詩歌―言語の巫術」『内モンゴル社会科学』(モンゴル)1988年 第4期

金 賢

八世紀後半から十二世紀までの間は、中国の歴史において大きな変革期とされている。この時代に勃興した北方諸民族は、前代までのように漢民族の文化に同化されることなく、自らの王朝を樹立し、独自のものを生み出していった。一方、朝鮮半島の高麗は常に隣接する諸国の影響を受け、国内の政治体制にも大きな変化がもたらされていた。その複雑な国際情勢の中で、高麗と宋との外交関係はどのような形で展開していたのか。両国の使節往来の分析を中心に、民間商人の具体的な活動についても着目しながら、研究を進めていきたいと思う。

【口頭発表】
「高麗・宋間の外交関係と民間交流について」(宋代史談話会、2006年5月)
「高麗と南宋との交流」(宋代史談話会、2007年5月)

奥山 由希子

宋眞宗期に皇帝権力の象徴として、また後世の範とするために編纂された大部の類書『冊府元亀』には、二十名ほどの編纂官が関わっている。
なかでも各部門の總序を記した楊億等六名の中には、当時、西崑体と呼ばれる一つの詩風を形成した編纂官が多く関わっていることが分かる。
そこで『冊府元亀』成立に関する一考察として、西崑体詩人と『冊府元亀』との関係、また總序の分析を中心に、總序編纂官の編纂姿勢を考えていきたいと思う。

山岡 正樹

後漢〜魏晋における異民族統治官について取り扱う

安藝 俊一郎

 

池永 久範

中国前近代の国家と財政の関わりから、国家存亡の危機に際した折、どのような制度政策をもって国家はその危難を乗り越えていくのか。またそのような制度政策は当時の経済にどのような影響を与えていたのか。そのような事から見えてくる当時の社会状況とはいかなるものであったのか。その様なことを研究していきたいと考えている。

荘 尭合

 

多田 宜文