学部・大学院

国語国文学コース

jpn

http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/jpn/

長い歴史を有する日本語と、その言葉によって織りなされる古代以来の文学作品、前者を直接の研究対象とするのが国語学、後者とその周辺を扱うのが国文学、この双方を合わせて本コースは構成されています。「国語国文学」と名乗るのは、日本語日本文学を自己の属する文化と考える立場にたち、その責任と自覚の下に研究活動を行っているからです。

本コースの特色は、古典を重視するということです。この古典というのは、近代の文学も含まれます。古典作品を深く読み、そこに現代と通底するものを見出す、あるいは、現代とは異質で容易には理解しがたい考え方と対峙する、そういう中から、現代を生きる基盤というものを汲み取ることが重要だと考えています。また、現代の日本語も、歴史的な変遷を経ながらも、根幹部分を古典語と共有するところが多く、ふだん何気なく使っている言葉の奥行きに目を向けることが必要です。

本コースのもう一つの特色は、具体的な根拠に基づきつつ着実に考察を展開させていく、実証的な研究姿勢の修得を目指しているということです。そのため、授業カリキュラムは、文献や資料の扱い、またその解釈など、基本的な学習に比重を置いたものになっています。古典を現在の常識から早呑み込みするのでなく、その時代の考え方や背景に即して理解するためには、このような基礎的な過程が是非とも必要になるのです。

では、具体的にどのような学習の進め方をするのかということですが、23回生の間は、国語学国文学担当の全教員の授業を満遍なく受講することになります。 国語学だけ、国文学だけ、あるいは特定の時代の授業だけ、といった受講の仕方をすることはできません。国語国文学の幅広い領域について、まず基本的な素養をしっかりと身につけることが重要です。ある偏った分野だけを学んでいては、卒業論文で個別のテーマに取り組む時にも、研究が深まっていきません。

本コースの授業形態は、演習形式の授業の比率が高くなっています。「国語国文学講読Ⅰ~Ⅳ」、「国語国文学演習Ⅰ~Ⅵ」「国語国文学特論演習」という科目はもちろん、「国語学方法論」「国語国文学特講Ⅰ・Ⅱ」「国語国文学特論」という科目も、演習形式を組み込んで行われることが多くあります。そこでは、たとえばある作品を講読するような場合、受講生の間で分担を決め、それぞれの担当箇所について各人が調べ、考えてきたことを発表し、さらに、それについて質疑を交わしながら問題点を深めていく、といった形式で授業が行われます。担当者には、多くの文献を読み、さまざまな資料を調べるという、地味で根気のいる作業が要求されますが、こうした実地の作業を通じて、文献処理の方法や、緻密な読解のための基本姿勢が初めて身についていくのです。と同時に、それらは決して単に退屈で苦しいだけの作業ではなく、経験を重ねるうちに、そうした作業の合間合間に、この学問特有の面白さを感じ取れる瞬間が訪れるようになることでしょう。

このようにして、23回生の二年間、本コースの授業を一通り受講する過程で、おのずと自分の好みの分野、関心のある作品がしぼられてくるはずです。4回生の卒業論文では、自分自身で具体的なテーマを模索し、資料・データを集め、考えを深め、結論を導いていきます。この1年は、学習時間のほとんどを卒業論文の制作にあてなくてはなりません。もちろん専任教員が指導・助言をしますが、あくまで研究主体は自分自身であり、最終学年としての自覚が問われます。

なお、本コースでは、授業の他にも、在学生・卒業生・教員などによる各種の研究会が開かれていますので、こうした場に参加して、さらに勉学を積むことも可能です。また、研究室では雑誌『文学史研究』を発行して研究成果を公表しており、優秀な卒業論文がこれに掲載されることもあります。

この他、本コースの在学生・卒業生・教員から成る同窓会組織「大阪市立大学国語国文学会」が結成され、年一回の総会(大学院生の研究発表や懇親会も併せ行われる)や、春の新入生歓迎会、秋の研修旅行、卒業生を送り出す予餞会など、各種行事を行って構成員間の親睦をはかっています。

スタッフ

丹羽哲也 教授 現代語の意味と文法。日常われわれが使っていることばがいかなる仕組みでできているか、また、それが過去から現代までいかに変化してきたかという研究。
小林直樹 教授 中世の説話と説話集の研究。作品世界とその背景をなす文化的基盤の両面を究明する。
久堀裕朗 准教授 近世文学、主に人形浄瑠璃史の研究。作品がどのような時代背景のもとに生まれ、どのように享受されていったのかを考察する。
奥野久美子 准教授 近代文学、特に芥川龍之介など大正期の作品研究。草稿や典拠、文化的背景の考察により、作品の成り立ちを研究する。
山本真由子 講師 平安時代の文学、主に漢文学・和歌の研究。漢語表現と和語表現との関わりを考察し、作品の表現の成り立ち・特質を研究する。

コース決定にあたっての心構え

一般に言語や文学の研究には、人間についての広く深い教養と、やわらかな知的好奇心とが必要とされますが、国語国文学もその例外ではなく、日頃からあらゆる機会を捉えて、この方面の涵養につとめてほしいと思います。
また、大学での勉強では、学生一人ひとりに、主体的に問題意識を持って考え、持続的にそれを深めていくような姿勢が要求されます。授業内容をそのまま吸収・記憶するだけで満足したりせず、授業を通して興味を喚起された事柄については、積極的にその方面の書物に就いて、自ら考察を重ね、深めていくような学習態度を、1回生のうちからぜひとも身につけておいてほしいと思います。
「国語国文学コース」の教員が担当している全学共通科目の授業や、文学部の1回生配当の専門科目の授業を受講することは、その意味でも有益だと言えましょう。あまり早くから関心の対象を限定する必要はなく、できるだけ開かれた柔軟な姿勢で授業に臨んでください。

卒業後の進出分野

本コース卒業生には高等学校や中学校の国語教員が多数いるとともに、一般企業や公務員などさまざまな方面に就職しています。丹念に調査し、資料を深く読み、それを誰もが納得するような形で報告するという本コースのトレーニングは、あらゆる実務の基本でもあるともいえ、どのような職種に就いても生きることでしょう。
授業を通して、あるいは、卒業論文に取り組む過程で、学問の面白さに目覚め、さらに奥深くまで攻究したいという意欲をもった人のためには、大学院「国語国文学専修」に進学する道も開けています。伝統ある本専修は、これまで多くの優秀な人材を学界に輩出して来ています。
また、中学・高校の教員志望の人は、前期博士課程を修了し専修免許状を取得してから教職に就くということも、現在はごく普通になっています。

メッセージ

本コースに関心のある人、もっと詳しい情報を得たい人は、国語国文学学生指導室(文学部棟304号室)を覗いてみてください。ここは普段、学部生や大学院生が授業の準備や研究を行っている部屋です。学年の上から下までが日常的に親しく接する中で、下級生は勉強法などを教えてもらっています。ここへ行って一声かければ、上級生や大学院生がいろいろなことを教えてくれるでしょう。もちろん、教員のところにも、気軽に相談に来てください。